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西沢大良氏(@tairanishizawa)tweetまとめ

建築家西沢大良氏の考えさせられ勉強になるツイートまとめ。 続きを読む
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西沢大良 @tairanishizawa

→ウィトゲンシュタインは、数学者を攻撃しながら数学を擁護するからね。攻撃されているのは言語的に数学を使う人(デデキント、ラッセル、フレーゲ)。カントールについては対角線法には文句を言ったけど、基本的には面白がってたんじゃないかな。「数とはカタチである」ってほとんど可算濃度だもん。

2014-04-26 01:33:15
西沢大良 @tairanishizawa

→ちなみに「数とはカタチである」っていうのは建築の起源論でもあるよ。幾何学的建築ではなくて代数的建築だけど。桃の木が2本ある状態と、家が2軒ある状態も、カタチが同じだね。それをボリュームスタディでやるわけね。ウィトゲンシュタインは上手いこと言う。ああいうのを認識って言うんだよ。

2014-04-26 01:35:56
西沢大良 @tairanishizawa

理論に憧れる(ないし嫌悪する)学生さんへ:よく世間では「デザインのできる人は理論ができない」とか「理論を語るデザイナーはいかがわしい」って言うね。あれは迷信だから騙されちゃダメです。理論的能力は、デザイン能力に反するわけじゃないです。両者はたんに別モノです。これ正確に理解してね。

2014-04-27 02:04:26
西沢大良 @tairanishizawa

→脳みそ開けると言語野と視覚野は別のところにある。つまり言語(理論)だけ鍛えても視覚(デザイン)は発達しないし、視覚(デザイン)ばかり鍛えても言語(理論)は上達しない。理論的能力とデザイン能力は別モノで、別の訓練が必要だということです。一方から他方を推し量ることはできないです。

2014-04-27 02:13:01
西沢大良 @tairanishizawa

→もちろん片方の訓練しかしなかった人はいる。多感な時期に何も読まなかった建築家は、高校くらいで知性が止まってる。その分、視覚に時間をかけて、デザインを上達させた人もいるでしょう。ただそれは、片方の訓練しかしなかったってだけです。それを見習うと、自分で自分をアホにすることになる。

2014-04-27 02:49:36
西沢大良 @tairanishizawa

→繰り返すと、理論的能力とデザイン能力は別モノです。「デザインの上手い人は理論ができない」のではなくて「たんにデザインの訓練を積んだ人」なのです。理論のできない人も「たんに理論の訓練をしなかった人」です。両者を関係ありげに語るのは迷信です。別々の訓練を施せば、両立は可能です。

2014-04-27 02:52:14
西沢大良 @tairanishizawa

→PS もし「デザインの上手い人は理論ができない」とか「理論を語るデザイナーはいかがわしい」と主張する人に出くわしたら、その人の能力に注目してみて。たいてい一方しかできないか、両方できないよ。両方できる人を信じた方がいいよ。その人だけが、両立のさせ方を自分の経験で話してくれるよ。

2014-04-27 02:55:33
西沢大良 @tairanishizawa

長い論文を読み通せずに悩んでる学生さんへ: 理論書にあるような長い文章は、「ある日突然」読めるようになります。ただし、読もうとしては失敗することを繰り返したあげく、「突然」読めるようになる。それは鉄棒の逆上がりや自転車と同じです。逆上がりは「突然」成功するし、自転車も「突然」です

2014-04-28 00:03:36
西沢大良 @tairanishizawa

→逆上がりに挑戦する子供は、夢中になって失敗を繰り返す。それは我慢や忍耐ではなくて、全身全霊で失敗を繰り返す。それが続いた場合にのみ、「突然」できるようになる。人間の身体はそのようにできているんで、読書もその身体でやってるんだから同じです。学生諸君、逆上がりを思い出して本を読め。

2014-04-28 00:05:37
西沢大良 @tairanishizawa

→PS あとね。長い文章を読めるか否かは、才能や知性の問題ではないよ。逆上がりをするのに才能も糞もない。ホモサピエンスの9割はできるもん。それでも逆上がりをできなかった人は、無我夢中で失敗するような根気に恵まれなかった人。根気さえあれば、長い文章を「突然」読めるようになるからね。

2014-04-28 00:07:58
西沢大良 @tairanishizawa

この人を見よ: ホルヘ・アンソレーナ(83歳)。アルゼンチン出身、都内在住。イエズス会神父。上智大で神学を治め、東大で建築の博士をとり、世界の貧困問題に取り組む。ACHR(アジア居住権) SELAVIP(居住奉仕団)主宰。1年の半分はアジアや中南米のスラムを訪れ改善運動を続ける。

2014-04-29 04:28:45
西沢大良 @tairanishizawa

→蛇足ながらアンソレーナさんは、実はチェ・ゲバラのいとこでもある。昨年都内でお会いした時、59年のゲバラ来日について尋ねたら、「祖母から手紙が来て、彼の面倒を見てあげてって言われた。でも勉強が忙しくて会えなくてねえ」と。「彼も忙しかったからねえ」と。そりゃそうだ。あれは忙しいよ。

2014-04-29 04:31:22
西沢大良 @tairanishizawa

→ゲバラはカストロに会うまで医学博士だったのは有名な話。なんで医者になったんでしょうと尋ねたら、「我が家は工学や医学の血筋なんですよ。祖先がドイツ系移民でねえ。自然なことなんです」と。やっぱ親族の意見はひと味違うわ。近世ドイツ・反ルター・科学者・亡命だってさ。そいつは筋金入りだ。

2014-04-29 04:36:12
西沢大良 @tairanishizawa

→基本的にアンソレーナさんは、穏やかで静かな人物。83歳の今も無一文であり、妻帯もせず、神学生たちと共同生活をし、異国のスラムのために働いている。アンソレーナさんと同様、ゲバラも静かな男だったんじゃないかな。ゲバラをやたらと過激に捉える60年代的なイメージは、かなり疑わしいね。

2014-04-29 04:37:56
西沢大良 @tairanishizawa

臆病な設計をしてる学生さんへ: 設計というのはクリエイションなんですよ。クリエイションをする時は、空気を読んではダメなのよ。どんな案が評価されるんですか?みたいな、空気を読もうとしてはダメよ。あるいは、先輩がこういう案で評価されてた!とかの、過去の空気読み(前例主義)もダメです

2014-05-02 05:50:48
西沢大良 @tairanishizawa

→空気読みや前例主義でやってたら、いまだに人類は竪穴式住居に住んでることになってるよ。建築の発達は、空気を読まずにクリエイションしてきたからなんですよ。だから製図室の中では、空気を読まずにスタディしましょう(空気を読むのは製図室の外、学食とか学生課とかでやるようにしてね)。

2014-05-02 05:53:18
西沢大良 @tairanishizawa

→もちろん過去の設計案の知識はあった方がいいよ。無知は何も生み出さないもん。でも、その案に服従するような設計をしちゃダメよ。それは臆病ってもんだ。クリエイションから逃げたいってことだ。でも設計は度胸なんだよ。クリエイションから逃げたら竪穴式住居のまんまだよ。もっと勇気を出せ。

2014-05-02 05:57:44
西沢大良 @tairanishizawa

建築界に絶望してる学生さんへ: 若き天才リーマンが『幾何学の基礎をなす仮説について』を出した時、巨人ガウスは自分の講義を中止したという。何の講義だったかと言えば、近世数学に決まってる(18c末までの数学)。ではなぜ止めたのかと言えば近代数学が「ついに始まってしまった」からですね

2014-05-03 00:44:15
西沢大良 @tairanishizawa

→この時点で近代数学の出現を不可避なものと認めたのは、70才過ぎのガウスだけ。ガウスは近代数学を広めたくなかった人だけど、近世数学を捨てた。偉いよね。そういう人が今の建築界にはゼロだもん。あんたら少しはガウスを見習えよ。建築界からリーマンが出てこないのは、ガウスがいないからだよ。

2014-05-03 00:46:52
西沢大良 @tairanishizawa

幾何学にタブラかされてる学生さんへ: 幾何学っていうのは、実は「見えないもの」なんですよ。代数も「見えない」けれど、幾何学だって「見えない」です。教科書に載ってる三角形とか正方形の絵は、偽の図柄なんですよ。「点」であれ「線」であれ、およそ人類が描けるようなシロモノではないよ。 

2014-05-04 00:07:41
西沢大良 @tairanishizawa

→「平行線」とか「点」とかは、古代ギリシャの頃から弁証と背理法によって定義を練りあげてきたわけです。「点」はすでに大きさないからね。その連続体が「線」だからね。描けるわけがない。そういう対象だけがもつ事実性、その驚嘆すべき事実性が、数学を発達させてきたのです(この場合は幾何学)。

2014-05-04 00:17:24
西沢大良 @tairanishizawa

→その意味で数学は(幾何学も含めて)、暗闇の中のゲームです。あるいは、眩しすぎて何も見えない光の中のゲームです。だから、幾何学が「見える」と思ってしまう人は、古代ギリシャの頃からくるくるパーだとされてます。またそういう図柄で幾何学に惹かれてしまう人も、同じくらいくるくるパーです。

2014-05-04 00:20:37
西沢大良 @tairanishizawa

→モダニストの好きな黄金率なりプラトン立体なりも「見えないもの」なのです。教科書に出てるプラトン立体(例えば正四面体)の絵は、いわばバカな中学生に理解させるための強引な図柄です。そんなバカ向けの図柄をもとに作品作ってどうすんの。そんな有様だから建築は数学よりも劣るってことになる。

2014-05-04 00:24:34
西沢大良 @tairanishizawa

建築が芸術か否かで悩んでいる受講生へ: 建築はいちおう芸術だけど(ただし近代美術的な芸術ではない)、大事なことは、どんなタイプの芸術かってこと。建築は「寸法の芸術」なんですよ。これ僕が初めて指摘したことなので(10年前)、初耳かもしれんけど。でも前期の講義を聞けば納得するよ。

2014-05-05 02:40:20
西沢大良 @tairanishizawa

→建築が芸術か否かを言う人は、たいてい近代美術を基準に考えるんだよね(あるいは近世美術)。でも中世や古代の美術ならまだしも、近世や近代の美術を元にすると間違える。ネセジティが個人になっちゃったもんね。そういうのを芸術というのなら、建築は芸術ではないな。これも夏休みまでに納得するよ

2014-05-05 02:49:13
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