倉山満『嘘だらけの日中近現代史』の誤りについて
倉山満『嘘だらけの日中近現代史』P26もすごい。「中国には『政治的言動は即死刑』という伝統があり」…この説は吉川幸次郎「漢の武帝」あとがきで漢書の例を上げて否定されてます。
2014-06-19 09:47:35倉山満『嘘だらけの日中近現代史』P26続き「素人の農民がプロの軍人と戦って勝てるはずもない」…高島俊男『中国の大盗賊』を読めば分かりますが、いわゆる「農民反乱」は中共の公式見解で、反乱をやってるのはプロの盗賊とかだったりするんだよね…というか宋江三十六人はプロとやって連戦連勝だ…
2014-06-19 09:51:24「宋江以三十六人橫行齊魏,官軍數萬,無敢抗者,不若赦江,使討方臘以自贖,或足以平東南之亂」。《東都事略》要するに、「宋江の反乱軍に官軍数万が勝てないので、プロに編入すべき」といってるんだよね。要するに王朝末期の官軍ってクッソ弱いんですよ。暗黒時代の阪神二軍が高校野球に負ける系
2014-06-19 09:54:31だいたい倉山氏の脳内の中国官軍は三国志演義のイメージなのか規律のとれた集団のようだが、基本中国の歴代官軍は「好人不当兵(良い人間は兵にならぬ)」という伝統がありドキュソの集まり。現代中国でも似たところがあって汚職報道が絶えないんだけど…
2014-06-19 10:03:42例えばこれ。「中国軍に大激震 「軍史上最大の汚職」を2年越しで公表」wedge.ismedia.jp/articles/-/359…
2014-06-19 10:06:46読むと中国軍幹部が父祖の功績を誇るニセ伝記を文人にでっちあげさせ、3000億円超)と言われる巨額の汚職をやらかしていたという伝統中国ではよくあった話が現代中国でもフツーにあるのねーという報道ですね。
2014-06-19 10:11:12youtube.com/watch?v=EJBFs3…このチャンネルクララの番組もひでえよ。「臥薪嘗胆」は後世の創作だ!
2014-06-19 11:34:02覇者は有力戦国大名レベルではないです。皇帝代理クラスよ。征夷大将軍とかそのレベルです。倉山さん、そこを間違うとですね、中華思想とか新井白石とか全部アウトなんよ…
2014-06-19 11:39:31孔子は七十子とともに放浪して死んだみたいなことを倉山満氏は言ってましたが故郷へ帰って古典を編み直していたんですけどねえ。
2014-06-19 11:48:39倉山本「恵帝が戚夫人の無残な姿を見て精神に異常をきたして病死したことから呂后一族の討伐が始まり」…これも時系列や事項がなんか変じゃないか?少帝の存在は?
2014-06-19 14:32:14恵帝崩御→少帝恭立つ→廃位→少帝弘立つ→呂后薨ず→漢臣一斉に立つ→文帝即位の流れだから恵帝が崩御したあと随分時間は立ってるんだよねえ
2014-06-19 14:36:21倉山氏の脳内ではいつも「軍閥」が皇帝に取って代わるらしいのだが、なんかこの人の中国って日本の戦国時代みたいだね。高島俊男が言うように「盗賊」が多いんですけどね。あと異民族王朝はどこへいったんでしょうね。中国共産党公式見解の通り匈奴も中国人だとか言わないよね
2014-06-19 14:41:12「孔子の生涯付き従った弟子はわずか七十人という決して恵まれない人生を送り」(p29)「弟子蓋三千焉,身通六藝者七十有二人」(孔子世家)なんですけど何か勘違いしてないか?
2014-06-19 14:48:49孔子の弟子は七十人というのは子供のお習字の教科書の「三字経」のネタだろ…倉山氏はこの間の放送でも言っていたので誰か恥ずかしいから指摘してあげた方がいいよ、孔子世家に付き従った弟子の数の記載はないですよ
2014-06-19 14:50:25孔子の教えは「生きている人より死んだご先祖様を大事にしろ」という方向に暴走しかねない(p30) …そうですか。なんかもうどこからつっこめばいいんですかね
2014-06-19 14:52:08全体的に漂う安能務感がある倉山史観。安能務の名前が一箇所も出ていないようなのですが、安能務『中華帝国志』(講談社文庫)との共通点は結構あるんじゃないかな…まさか元ネタは…
2014-06-19 14:54:27安能 務(あのう つとむ、1932年10月12日 - 2000年4月、生年は1922年、1925年説もあり)は日本の小説家。日本統治時代の台湾生まれ、香港大学卒。詳細なプロフィールは公表していない。1980年代後半より古代中国を舞台にした歴史小説を発表した。代表作は『封神演義』『隋唐演義』『三国演義』など。
それらは題名からして翻訳のように見えるが、著作の多くは原著者名の標記はなく、底本(タネ本と呼んでいる)に批判・薀蓄を組み込んでリライトした小説である。(http://ja.wikipedia.org/wiki/安能務)
http://www.amazon.co.jp/中華帝国志〈上-治乱興亡篇〉-講談社文庫-安能-務/dp/4061854798
作家の安能務氏は「歴代王朝が次々王朝の栄光を記し、作らせた正史は、3000年間で実に4000巻を越え、何人も読破不可能。だが、この壮大な中国史も、考えようではあるパターンのくり返しだった。パターンを学ぶことにより長大な帝国史を手軽に理解できるはず」と考えた人です
2014-06-19 14:55:18「倉山満『嘘だらけの日中近現代史』の誤りについて」togetter.com/li/682135が、4234 viewに至りました。皆様拙文をたくさんご覧いただきありがとうございます。情報を追加しますのでまたよろしくお願いします
2014-06-20 06:43:16倉山満氏は韓非子を「いちゃもん」とまで言い切っている。(p32)ところが江戸時代の日本人の韓非子研究はすごく進んでいたわけですね。単なるいちゃもんなら江戸の漢学者がアレほど気合入れて注釈を書かないですよ。
2014-06-20 06:46:36