医療手話通訳について

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Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

今日は親が聾者の看護師部長さん(兼長年院内手話通訳をされておられました)によるミニお話がありました。スライドを使ってお話されましたが、そのスライドを載せてもいいよと本人から許可もらいましたので内容と合わせて連投します。スライドは私が写真で撮ったやつなので見づらいかも?ですが。

2014-06-22 21:13:32
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

⑴外来診察はこのような流れで行われ、患者と医師の間でたくさんの『会話』が必要になります。命に関わることなので、色々聞き出す必要があるのです。ところが聾者の場合、その会話が困難になります。 pic.twitter.com/oV67INgtdi

2014-06-22 21:19:57
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Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

⑵そのために手話通訳が必要になってくるのですが、手話通訳は聾者のためにあるのではなく、医師にも必要なのです。通訳者は、聾者の手話を読み取って医師に伝え、医師の話を聾者に手話で伝える。お互いがスムーズに会話が出来るようになれる。聾者にとっても医師にとっても、必要不可欠なものです。

2014-06-22 21:22:52
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

医師が勝手に「筆談で会話するから通訳はいらない」と告げられ、聾者は本当は通訳を呼んで欲しいのに医師に遠慮して筆談での会話になり、あとから「通訳来てほしかった」と言われたことがありました。医師に訴え、通訳付きで再診察をしました。 pic.twitter.com/MZtjSLOBIZ

2014-06-22 21:28:07
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Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

このように聾者は医師に対して遠慮してしまい、本当のことが言えない。それはおかしい。命に関わることなのだから遠慮なく通訳を呼んで欲しい。通訳をはさむことによって医師も聾者もお互い言いたいことがくまなく言えて、スッキリするのです。

2014-06-22 21:30:05
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

⑸聾患者へインフォームド・コンセントをする時に個別ごとにその聾者にあった説明が必要になります。聾者はみんな様々です。その人にあったわかりやすい説明をしなければなりません。 pic.twitter.com/Q5vlVfJUh8

2014-06-22 21:33:54
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Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

聾者は音が聞こえません。以前「うがいをしてください」と渡されたうがい薬で「うがい」の意味がわからず「飲み込んだ、苦かったよ」という聾者がいました。何故なら「ガラガラとうがいをする」の『ガラガラ』が聞こえないのです。だからどうやってうがいをするのか、知らなかったのです。

2014-06-22 21:36:03
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

⑺そんな聾者に対し、こうやってガラガラとうがいをするんだよ、と私の口の中を見せながらうがいの説明をしました。薬は間違えると命に関わります。説明するにしても聾のことをよく知っておく必要があるのです。

2014-06-22 21:38:42
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

⑻聾患者と聴家族がやって来て通訳をした時は、聾者から「今までは聴家族と医師が話し合って私はわかりませんでした。自分の体のことなのに何がどうなってるのかもわからなかったのです。それが手話通訳のおかげで初めて自分の体のことを知りました。嬉しかった」と言われました。

2014-06-22 21:41:29
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

看護師の倫理要綱の赤い部分は、手話通訳の倫理にも通じるところがあると思います。私は看護師と手話通訳の二つをすることによって、どちらも学べることが出来てよかったと思います。 pic.twitter.com/fZJiTzUmVe

2014-06-22 21:46:00
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Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

(10)私は看護師をしながら手話通訳をすることによって、聾者の表情や身振りなどを細かく観察出来るようになり、それが看護師の仕事にも反映されるようになりました。看護師は患者の顔や様子を見て判断します。通訳をしてより役に立ちました。 pic.twitter.com/ouoqfQm4zq

2014-06-22 21:57:36
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Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

30分の話でしたが、今うろ覚えとなってしまい本当に濃い内容で全部書ききれないのが悔しい位です。また思い出したらTweetしますね。

2014-06-22 22:09:26
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

最後に「手話は趣味ではなく、私の身体の一部です。」とその看護師さんが言った時はもう嬉しかったです。手話は私の身体の一部です、とハッキリ言える聴者が今までいただろうか。

2014-06-22 22:16:47
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

聾父が腕に怪我をして他市の整形外科へ。手話通訳なしだったので筆談で「腕の痛みはどの位か?」と言われ、父は「痛い」+(うーん、まあまあ)な顔をして答えたのだけど当然医師には伝わらぬ。咄嗟に医師は写真のように対応してくれたそうで。 pic.twitter.com/fhigG0Nnuj

2014-06-22 23:49:19
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Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

こういうやり方もあるのか!と聾父ひどく感動し、大変嬉しそうに「あの医師は柔軟に対応してくれた!」的に言うてた。聾者に「どの位の痛みか?」と聞かれても、うまく日本語で答えられない。手話ならきちんと答えられるのに。

2014-06-22 23:51:21
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

結局腕の痛みはかぶれだったらしく、包帯巻いておった。元気そうに見えてももう67なんやから気をつけてよ、ほんまにの。今日ようやく父の日プレゼント渡したら、照れ笑いしておりました。

2014-06-22 23:54:00
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

【レッツトライ】聾父の場合の「痛い」における手話を読み取ってみましょう。(イラストは相模原市ワンポイントレッスンより) city.sagamihara.kanagawa.jp/fukushi/shogai… これらを咄嗟に読み取る医療通訳さんは凄いです! 感謝感謝☆ pic.twitter.com/J7FO5hfjvu

2014-06-23 14:02:29
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Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

痛みをはかるものさし。これ便利ですね。聾父を診てくれた医師は知っていたのだろうなあGJ☆ toutsu.jp/know/know_07.h…

2014-06-23 14:03:28
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

手話「痛い」だけでもイラストのように表現は幅広くあります。そして表現する聾者によっても微妙に顔の使い方も違ったりします。手話「痛い」だけ覚えるのでなく、「鈍痛」「シクシク痛む」などと『痛みに関する』日本語も合わせてセットで覚えると良いと思います。読み取りの幅が広がりますよ☆

2014-06-23 14:08:04
Kazue Kawabuchi @kazueDEAF

私は今まで聾親の医療読取通訳をしてきましたが、一番日本語の翻訳に苦心するのがこの「痛い」なんです。正しく伝わらないと間違った処方をされてしまう。それゆえ慎重に慎重を重ねます。たかが「痛い」のたったひとつの手話なのに難しくもあり大いに悩ませる手話です。

2014-06-23 14:21:22