龍血一滴没プロット
- Dr_crowfake
- 1694
- 0
- 0
- 0
カティア・ジェニーソヴナ・イヴレワは、茂みの中に隠れ、煌々と光る窓をリアサイトから見つめていた。距離は三百メートル。彼女の抱えるM-14SOPMODでなら十分に狙撃可能な距離だった。彼女の任務は、その窓の中の中にいるすべての人物を殺害すること。
2014-06-20 09:12:29パートナーはひとり。それに後方支援のハッカー。この三人で、フィリピン軍正規兵一個小隊の防衛する豪華な家屋へと潜入し、目標を達成しなければならない。 胸の中の赤い釘がうずく。一体どうしてこうなってしまったのか――カティアはふと回想した。
2014-06-20 09:12:53日本から密輸業者の手助けを経てシンガポールへ。そこでカティアは印象的な人物と出会った。白猫。日本人とチェチェン人のハーフ。彼女の率いる犯罪組織ハイブリッドは、犯罪界の秩序維持を目的とし、手段として暗殺を用いる。
2014-06-20 09:13:37法でさばけぬ巨悪を撃つと悪びれず云うその態度にシーラと同じ匂いを感じた。そして同じ危険性も。しかしカティアはこのままでは食っていくのも困る状態だった。
2014-06-20 09:14:32マレーシアのイスラム過激派に裏切り者として襲われたカティアは、白猫の助けを得て脱出、それを機にフィリピンでハイブリッドのヤングガンとなる訓練を受ける。そして彼女には素質があった。彼女は国際テロリストに加え国際犯罪者にもなってしまった。
2014-06-20 09:15:08胸の中の赤い釘が痛む。白猫は間違っている。憎しみは人を赦しはしない。そう思うものの、大恩ある白猫に逆らえないカティア。そんなカティアに、白猫は作戦を指示する。
2014-06-20 09:15:53フィリピン国内で蔓延している覚醒剤の密売ルートを抑えている中国人密輸業者――洪門であることはまちがいない――と、それを見逃している軍・警察幹部の暗殺。そこに生じた真空にハイブリッドが「秩序」を持ち込むのだろう。より少なく公正な犠牲と搾取のシステム。
2014-06-20 09:16:41しかしそれが犠牲と搾取のシステムであることに変わりはない。だから赤い釘がうずく。だけど逆らえない。白猫はシーラに似ているから。いつかもっと強い立場になって、あなたのやり方は間違っていると諭さねばならないから。だから痛みをこらえて命令に従う。
2014-06-20 09:17:28一方白猫はカティアに対して目をかけつつも不安定だと思っていた。壊れかけの人間は丁重に扱ってやらねばならない。だがハイブリッドには使える手駒を出し惜しみすることができないのも事実だ。そのため、カティアを好待遇しながらも、必要なら過酷な戦場に送り出さねばならないと冷徹に判断していた。
2014-06-20 09:19:37カティアのセーフハウス攻略。4つの監視哨にM-14SOPMODで狙撃を行い、広域監視と機銃を無力化。正面玄関でパートナーに陽動させつつ、自身はハッカーの支援を得て電源切断された壁を乗り越えセーフハウス敷地内へ。暗視装置の有利を用い、セーフハウス正面の歩哨を排除。
2014-06-20 09:21:56そのままセーフハウス屋内に。セーフハウス内にいる混乱した兵士たちをCQBで撃破、そのまま目標の部屋に突っ込む。そこで予備電源が起動。カティアは目標である洪門の香主とフィリピン軍高官、そしてカティアを狙って送り込まれてきていたかつての仲間と出会う。
2014-06-20 09:22:46銃を突きつけ合っての緊張状態。それぞれにそれぞれの主張を叫ぶ。決裂。CQCに。かつての仲間との闘いに胸の中の赤い釘がうずく。しかしやらねばやられる。劣勢になりつつも防ぎきり、パートナーの増援によって凌ぎきる。
2014-06-20 09:23:30しかし、彼女の心を苛む赤い釘はかえって増えた。いつまでこの釘にさいなまれるのか――カティアはそれを見いだせずに苦しみを抱えながら目標を達成し撤退する。
2014-06-20 09:23:56