愛は究極のエコヒイキである

子供と数学トークをする話から始まって、プロポーズの話になり、なぜか「愛」の話になりました。
40
結城浩 @hyuki

@kururu_goedel 結城はときどき息子の数学に付き合うのですが計算が終わった後に「あなたはこの答えが正しいことに◯◯を賭けられますか?」と問いかけることがあります(◯◯は彼の大事なものなど)。「答えを出すこと」と「出した答えの確からしさを上げること」は異なる課題ですね…

2014-06-30 12:11:19
結城浩 @hyuki

そういえば子供の数学に付き合っていてよくある会話。 子供「あ、この問題は大丈夫。ただの計算ミスだから」 結城「いや、計算問題で計算ミスはまずいよ」

2014-06-30 17:01:50
結城浩 @hyuki

こういうのもあった。 結城「これはどうしてまちがったの?」 子供「あ、それただの勘違い」 結城「いや、どう勘違いしたかを知りたいんだけど」 #ほとんど僕とユーリの会話である

2014-06-30 17:11:43
結城浩 @hyuki

息子との数学トークシリーズ。 基本的に結城はあまり丁寧に教えてない。「問題をちゃんと読んで考えればわかるよ」と言って放置のことが多い。寝てるところに息子がノートと問題集持ってきたらいっしょに考える。(続く)

2014-06-30 17:53:16
結城浩 @hyuki

結城はだいたいこんな順番で話す。「じゃ問題文、声に出して読んで。この用語はどういう意味なの。たとえばどういうことか例を作って。似たような問題解いたことある?いやいや口で話すんじゃなくて、ここに書いて説明して。あなた、意味わかって話してる?その説明は変だから教科書朗読して。(続く)

2014-06-30 17:58:13
結城浩 @hyuki

朗読できたなら、教科書閉じて、いま朗読したのもっかい言って。例を作って。当てはまらない例を作って。そこまでできたら、もうこれ解けるでしょ?あとは一人で出来そうかな。じゃがんばって」こんな感じ。

2014-06-30 18:00:37
結城浩 @hyuki

機械的に話すよう心がけている。ポリア先生の問いかけを繰り返す。私はなにも知らない。子供が私に問題を説明する。答えを見つけるのは子供だ。理解を深めるのも子供だ。私は積極的に解かない。子供に読ませ、子供に説明させ、子供に考えさせる。おかしなことを言ったときだけ、私が突っ込む。

2014-06-30 18:05:43
結城浩 @hyuki

てな感じで子供と話すのは楽しい(子供はどうか知らないが)。数学トークを子供と少しするだけで一年分くらいの連載ネタができるくらいだ。息子は、数学を私に、英語を家内に聞きにいく。

2014-06-30 18:10:44
結城浩 @hyuki

家内はいつも息子に「ねえ、いい?あなたのお父さんは世界で一番数学を教えるのが上手な先生なんだからね!」という。息子は「はいはい」といなす。結城は(奥さん…めちゃめちゃハードル上げてるやん)と思いつつも感謝している。

2014-06-30 18:31:38
結城浩 @hyuki

奥さんに、そして子供に、何かの点で尊敬されて嬉しくない父親がいるだろうか、いやいない(反語)。

2014-06-30 18:32:17
結城浩 @hyuki

どこで学んだのか知らないけれど、家内は子供の前で決して私の(つまり子供の父親の)悪口を言わない。もちろんからかうことはよくある。でもマジな悪口は決して言わない。愚痴も言わない。いつもいいことを言う。いかに尊敬すべき父親かを語る。結城はとても感謝している。

2014-06-30 18:33:45
結城浩 @hyuki

夫婦は。夫婦というものはお互いに愛し合う存在だけれど、最も近い存在であるがゆえに、互いの欠点やまずいところもたくさん知り合うことになる。もしもそこを突き合えば、いくらでも相手に致命傷を与えることができるほどに。

2014-06-30 18:34:59
結城浩 @hyuki

でも、だからこそ、夫婦が相手の「良いところ」「ほめるべきところ」をきちんと把握し、子供にそれを伝えることが大事だと思っている。それは健全なバランスであり、そして健全な人間関係である。

2014-06-30 18:36:04
結城浩 @hyuki

家族はいろんな意味で「ぐるっとつながっている」のだ。だから、誰かが誰かのことを悪くいう、というのはぐるり巡って、自分へのダメージになる。あるいは自分の存在基盤を揺るがすことになる。

2014-06-30 18:36:56
結城浩 @hyuki

簡単な例を出すなら「まったくあのひと(自分の配偶者)はダメだよね」と主張するとしたら、その剣はすぐに自分を刺す。「じゃあ、なぜそんな人と結婚したのか」と。

2014-06-30 18:37:53
結城浩 @hyuki

だから、非常にプラクティカルな意味でも、自分の家族を褒めるのがいい。励ますのがいい。配偶者を言葉を尽くして褒めるのがいい。家族が違いにめちゃめちゃエコヒイキして褒めるのがいい。と結城は思っている。

2014-06-30 18:39:02
結城浩 @hyuki

思うに、愛は究極のエコヒイキである。世界中の誰が何といおうとも、自分の奥さんは世界で最高の美女であり、最高の妻であり、最高の母(子供にとって)であると言うこと。宣言すること。それがとても大事だ。と結城は思っている。誰からどんなふうに言われてもかまわない。私の家族は世界最高。

2014-06-30 18:40:27
結城浩 @hyuki

愛は理論を越える。理性を越える。愛は究極のエコヒイキである。私はそれを心から信じている。三浦綾子さんだったかな。夫が泥棒するなら、妻は見張りをする。みたいなこと書いてたの。それは極端だけれど。私は夫婦としてアリだと思う。

2014-06-30 18:41:52
結城浩 @hyuki

だから夫婦間ではアリバイ証明できないんだけど、まあそれはさておき。愛は究極のエコヒイキである。自分の妻のためなら、いまこの瞬間に私は命を取られてもかまわないと思うこと。それが愛である。

2014-06-30 18:42:56
結城浩 @hyuki

「何を極端なこといってるの結城さん」と思う人もいるかもしれないけれど、真実です。だって、夫婦になるという時点で、大量の時間を配偶者のために、家族のために捧げることになる。それはある意味で自分のいのちを捧げているということ。

2014-06-30 18:44:12
結城浩 @hyuki

自分が(少なくともこの世で)使える時間には限りがあるのです。貴重な貴重な「時間」です。その一部を他人のために使う。これは大いなる愛だと結城は思う。あるときにはその「時間」は「お金」に換算される。別のときには「時間」は「細やかな配慮」に換算される。いずれにせよ「命」の形である。

2014-06-30 18:45:37
結城浩 @hyuki

このツイートを読んでいる若い未婚の方々も多いと思うけれど、結城は「プロポーズ」というのは「命を相手に捧げること」だと思っている。少なくとも、それはキリスト教的には真である。愛は命を相手に与えること。そして深い真実の恋愛をしている人は実感としてそれを感じるはず。

2014-06-30 18:47:05
結城浩 @hyuki

愛は、性愛の話(だけ)ではなく、命の問題なのだ。人はみな、一人にひとつずつ命が与えられている。この世では限りあるものだけれど、本人には大切な命である。結婚なりプロポーズなりというのは、その命を「あなたの好きにしてもかまわないと宣言すること」だと思っている。

2014-06-30 18:48:42
結城浩 @hyuki

そこには信頼があるだろう。見識も必要かもしれない。失敗や危険性もたくさんある。そこには「賭け」の要素もある。未来は誰も知らない。自分がプロポーズしている相手が将来どんな人になるかは世界の誰もしらない。保証できない。でも、私は「この相手に賭ける」と思う。それがプロポーズである。

2014-06-30 18:50:22
結城浩 @hyuki

話を戻す。愛は究極のエコヒイキである。理論も吹っ飛ばす。理屈も吹っ飛ばす。私は、とにかく、この人を愛する。愛したい。そしてこの人に賭ける。自分の命が掛け金になってもかまわない。それが本当の愛の姿である、と結城は思う。少なくとも私はそう思って、彼女にプロポーズした。

2014-06-30 18:53:07