ツイッター小説 お気に入りセレクト 2010/11/13
#twnovel 先生が教えてくれなかったこと。人生は希望ばかりではないということ。努力など何の役にも立たないことが多いこと。善も悪も同じものだということ。騙したきった方が勝ちだということ。真実などは無くあるのは物語ばかりだということ。だから僕と彼女も時に幸せになれるということ。
2010-11-13 21:44:56#twnovel 様々な経緯により、ツイッターはついに匿名制となった。アイコンは卵マークに統一され、プロフィールは削除された。IDは日替わりとなった。つぶやいた順に2以降の番号(1は管理者用)が付与される。著名人が続々と撤退する中、「よるほー」に代わり「2ゲット」が流行り始めた。
2010-11-13 21:46:40#twnovel 公園に生えていたキノコを拾い食いし、家のチワワは言葉を話すようになった。早朝から「ご飯を出せ」「散歩に行くぞ」とうるさい。どうやら身分は私が下らしく、待てと命令しても「イヤだ。もっと遊べ」と吠えまくり。だけど夜には、「さみしいから一緒に寝て」とクンクン鳴く。
2010-11-13 21:54:46隣どうしの保育器に始まって高校まで同じクラスというこの腐れ縁、結局出会いなんかなかったねえとバカ笑いした高校最後のクリスマス・イブ。いつもと同じ「おやすみ」のかわりに投げかけられたあの一言を、「好きだ」というその一言を、わたしは毛布のなかで何度も繰り返している。 #twnovel
2010-11-13 22:23:18#twnovel 購入者の思考を読み取り、全ての仕事をかわりに行う事で人気のロボットに、急に機能停止するというクレームが相次いだ。検査しても異常は見当たらない。「もはや自分は必要ないのでは」と感じた購入者の思考を読み、かわりに自ら電源を落としたという真相には、誰も気付かなかった。
2010-11-13 22:44:19#twnovel 式典地獄に落ちた俺は、永遠の式典にパイプ椅子に座って参加している。何十年経っただろうか。祝辞はまだ続いている。寝ると鬼から責め苦を受ける。気が狂いそうだ。その時「ありがとうございました」祝辞が終わった。ああ、俺は開放されるのか。「それでは第二部まで休憩です」
2010-11-13 22:56:36残業ばかりの生活に疲れ、青空の下で働ける仕事に転職をした。ゴンドラに揺られ高層ビルの窓を拭くのが今の仕事だ。拭き上げた窓の向こうでは、忙しそうに働く元同僚。あれほど嫌だった仕事のはずなのに、拭き上がりをチェックするふりをして、懐かしいオフィスをじっと見つめる。 #twnovel
2010-11-13 23:17:19『思い出修復師』 #twnovel よく古い記憶をセピア色と表現するが、実際に記憶はどんどん色褪せてゆく。そんな記憶に色を戻すのが私の仕事。だが、元の記憶に忠実かというとそうではない。暗い記憶をわざと明るく塗りなおしたりもする。こっちもサービス業だから、お客様には色をつけないと。
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