日本近代史を学び始めた頃の勉強法を振り返る

自分用のメモです。
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mnagao @negadaikon

気を取り直して、今日考えていたことをつぶやいてみよう。

2014-07-07 21:39:54
mnagao @negadaikon

日本史とくに近代史を一番最初のころに自分が発表準備でどのような調べ方をしていたかということと、その間に変わった情報環境も踏まえて、いったい何をどうすれば効率的になるのかということを、今日は考えていた。

2014-07-07 21:41:01
mnagao @negadaikon

ゼミに加入した当時、お師匠様をはじめ、院生の先輩方の話しぶりと知識量にいつも圧倒されていたのだが、その圧倒のされ方は、今から思えば、次の三パターンに集約されていたように思う。自分が知識が足りないというのは、歴史に登場する人物に対する知識がほとんどすべてだった。

2014-07-07 21:42:45
mnagao @negadaikon

したがって、自分が焦ったのは1.何故この先輩方はこんなにも色々な人物のことを経歴や思想まで含めて知っているのか。2.何故誰それの伝記、書翰、日記など史料の所在をご存じなのか。そして3.その人については某氏の論文があるはずなのでチェックせよといわれるがそんな情報はどこで仕入れるのか

2014-07-07 21:45:51
mnagao @negadaikon

今なら、1.は国史(今ならJapanKnowledge)、あるいは明治時代史大辞典その他多くの事典があるし、2.は近現代日本人物史料情報辞典1~4で劇的に便利になったし、3.はつまり研究史の把握なわけだが、東京堂の日本近現代史研究事典と回顧と展望のチェックで何とかなる。

2014-07-07 21:49:38
mnagao @negadaikon

なのだが、先日ある先輩と話していて、まだ学部時代国史完結してなかったしなあ…という話を聞いてそうだと思ったのだが、20年前にはこれは自力でひとつひとつ集めるしかなかったわけである。

2014-07-07 21:51:12
mnagao @negadaikon

むろん回顧と展望は昔からあり、人名辞典もあった。いまから思えば、明治前期思想史文献とか日本近現代史文献解題もあるんだからやりようはあったのかもしれないが、私の知りたかったことはとにかく私が進学して勉強を続ける過程でどんどん便利に楽に判明するようになっていったのだった。

2014-07-07 21:53:43
mnagao @negadaikon

第一、NDLの雑誌記事索引は大学図書館のCD-ROMが入ってる専用端末でしか使っちゃダメだったし、プリントアウトも枚数が制限されていた気がするし、Ciniiはなかったし、Webcatで引けても、その大学に行って図書を見せてもらえるかどうかすぐ判断できなかったような気がする。

2014-07-07 21:59:43
mnagao @negadaikon

いまさら口はばったいが、博士課程の院生だった2006年04月05日付の昔のブログのログを見ていたら、近デジリニューアルの感想を「こういうデータベースの登場は、狂喜すべきところでもあると同時に 学問研究としての自分の仕事は何かを問われる脅威でもあります。」などと興奮気味に書いてる。

2014-07-07 22:06:21
mnagao @negadaikon

革命的だったんだよ。ほんとに。

2014-07-07 22:07:17
mnagao @negadaikon

当時人名だけは何とか食らいついてやろうと思い、読んでいた概説書に出てくる人名の肩書を片っ端から書きぬいて何年の何月ごろに何をしていたかの略歴を書いたカードを京大式カードにまとめていたこともある。その名残 pic.twitter.com/cuhVRvmLV7

2014-07-07 22:20:06
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mnagao @negadaikon

書いたら覚える。という高校受験日本史以来の方法を馬鹿正直にやって、発表前に国史を引かなくてもOKにしていたわけだが、この方法は、Wikipediaの登場で有効性がほぼ無くなり、院進学直後に出た日本近現代人物履歴事典で完全に無意味化したのだった。

2014-07-07 22:22:45
mnagao @negadaikon

人物の履歴が一冊になったんでこれ以上なく便利なのだが、正直まったく同じ思想で作られたカードの束が紙くずになったので、そりゃないですよ秦先生・・・と割とマジで思ったのだった。

2014-07-07 22:24:06
mnagao @negadaikon

あと、最初の頃は発表するたびに散々つっこまれたのだが、中でも「それでここでの論点は何かね」というコメントが一番きつかった。

2014-07-07 22:32:52
mnagao @negadaikon

論点?論点て何だよ。論じるべき点、議論すべき事柄ってこと?そんなん史料読んだらわかるじゃないの。書いてある通りでしょうよ。と、阿呆だった私は本当に当初そんな風に思ったのだった。

2014-07-07 22:35:26
mnagao @negadaikon

ある歴史上重要な意味を与えられている出来事についての先行研究はたくさんあり、史料の積み重ねによってどうにか通説の位置を占めていることも、史料を丹念に読めば、違う見方ができるかもしれず、それが日本史で語るべき論点だと悟るまで、出来の悪い私は軽く人の倍以上かかったのだった。

2014-07-07 22:38:48
mnagao @negadaikon

研究上、これが論点だ!と気づくためには、コツが必要で、実はそれなり以上の先行研究を読み込まなければならず、そのための文献探しを出来る限り効率化せねばならず、それ以外にも基礎教養として色々な本を読むべきだということがだんだんわかっていった。

2014-07-07 22:40:15
mnagao @negadaikon

そりゃそうである。もしかしてこれは論点になるのでは、と思うことを頑張って発表したら、ほかの研究書に書いてあるとか、超ダサいのである。

2014-07-07 22:41:40
mnagao @negadaikon

院生時代も夢中というかお前必死だな的な具合で論文を書き史料整理をし就職試験のための勉強をしていたので、しみじみ思ったのは就職後なのだが、研究史上の論点に知見を加えるのと同じくらい、まだ誰も気が付いていないところに論点を創出することって超大事だな、ということも考えるようになった。

2014-07-07 22:44:21
mnagao @negadaikon

なんかこう就職して3カ月くらいで思ったんだよな。新人だからあまり重い仕事は任せられないし、かといって自習してマニュアル覚えてろとも言いにくいくらいの時期になって周りが何頼もうかなあという顔をしてるときに「ああそうか、俺から仕事を発見し、創出して提案すべきなのか」と。

2014-07-07 22:47:08
mnagao @negadaikon

問題を発見し、課題解決する能力っていうのは結局、実践的な学問に限らず、そういうことの基礎は、日本史ですらやるのだと。状況を一つの論理的な筋として把握し、そのことについての現在の説明を読み、おかしいところを別な材料で補いながら見方を変えていく。時系列的な整理も加われば最強。

2014-07-07 22:51:49
mnagao @negadaikon

さて、かくして情報環境は改善し、史料も豊富に参照できるようになって、お前は昔よりもまともな論文を書けるようになったのかね? というところまで考えが一巡して、振り出しに戻る。

2014-07-07 22:53:22

その後さらに思いついたこと

mnagao @negadaikon

人名とか国史を引く際に見出し語がなくて諦めていた私は、索引になんらかの情報があるかもしれないという可能性に気づかないでいた。これが著しく不合理な探索につながっていた気がする。

2014-07-08 23:10:07
mnagao @negadaikon

何らかの史料をお持ちかもしてないご遺族を尋ねる際に地元の図書館や博物館で調べて、あわよくば紹介していただくというようなことは卒業論文でこころみたが、著述家や思想家ならば著作権台帳とか文芸年鑑で著作権の継承者を探してお手紙を書く手があるという発想は当時全くなかった。

2014-07-08 23:18:10