「私」は仕事の流れを遮断する

どんな仕事についても、必ず「自分も加わってチェックする」という工程が挿入される。結果としてあらゆる業務が「この人がいないと回らない」状態になっていく。
3
medtoolz @medtoolz

チーム内で政治力の伸長を試みる人は、まずは何にでもやる気を見せる。私がやります、私が加わります、と仕事の流れに「私」の存在が増えていく。もちろん忙しさには限界があるはずだけれど、「私」の仕事はたいてい、まわりの誰かに丸投げされる。

2014-07-09 12:18:03
medtoolz @medtoolz

「私」は仕事の流れを遮断する。 どんな仕事についても、必ず「自分も加わってチェックする」という工程が挿入される。結果としてあらゆる業務が「この人がいないと回らない」状態になっていく。

2014-07-09 12:19:04
medtoolz @medtoolz

「私」は中座する。 マネージャーのいない状況で、理由をつけて職場から中座する、あるいは業務が忙しくなるその瞬間にいなくなってみせる。中座という行為を通じて、「やはりこの人がいないと現場が回らない」という印象が強化されていく。

2014-07-09 12:20:06
medtoolz @medtoolz

「私」は情報を止める。 皆に伝えるべき情報をその人の段階で止める。一番忙しそうにしている誰かに小声でダブルチェックを求めたりして、「公開したのだけれど無視された」ような情況証拠は確保される。業務が滞った結果として、「私」のまわりで働く人達の有用性は低く評価されていく。

2014-07-09 12:21:14
medtoolz @medtoolz

「私」はたいてい、何かの正義に基づいた「白い人」として振る舞う。正義は「一生懸命」であったり「患者さんのため」であったり、何かの価値に対して自分のリソースを最も大量に投じていること、自己をそう規定していることが、無茶な言動を正当化する根拠になっている。

2014-07-09 12:21:14
medtoolz @medtoolz

「私」は共犯者を作る。 たとえば上司のいない状況で仕事をサボってみせる。自分だけが抜け出すのではなく、任意の誰かに「一緒に行こうよ」と誘う。あるいは「気分転換したいよね」といった言葉で自分以外の誰かにさぼりを決断させる。共犯者を増やすことで、排除の空気が遠ざかる。

2014-07-09 12:22:17
medtoolz @medtoolz

「私」は顧客の悪口を言う。 「私」の対応した顧客の印象は、基本的に「頭が悪い人」あるいは「変な人」として上司に報告される。普通のお客さんに行われた普通の対応が、「変な顧客に対して自分がいたからこそどうにか及第点の対応ができた」ことになる。

2014-07-09 12:23:18
medtoolz @medtoolz

「私」は同僚を悪く言う。 顧客に対してチームの要望を伝えるときには、同僚の誰か悪者にされる。単なる要望の伝達は、「うちの職員はどうしようもない人間ですが、私に免じてどうにかこれを呑んでもらえないでしょうか」に変換される。当の職員が顧客に笑顔で接しても、顧客にはそれが嘘くさく見える

2014-07-09 12:24:21
medtoolz @medtoolz

「私」によって、職員には顧客が「変な人」であると報告され、顧客には職員のことが「どうしようもない人間」であると伝えられた結果として、「私」抜きでお互いが接触しても、会話はぎこちないものになる。「私」がそこに同席すると嘘が露呈してしまうため、そうした機会は回避される。

2014-07-09 12:25:22
medtoolz @medtoolz

「私」は陰口を好む。 そこにいない上司を公然と批判したり、電話の最中に顧客の悪口を小さくつぶやいてみせたりする。ギリギリの場所で陰口を重ねることで、職場には「こういう人に攻撃されると厄介だ」とか、「この人は敵に回すと恐ろしい」という空気が醸成されていく。

2014-07-09 12:26:24
medtoolz @medtoolz

「私」は報酬を返上する。 残業代をあえて断ってみせたり、仕事を抱え込んで他の職員を先に帰宅させたりもする。「あの人はいつも一生懸命だ」というポーズを見せることで、「私」を排除しようという空気は抑止される。「私」はたいてい「厳しいけれど一生懸命な人」という居場所を作る。

2014-07-09 12:27:25
medtoolz @medtoolz

「私」は勝てるところで全力を出す。 仕事の大局的な方針で対立が生じたりしても、こういう人は反論しない。書類の漢字間違えのような、些末で反論できない瑕疵は、大声で、全力で、皆がいる前で叩く。激しすぎる語調を咎められても、「この人のため。いう自分も辛い」と激しさは正当化される。

2014-07-09 12:28:29
medtoolz @medtoolz

「私」は行動してみせる。 同僚がオフィスにいる間、あえてお客さんのいる場所に訪問してみせたりする。その行動が結果につながっているのかどうかはさておき、これは「私は行動している。あなた方は所詮口だけではないか」というメッセージになっている。

2014-07-09 12:29:34
medtoolz @medtoolz

何があっても私が、私が、と食いついてくる、チームの到達点よりも自分の存在感に興味の中心がある人の扱いは難しい。説得しても「そんなことはない。私は一生懸命だ」で終わる。こういう人は頭がいいからとぼけるのではなく、説得に応じられるだけの容量が、頭に足りていないことの方が多い。

2014-07-09 12:30:46
medtoolz @medtoolz

内面からの変化を試みるのは難しい。恐らくはこういう人を政治の名人にしている根拠をなくすのが正しい。仕事場から「その人でないとできない仕事」をなくす。決済のラインを複数設け、その人がいなくても上司の許可があれば仕事の流れが止まらないようにする。

2014-07-09 12:31:49
medtoolz @medtoolz

顧客の対応については、セキュリティや、言った言わないの議論を避ける明目で録音するのがいいのではないかと思う。丁寧な接客を説いても意味がない。電話機に「あなたの会話はすべて録音され、検証されます」とラベルを貼れば丁寧になる。

2014-07-09 12:32:50
medtoolz @medtoolz

叱責は上司の仕事として巻き取るルールを導入する。ローカルで叱責するのではなく、あらゆる瑕疵は書類で上長に報告、そのうえで上肢が叱責を行うというように。裁判官的な人物を導入することで、失敗なりの罰則という当たり前が戻ってくる。

2014-07-09 12:33:51
medtoolz @medtoolz

「やる気のあること」は処罰されないといけない。やる気のない人は叱責の対象になるけれど、やる気のありすぎる人もまた、とがめられないと変な道徳を勝手に運用されてしまう。仕事の量と到達度を厳密に定義することで、政治ゲームの余地は排除される。

2014-07-09 12:34:55
medtoolz @medtoolz

「日がな一日新聞ばっかり読んでいる働かないおっさん」は、「私」に対する強力な抑止力として機能する。その人があらゆる職種の上位互換として印鑑を押す権限を持っていればなおいい。どこにもそういう人っていたけれど、あの人たちすごい仕事してたんだなといまさら。

2014-07-09 12:36:00
medtoolz @medtoolz

事実と感情とを分離する態度は、政治ゲームに対して抑止的に作用する。「あの変な顧客」と報告された事例について、具体的にどこが変だと感じたのか、それに対してどう振る舞えば回避できるのか、本人から事実と意見とを報告してもらう。

2014-07-09 12:37:05
medtoolz @medtoolz

「この人しかいない」、あるいは「この人にしかできない」仕事の存在は、本当に「しか」なのかどうか、検証されないといけない。技術的にほかの人には不可能なのか。単に教えようとしない、情報を抱えることでそうしているだけなのか。

2014-07-09 12:37:08
medtoolz @medtoolz

顧客と現場担当の職員と、どこかで伝言ゲームが生じているのなら、一度全員での面談か、せめて伝言経路の定期的な変更が行われないといけない。糸電話の糸は常に腐る可能性がある。

2014-07-09 12:38:10
medtoolz @medtoolz

上司的な誰かの導入なしで陰口の排除を試みるのなら、最終的には監視カメラの導入が正解なのだろうけれど、これは結局あらゆる人のやる気を奪ってしまうような気もする。

2014-07-09 12:39:12
medtoolz @medtoolz

「やりたくない」「できない」と言える空気を醸成する必要がある。そうした否定的な言葉の表明が、「一生懸命さの不足」といった道徳と接着されてしまうと、政治ゲームが始まってしまう。

2014-07-09 12:40:15