#完全ノープラン艦これ与太話 【ブラッディ・シャダー・バッドランズ・マッドネス】 #4

春魔解丼 @vespiking

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ブラッディ・シャダー・バッドランズ・マッドネス】 #4 #KZNPLN

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｢――ハァーッ、ハァーッ｣肩で息をしながら、雨降りしきる異界の海を1隻のニンジャ巡洋艦が歩く。ダメージは大きいが、彼女の痛覚は大量のニンジャアドレナリンによって黒く塗り潰されていた。これは高揚や恐怖の類ではない。｢……ヤセン｣彼女を突き動かすのは使命感だ。 #KZNPLN

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手近な岩礁を発見した彼女は、取り急ぎ岩礁を占拠していた軽空母ヌ級を無慈悲にカラテ殺害すると、素早くそこへ身を隠し、雨をしのいだ。｢……ヤセン、ヤセン……ウウアアアーッ！｣額を平手で打ち、探照灯めいてぎらつく双眸を抑え込む。 #KZNPLN

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彼女は最早艦娘ではなく、ニンジャなのだ。暗黒の殺戮者として、スガモインフェルノの深層部において生態系の頂点に君臨する者だ。だが彼女が今身を置くこの場所は、彼女の根城よりも遥かに浅い上層部である。彼女はニンジャ第六感で察知したのだ。仇敵の来訪を。使命の到来を。 #KZNPLN

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｢非理法、権天……大和……貴様らを、ヤセンする……！ウウウアアアア！｣この瞬間、一際大きな動悸がヤセンニンジャを襲ったのは、単なる偶然か、はたまた彼女の鋭敏な嗅覚がそうさせたのか。その答えは知る由もない。 #KZNPLN

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――同時刻。2隻の超々弩級戦艦が、無間地獄スガモインフェルノに侵入した。朱色の大戦艦は正門から。黒棺色の大戦艦は裏口から。 #KZNPLN

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｢キッ……！…………！！｣黒ずんだ肌の駆逐艦は眼前の恐怖光景に戦慄するも、悲鳴をどうにか抑え込んだ。彼女がブッダデーモンめいたカラテのタツジンでなければ、彼女はかの敵性存在の索敵網にかかり、無惨にもソクシしていただろう！おお……ブッダ！何と冒涜的光景か！ #KZNPLN

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そこにあったのは、このインフェルノで無邪気にも殺戮遊戯行為に勤しんでいた艦娘の死体！綾波は彼女を知っている。駆逐艦大潮……大型魚雷と古代ピロシキカラテを複合した新世代カラテのタツジンであり、恐るべき手練であるはず！『ＰＹＡＡＡＡＡＨＨ！』甲高い咆哮が異界に轟く！ #KZNPLN

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大潮に目立った外傷は確認できない。彼女の本分は近接戦闘による魚雷とカラテを交えたラフファイトのはずだ。綾波が生存本能からエンカウント回避に専念してきた実際危険人物であり、好戦的な彼女の傷はキルマークとまで称された。それが、無傷でソクシ！異常インシデントだ！ #KZNPLN

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ブッダ……これはまさしく、眼前に広がるこの奇妙なヘドロ生命体によってもたらされた、狂人の壮絶なる最期であろう……！確かに大潮は凶悪なシリアルキラーだったが、殺戮と狂気に塗れたこの無間地獄にあって、ここまでされる謂れが果たしてあるだろうか！？綾波は恐怖した。 #KZNPLN

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『ピャアア、ピャアアア』ジゴクめいた唸り声をあげ、眼下の海を覆うヘドロの内より、毒キノコめいた紫のショートカットヘアを辛うじて模した超常のヒトガタが湧き出した。『ピャアー、イイ……もっと、もっと殺したい……』ヘドロ生命体はキリングオーラを纏い、蠢く。 #KZNPLN

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綾波は息を殺した。今自分がいるのは小島の木の上だ。体積ヘドロは届かぬ。だが、あのヘドロに触れた植物が急速に枯れているのが見える。もし、この木にあれが触れたら？綾波は想像するのを止め、ただじっと異常存在を凝視した。『……ピャア。このあたり、もういないかなあ』 #KZNPLN

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これほどの尋常ならざる光景を目にし、無理はないとはいえ――眼下の異常存在に気を取られ過ぎたのは、百戦錬磨の綾波にとって人生有数のウカツであった。それが最悪のタイミングで起こった事を、綾波はこの後思い知る。｢ホノオ！｣｢ンアーッ！？｣ＢＯＯＯＯＯＭ！ #KZNPLN

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綾波は尋常ならざる熱気を感じ取り、ほとんど無意識のうちに死の海へとダイヴしていた！着水後、振り返る！おお、なんたる事か！……小島の木が燃えている！ＡＬＡＳ！ナパームの類か！？否！着弾の形跡は認められぬ！これではまるで……カトンのニンポだ！ #KZNPLN

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｢あらあら、あらあらあら｣艶めかしい声が、焦る綾波を更に恐怖させた。燃える木陰より現れたるは、茶髪長身の戦艦！テンプル秘蔵の戦闘的ブッダ・タペストリめいて、全身に爆炎を纏っている！｢青虫から逃げ切ったと思ったら、今度は一般人？……ま、いいわ。酒匂、始末しましょ｣ #KZNPLN

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綾波はブッダに祈った。ああ、これは自分への天罰なのですか。師を追い求め、斯様な冒涜的遊戯場に身を置いた自分への罰なのでしょうか。眼前のパイロキネシス戦艦と即死ヘドロ巡洋艦は、間違いなく自身を殺そうとしているのだ。異形の使徒によるインガオホー。神話めいた末路だ。 #KZNPLN

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神話めいた、宿命的な末路。それを打ち破るのは、いつだって半神的存在だった。それはどの国でも、どの神話でも共通だ。綾波が死を覚悟した刹那、高らかなシャウトと共に、炎の戦艦がアンブッシュを受け吹き飛んだ！｢ヤセンッ！｣｢グワーッ！？｣ #KZNPLN

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｢ア、アア……｣綾波は失禁した。突如現れたニンジャに、ニンジャ・リアリティ・ショック症状を発したか？それもあるだろう。だが、綾波の頬を伝う一筋の涙は、ニンジャの背中に注がれる視線は、明らかにそれとは異なっていた。｢お、お師匠、様……？｣ #KZNPLN

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【 #KZNPLN 】

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【 #KZNPLN 再開な】

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｢何なのよもう！今度は何！？ニンジャ？！ニンジャナンデ！？｣炎の戦艦、陸奥は素早くウケミしアンブッシュ者に向き直る。ニンジャ。平安時代の日本をカラテによって支配した半神的存在である。最早フィクション存在と認識される伝説の半神が今、眼前でカラテを構えているのだ！ #KZNPLN

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｢お前達。非理法権天の艦艇だな｣腰を落とし、危険なギョライ・ダートを構えた独特の戦闘態勢を維持したまま、ヤセンニンジャは問うた。｢……私の、アイドルじゃないほうの顔を知ってるとは。ただの発狂マニアックじゃないようね｣｢生憎、世俗には疎い。今からお前をヤセンし殺す｣ #KZNPLN

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｢何だかわからないけど、利害は一致してるようね！目撃者は始末する！結社を知る者なら尚更よ！酒匂ッ！｣『ピャアーッ！』ヤセンニンジャの背後から、強大なヘドロ生命体が襲いかかる！核融合炉を失ったとはいえ、酒匂本体の危険性は甚大だ！触れれば命が実際危ない！ #KZNPLN