地獄鎮守府の日常 #32~36

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白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「<GameBoy>って言う、昔の時代のゲーム専用コンピュータよ。構造がしっかりしてたから、修復が効いたの」そう叢雲は説明する。「なるほど」と、私はその<GameBoy>を掲げる。最初のNintendoと言う文字は製造メーカーの名称なのだろうか。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-06 15:03:35
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

私はこのコンピュータがどんな時代に、どんな文化で造られたのか、昼下がりのラウンジにて少し想像を張り巡らせるのであった。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-06 15:04:57
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「ところで、最近榛名から改二の非正規改造プランがあったのですが」と、不知火が鞄から彼女のノートと思わしきものを取り出す。表紙からしてぐにゃぐにゃの文字で書かれており、不安さがある。「どうしろというんだ」と私が言うと。「どうしましょう、これ」と不知火が返す。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-06 15:07:21
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

ノスタルジーに浸った気分から、頭を抱える事案の話になる。確かに上層部は榛名の改二プランを考案中だが、難航してる、その為血の気の多いうちの榛名は自分で改造するプランを考えたのだろう。「……見ますか?」と不知火が言う。「パンドラの箱を開けたいかい?」と私は返す。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-06 15:09:24
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

私達がどうするんだこれと考え込んでると「じゃあ、私がチェックするわ」そう言って叢雲はノートを取り上げた。「いいのかい?」「司令官が頭を抱える問題の補佐も、パートナーの役割よ」と、叢雲は言いながら、パラパラとノートを読み上げる。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-06 15:11:21
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

そして大体読み上げた後、叢雲はノートを閉じる。「どうだった?」と恐る恐る私は叢雲に訊く、どんなトンデモを要求したのだろうか。そんな不安に応えるかのように、叢雲も渋い顔になる。「聞かない方がいいわ……とりあえず、この件は金剛にも相談するわよ」と、彼女は言った。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-06 15:14:38
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

叢雲と金剛は対立してる、彼女が説得しようとしても、トラブルが増えるだけだろう。「じゃあ、私が金剛を説得して、榛名に無理だと解らせるように言っておくさ」と、叢雲に言い、ノートを彼女から奪い取り、ノートの中身を開く。彼女にだけ、負担を与えるわけにはいかない。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-06 15:17:21
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

しかし、ノートの中身は想像を絶するものであった。明らかに重量過多な仕様案、非効率的な増設装備はまだいい。アクチュエータ知識が皆無で言語化不能な領域までこと細かに、かつ滅茶苦茶な図面で描かれており、正気を疑う内容だ。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-06 15:19:50
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

彼女の口癖の『大丈夫』だが、こんな榛名の狂気めいた頭脳を見せられて、私の精神が大丈夫じゃなくなってく気分だ。「見なきゃよかった」と、ノートを閉じて私は言う。「でしょう……」と、叢雲。何も見てない不知火も恐ろしいものを見たような顔で、凍り付いてる。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-06 15:21:20
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「まぁ、何とかなるさ」そう私は言い捨て、とりあえずは3人仲良くソファーに体を任せ、正気を疑う人外の書物からの逃避を図るのであった。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-06 15:22:25

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白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

海軍の方、呉に居る友達から電信が来て愚痴に付き合う、どうにも自分の区画が吹っ飛ばされて修復したと思ったらラブホテルというものそっくりに改装されたそうだ。「ラブホテルって何なのかい?」と私が聞いたら彼は溜息をついて「いやうん、解らなきゃいいんだ」と言って切る。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:36:44
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

ラブホテル、というのが何なのかよくわからず、遊戯室にあるバーで酒を飲みつつ、やってきた叢雲に聞く。「……そう言えばアンタ、外人だったわね……」呆れ顔を浮かべる叢雲「一応、帝国国籍なんだけどね」と私は返す、2年の軍属で得た国籍だ。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:39:00
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「……うー……ここで説明するのは恥ずかしいわ」と、叢雲が言う、その様子に、周囲の艦娘の視線が一気に叢雲に集まり、どんどんと顔が赤くなっていく。「ごめん、ちょっと部屋行ってるわよ!」と、ロックのウィスキー……支給品の安酒を一気飲みした後、私に怒鳴り彼女は去る。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:41:01
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

どうやらかなり恥ずかしい話をしてしまったようだと私は反省する、だが知的好奇心は残念ながら萎えなかった。なのでこの手の恥ずかしい質問なら彼女、ということで電の私室の前で、ノックを行う。「ひゃわ!?し、司令官!?……あー、ちょっと待って下さい」何なのだろうか。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:42:53
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「わかった」と、私は答えると「あ、はい、すぐイキますから……んっ……あっ!」電は喘ぎ声を私に示すように大声を出してくる、つまりそういうことなのだろうが彼女を抱く気は今は無いので慰め終わるのを待つ。「終わりました、入ってください……いじわる」と、電が告げる。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:44:56
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

乱れたベッド、テーブルの上に置かれたウィスキーと灰皿一杯の煙草。パジャマはベッドの上に散乱しており。セーラー服風の服装は急いで着たのか少しぎこちない。「で、何の用事ですか?」と、不機嫌そうな電に「いや、質問があってね」と私はすぐに、本題に移る。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:47:32
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

だが、いざ聞こうと少し恥ずかしい、恥ずかしい話題と言う認識をしてからだと、ちょっと問い掛けづらい、しかし、ここで聞かなければ何にもならないだろう。そう考え深呼吸し、電に問いかける。「いや、ラブホテルって何なのかなと……どうにも恥ずかしい話題らしいけどさ」 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:49:37
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

電はくすり、と私に向かって笑う。「可愛いですね……」と、まるで少年に向かって放つ視線を向けながら。「ラブホテルと言うのは恋人同士の泊り宿ですよ、そこでは抱くための道具が色々揃ってます、尤も、安宿でもあるから便利な場所ですけど」と、電は語る。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:51:19
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

恋人同士の泊り宿、性交道具は一杯、恐らく外装も下品な感じなのだろう、そう考えると友人の溜息も私は理解できる。ああうんそんなのと毎日向き合うとか一種の恥辱プレイだ、私や叢雲なら一日で顔真っ赤にして改装作業だ。「なるほど、ありがとう」と、私は彼女に礼を述べる。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:52:45
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「どういたしまして……でも、ここもラブホなんかよりも一杯、貴方をもてなす道具はあるのですよ?」電の表情が獲物を見るような眼に変わり、そして私の手首を掴み次の瞬間にはベッドに押し倒される。「情報の代価かい」と私が言うと「ええ」と楽しげに彼女は返した。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:54:54
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

私がそのまま寝そべってると、彼女が何も纏わない、産まれたままの格好に変わっていく。これで煙草でもあれば気取れるのだがな、と思いつつも禁煙主義を崩すには至らず、そのままこの日は彼女に成すがままに抱かれる事となった。代価と言うには、むしろ貰った気もするが。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 01:56:40

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白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

意識が覚める、まだ眠気が瞼を押し戻そうとして、二度寝の誘惑に駆られる。よに二度寝するか、そう考えていると、右腕にそっとしっとりとした、少しハリのある髪の質感を覚え、右側を向く。そこには髪の降ろした電が、すやすやと寝息を立てていた。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 09:59:00
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

そう言えば昨日、彼女の部屋で寝たのだなと私は思い出しながら、彼女を起こさないように起き、服を着替える。サイドテーブルやダイニングのテーブルの灰皿に乗っかった支給品のタバコの山が気になった為、ゴミ箱に捨てる。彼女の部屋は割りと散らばっており、どこか生々しい。 #地獄鎮守府の日常

2014-06-13 10:02:42
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