yamoto
@yamoto
こんなぐでんぐでん状態の彼を置いていくのははばかられる。 第一、宿の入口で渡してそのまま帰るのは、無理がある。 理性的な理由を付けて、不知火はそう告げた。 幸いにも二人以上泊まれる広さがある部屋らしく、問題は解決された。 そうしてタクシーが到着する。 #不知火に落ち度はない
2014-07-16 04:45:18
yamoto
@yamoto
「司令。今日不知火は帰らずご一緒しますからね」 「おう、まかせーう」 「ありがとうございます」 普段なら全力で拒否するはずだが。 それですら判断できなくなっている。 これは不味いだろう。 彼をタクシーの中に入れて、隣に乗る。 #不知火に落ち度はない
2014-07-16 04:47:34
yamoto
@yamoto
「この住所までお願いします」 「はい。大変ですね──叔父さんですか?」 「いいえ。彼氏です」 ごく自然にそんな言葉が不知火の口から出て、タクシー運転手を僅かに驚かせた。 からかわれてるとでも思ったのか、運転手はそれはうらやましい、と言うだけだった。 #不知火に落ち度はない
2014-07-16 04:52:55
yamoto
@yamoto
「もしもし、陽炎ですか」 『お、どうしたの不知火?』 「今日は戻れないと思いますので、戸締まりをお願いします」 『りょうかーい。大変だね、司令のお守り』 「慣れると楽しいですよ」 『そう? ストレス溜まるだけだと思うけど』 #不知火に落ち度はない #おまけ
2014-07-16 04:56:20
yamoto
@yamoto
「おみやげの希望はありますか」 『ばっか何気をつかってんの。明日は帰るんでしょ?』 「司令の都合次第ですが、おそらくは」 『じゃ、その時にご飯食べに行こう』 「そうですね。それでは、お休みなさい陽炎」 『はいはい。お休み不知火』 #不知火に落ち度はない #おまけ
2014-07-16 04:57:52