【Re:黒火薬①】黒い火種と黒い犬

その二人は同じ色で、その二人は同じ化け物で、しかしその二人は似通ってはいたがとても違っていた。
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【黒火薬】 @powder_kw

@Maksim_xxxxx (若者がふらつく青年を支えながら頷いた) 「…表通りに出ましょう。少しでも明るい道を通って、雁首鬼や黒衣"さん"に会わないよう…」 『それが良い。私も明かりと賑やかな街並みが恋しいよ』 (店主も不穏な気配にたじろぎ、遠くの明かりを目指した)

2014-06-09 22:16:48
【黒火薬】 @powder_kw

『…血生臭ぇな』 (拠点潰しを終えた男が、セントールに跨がり眉間の皺を深くする) 『今度は黒衣か、雁首か…どちらにせよもう二度と遭いたくねぇもんだ』 (残り少ない本数の煙草に火をつけ、白煙を吐き出す) 『…お前、もう"あれ"に固執するのやめろ。あからさまな"弱味"だ』 『っ?!』

2014-06-09 22:22:47
知識商店【青猫堂】 @Maksim_xxxxx

@powder_NR_KRMGT 「・・・・黒衣・・・・」 ぐらぐらと揺れる思考の中で、聞こえた単語を呟く。若者に支えられながらもじわじわと内からこみ上げるものに抗いながら、街の明かりを見つめて歩き始め。 「そうする、・・・ここは、気分が悪くなる・・・」

2014-06-09 22:25:04
【黒火薬】 @powder_kw

@Maksim_xxxxx (ゆっくりと表通りの賑やかな喧騒に近付き、若者が安堵のため息を吐き出す) (一足先に通りの明かりに触れた店主が、銀と桃の髪を靡かせて振り返った) 『やれやれ、この人達もそのうち闇に埋もれてしまうのだろうね。だって―――皆殺されてしまうのだろうから』

2014-06-09 22:37:03
【黒火薬】 @powder_kw

『…お前、気付いているか?』 『?』 (雑居ビルに近付いた頃、男がふと訊ねる) 『青猫堂の若僧―――――』 (夜更けに近付き、辺りの空気はひやりと冷たくなっていた)

2014-06-09 22:42:08
【黒火薬】 @powder_kw

(冷え込み始めた夜の街並みを見下ろす金髪の青年が、雑居ビルの屋上で一人寂しく項垂れる) 『明日かぁ…いよいよ明日かぁ…』 (この街に、一体いくつの爆弾が仕掛けられ、どれ程の被害を及ぼすのだろうか) (このろくでもない掃き溜めの街は、好きでもないが嫌いにもなれない) (青年は…)

2014-06-09 22:50:40
知識商店【青猫堂】 @Maksim_xxxxx

@powder_NR_KRMGT 街灯りが目の前へと見えて、心中でざわめいていたものが僅かに静かになっていくのを感じれば男も安堵し。・・・が、目の前の店主が口にした意味深な発言に眉を潜めれば 「・・・・・・どういう、事だ?」 険しい表情で尋ねて。

2014-06-09 23:00:58
【黒火薬】 @powder_kw

@Maksim_xxxxx (店主が近くの店の路上酒場を選び、端の椅子に腰かける) (若者が具合の悪い青年を同じテーブルの席に座らせた) 『…おや、知らないのかい?あの情報屋の者なら噂くらい聞いていると思ったが』 (店員を呼び止め、酒と水をとジュースを頼んだ) 『聞くか?』

2014-06-09 23:06:14
知識商店【青猫堂】 @Maksim_xxxxx

@powder_NR_KRMGT 「・・・聞かせてくれ」 明るい店内に椅子に座る事で、やっと思考回路がまともに動く程度には落ち着きを取り戻せば呼吸を整えつつ相手に硬い表情で頷き。

2014-06-09 23:10:35
【黒火薬】 @powder_kw

@Maksim_xxxxx 『長くなるが…まぁ水でも飲みながら聞きたまえ。噂には尾びれ背びれがつくものだが、火の無い所に煙は立たん。界隈に蔓延する異常殺人に慣れてしまった住民が、新しい異変に気付いたようだ。…この街が、まるごと【実験台】にされている、という新しい噂が出ている』

2014-06-09 23:15:41
知識商店【青猫堂】 @Maksim_xxxxx

@powder_NR_KRMGT 「実験台って・・・研究所かなんかか? この街の近くにそんな科学が進歩した研究所なんて、」 言いかけて、気がついた。傍らにいる若者は確か“研究所”で作られたと言ってはいなかったか。・・・それは人を作れる研究所が即ちあるという事で。

2014-06-09 23:23:24
【黒火薬】 @powder_kw

@Maksim_xxxxx (今度は若者の顔色が悪くなる) (それに気付かず店主は話を続けた) 『どうやらこの数ヶ月で、街のあちこちに"白衣を羽織った見慣れぬ人物"が目撃されていてね。医者と言うには異様な雰囲気で、同時期に行方不明…いや、神隠しじみた誘拐が頻発しているらしい』

2014-06-09 23:31:09
知識商店【青猫堂】 @Maksim_xxxxx

@powder_NR_KRMGT 「・・・・・・まさか」 誘拐、研究所。若者に貰った不用紙。相手の話を聞いて行く内にふと嫌な予感を感じればポケットからくしゃくしゃになった手帳のメモを取り出して“表”の方を広げる。 その文字列はまるで、注文した人間の在庫を確保したようなもので・・

2014-06-09 23:41:55
【黒火薬】 @powder_kw

@Maksim_xxxxx 『殺人鬼騒ぎで噂が独り歩きしているだけだろうけどね。でもこう言う話の結末とは大抵実験成果の集大成として大量殺戮が行われるオチだ。映画でもよくある。ただこっそり悪さして終わりだなんてわけがないだろう。噂だけれど』 (店主があはは、と笑いながら酒を飲む)

2014-06-09 23:48:19
知識商店【青猫堂】 @Maksim_xxxxx

@powder_NR_KRMGT 「・・・・」 相手の発言を聞いているのかいないのか、険しい顔でメモを見つめ考え込む。 (青猫堂に戻ったら、アイツに聞いてみるしかないか) 店主が知っているとも限らないが、あの猫ならば調べ始めるという事もある。 「塔に戻ったら店主に聞いてみるか」

2014-06-09 23:53:49
【黒火薬】 @powder_kw

@Maksim_xxxxx 「…かえりましょうか」 (力無い声で若者が促す) (辺りは寝床に戻る表通りの住人で満たされ、皆ぱらぱらと散っていく) 『そうだな。私達も裏通りへ戻ろう』 (三人は住処へと疲れた足を運んだ) (手前の位置で店主が先に店に帰り、若者と青年が路地を歩く)

2014-06-09 23:59:50
知識商店【青猫堂】 @Maksim_xxxxx

@powder_NR_KRMGT 「・・・・・」 湿った空気が相手との間に流れるようで、気まずい。先ほどの話を聞いて若者に色々と研究所について聞きたくもあったが、恐らく若者にそれを聞いてはいけないような気がして。そうして気がつけば何も言えないまま若者と別れていた。

2014-06-10 01:26:51
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