【アナ雪】アナとチビ九尾エルサ(1-5)【パロ】
- yorozuya753
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美容師志望の子の練習台で編込みとかやってもらったっけ。あの髪型可愛かった……あ、あれこの子に似合うかも!あとで調べとかなきゃ……) なんて考えてたら三つ編み終了。髪ゴムで縛って……って、可愛いのない!?茶色のしかないとか……あ、でもシュシュ付ければどう
2014-08-05 16:19:56にかなるかも……!? って足掻くあたし。身に付ける物とか基本的に暖色系が多いから、こういうのも必然的にそうなっちゃうんだけど……なんか、エルサちゃんってこういう色似合わないかも。 (髪も肌も色素薄すぎるのよね。
2014-08-05 16:20:02あと瞳の色も青っぽいし……うーん) 悩んでポーチをごそごそ漁るけれど、良い感じのものは出てこない。まぁ、三つ編みにしちゃったから別にいいっちゃいいけど。 改めて出来上がった三つ編みを見る。我ながら完璧な出来栄えだわ。
2014-08-05 16:20:07これを前に流してあげたらきっと可愛い。いや、絶対可愛いわ。 (あと前髪……) こっち向いてを声を掛ける。振り返って来たエルサちゃんはようやくミルクを飲み終わったみたいで、マグカップの縁をチロチロ舐めていた。
2014-08-05 16:20:13可愛いけど、ちょっとお行儀悪いかも。あたしの前ではいいけど、他の人の前ではやっちゃダメよって教えといてあげなきゃね。それから、 「ぷっ。エルサ、白いおひげ生えてるわよ」 「ぅ?」 手鏡で見せてあげたら……あらら、顔赤くして俯いちゃったわ。
2014-08-05 16:20:19大きな耳が前に垂れてきて、それと一緒に両手で顔を覆っちゃうから、もうほんと顔見えない。 「ほら、顔上げて?お口ふこ?」 「ぅぅ……」 ウェットティッシュ片手に言うけれど、喉の奥で頼りない呻き声を発するだけでエルサは顔を上げてくれない。
2014-08-05 16:20:24仕方ないからちょっと強引に手を捻じ込ませて口の周りを拭くと「むぐぐ」と不満そうな声が上がって。 「ぷくちゅっ!」 猫みたいなっていうか……なんとも形容しがたい可愛らしい音のくしゃみが一つ。顔を上げたエルサは「それやぁ」って言いながらパーカーの袖で鼻の下を擦った。
2014-08-05 16:20:30アルコールの匂いが嫌だったみたいだけど、それどころじゃないわ。なんであたし、今の録音しなかったんだろうって激しい後悔に襲われてるのよ! (も、もっかいしない?!くしゃみもう一回……って、あぁっ!そう思ったらしたし!あぁ、動画間に合わないってば!どちくしょーよ!!)
2014-08-05 16:20:35内心でジレンマ&ジタンダ(こう書くとお笑い芸人みたい)を繰り返すあたしだけど、そこはまぁ大人だから顔には出さないわ。割とポーカーフェイスには自信あるのよ。某ガガ様好きよ! そんなあたしは何食わぬ顔で「大丈夫?」ってエルサちゃんの頬を撫でて、
2014-08-05 16:20:41その流れで今しがた結った三つ編みを前に流してあげた。うん。やっぱ可愛いわ。 エルサは小首を傾げて結ばれた自分の髪を見て触って、困ったような顔。たぶん照れてるんだろなーって思っておいた。 「はい、じゃあ今度は前髪ね~」
2014-08-05 16:20:47「あぅぅ」 長い前髪で可愛いお顔が見えづらいのは惜しいっていうのは昨日から思ってたから、試しに前髪を掻き上げてみる。大胆にくしゃ~って掻き上げたらエルサが情けない声を出して来たから、ちょっと笑っちゃった。
2014-08-05 16:20:52「あ、おでこ出すと可愛いじゃない」 テキトーに掻き上げたんだけど、これが案外いい感じ。ちょっと形を整えてピンで止める。あとで時間を作って美容室に連れていってあげたいわね。 (って思ったけど、普通の美容院で大丈夫?耳あるし……動物専用の美容院?友達にトレマーいたかな……)
2014-08-05 16:20:58なんか心配してるところがズレてるけど、ノープロブレム。おでこを曝け出されたエルサちゃんは落ち着きなさそうに視線をそわそわ。おててを胸の前でもじもじ。三つ編みの先を指先でいじってて……まぁ、とりあえず写メるわよね。
2014-08-05 16:21:03連射しとこ。 (んで、このシュシュ……あ、そうだ。こうしよ!) そして良い事思い付いたあたしは、シュシュをエルサの両手首につけてあげた。これで無骨な枷も可愛く隠せる。ついでに足にもつけて。
2014-08-05 16:21:09「うん。かわいいかわいい♪」 あたし大満足。ほっぺを撫でながらにっこにこ笑うあたしに、エルサはちょっと視線を外して、自分の尻尾を掴んで不安そうに口許に引き寄せた。 (あれ?) この髪型気に喰わなかったのかな?って心配になったけれど、
2014-08-05 16:21:15指先に感じるほっぺの温度が僅かに上がった気がしてそんな考えも吹っ飛んだ。 (あー、どうしよう……本気でかわいいわ、この子) 照れ屋さんで恥ずかしがり屋さんで。臆病で、でも好奇心強くて。甘い物が好きらしい、仔キツネさん。
2014-08-05 16:21:20こんな子があの恐ろしい九尾(バケモノ)の娘なんて、本当に信じられない。 (ちょっと見た目が変わってるだけの、ただの可愛い子供じゃない。ね?)
2014-08-05 16:21:26その時、あたしは本気でそう思ってた。ううん。今でも本気で思ってる。けど『九尾の娘』という意味を本当に理解してなかったから、この時のあたしの考えは薄っぺらくて甘ったるいだけのものだったと思う。
2014-08-05 16:21:31あたしはエルサを膝の上から下ろして、「じゃあそろそろ準備して行くよ」と笑い掛ける。エルサはあたしの言葉にきょとんと首を傾げた。三つ編みが肩の上で揺れて可愛かった。
2014-08-05 16:23:40「あ、そうよね。これからの予定全然話してなかったわよね?ごめんね、これじゃあほんと誘拐してるだけだわ。あのね、あたしは」 「っ、ぁ……アナ!」 「ん?」 「ぅ、あ、その……」 遮ってきた声は弱々しいものだったけれど、この子の意見は一番大事なところだから聞いておきたい。
2014-08-05 16:23:45あたしは耳を欹(そばだ)てるけれど、エルサの方は耳を垂れさせて、眉も下げて。口を開けたり閉じたりしていたけれど、最終的にはゆっくりと閉じて。 それから、 「あの、ね……たのしみにしておきたいから」
2014-08-05 16:23:51ゆっくりと笑った。 眉尻を下げたまま微笑む顔は、年齢(推定だけど)に似合わない大人びたもので。あたしはその顔に何か言わなきゃって思ったのに、何も言えなくなった。 「……そっか。じゃ、とりあえず準備しよ」
2014-08-05 16:23:57「うん」 ポーカーフェイスなのには自信ある。訓練したし。なんだったらバイタリティーだってコントロールできる。でも、今は無理かも。表面しか繕えない。
2014-08-05 16:24:02(なんだろ。変に嫌な予感がするわ……) ざわつく胸の中。顔に出ないように気を付けて笑い掛けると、エルサもおんなじよう顔で笑ってる。 遠くで狼の遠吠えが聞こえた気がした。 【つづく】
2014-08-05 16:24:08『アナとチビ九尾エルサ ~2.0日目』おしまい。 2.5日目とか、たぶんそんな感じのやつに続きます。
2014-08-05 16:25:48