「フランスミステリベスト100」結果発表
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【52位(15.5ポイント/2~3票) 2作】 『彼の個人的な運命』フレッド・ヴァルガス 『リコ兄弟』ジョルジュ・シムノン
2014-08-13 17:53:5650位に同ポイントで2作品が並んでいるので、100位~51位の発表は以上で終了です。50位~1位の発表は今夜の9時からの予定です。それまでに100位~51位の作品についてもいくつかコメントを付す……かもしれません。
2014-08-13 17:57:5490位『サン・フォリアン寺院の首吊人』ジョルジュ・シムノン メグレ警視シリーズの最初期の作品で、1931年に発表された犯罪心理小説。江戸川乱歩はこの作品に惚れ込み、翻案作品『幽鬼の塔』を発表している。
2014-08-13 19:42:38シムノンは100位~51位にこの作品を含む5作品がランクイン。57位の『男の首』もメグレ警視シリーズ最初期作。かつてはシムノンの代表作と目され、1985年版『東西ミステリーベスト100』で100位以内にランクインしていた。現在では多様な作品が評価されるようになり、(続く)
2014-08-13 19:43:07(続き)1つの作品になかなか票が集まりにくくなっている。82位の短編集『13の秘密』はメグレ警視シリーズではなく、安楽椅子探偵ルボルニュのシリーズ。75位の『猫』、52位の『リコ兄弟』も非メグレ物。そして票が割れてしまったため、シムノンは52位『リコ兄弟』が最上位となった。
2014-08-13 19:43:43ちなみに、杉江松恋氏が『海外ミステリー マストリード100』(日経文芸文庫、2013年)で必読100作のうちの1つに挙げているシムノン作品は『倫敦から来た男』。これも非メグレ物。
2014-08-13 19:47:0063位『二千万ドルと鰯一匹』カトリーヌ・アルレー カトリーヌ・アルレーもシムノンと同じく、邦訳数が多くて票が割れてしまった作家。63位のこの作品が、アルレー作品の中では第2位。1位はもちろんあの作品だが、それが第何位になったかはこのあとの発表をお楽しみに。
2014-08-13 20:20:1950位~
その前に、集計の方法についていくつかご報告しておくべきことがあります。お2人から短編集『怪盗紳士ルパン』の収録作への投票があったのですが、これは短編集『怪盗紳士ルパン』の得点と合算させていただきました。
2014-08-13 21:04:32また、『名探偵オルメス』と『ルーフォック・オルメスの冒険』は収録作が異なりますが、これも得点は合算とさせていただきました。また、この両方に収録されているオルメスシリーズの短編1編への投票もあったのですが、これも合算とさせていただきました。賛否はあるかと思いますが、ご了承ください。
2014-08-13 21:06:42【50位(16ポイント) 2作】 『悪童日記』アゴタ・クリストフ(3票) 『マラヴィータ』【旧題:隣りのマフィア】トニーノ・ブナキスタ(2票) 前者は10月に日本で映画公開。後者は昨年映画が公開され、それを期にタイトルが映画に合わせた『マラヴィータ』に改題された。
2014-08-13 21:10:27【47位(16.5ポイント) 3作】 『おれは暗黒小説だ』A・D・G(4票) 『殺人者なき六つの殺人』ピエール・ボアロー(3票) 『死者の中から』【別題:めまい】ボアロー&ナルスジャック(3票)
2014-08-13 21:11:3547位『おれは暗黒小説だ』A・D・G 酔いどれ作家を主人公にしたフレンチ・ハードボイルド。『世界ミステリ作家事典 ハードボイルド・警察小説・サスペンス篇』で平岡敦氏が書いているところによれば、「訳者の創作部分がかなり付け加わっているのだが、おかげで面白さが倍増している」。
2014-08-13 21:14:4647位には『三つの消失』に続いて、ピエール・ボアローの単独作『殺人者なき六つの殺人』がランクイン。『死者の中から』はボアロー&ナルスジャックのコンビの作品。ヒッチコックにより映画化されており、映画のタイトルに合わせた『めまい』というタイトルでも邦訳が出ている。
2014-08-13 21:17:17【45位(17ポイント) 2作】 『青チョークの男』フレッド・ヴァルガス(2票) 『悪魔のような女』ボアロー&ナルスジャック(5票) 前者は現代フランスミステリを代表する作家による警察署長アダムスベルグ・シリーズの第1作。後者はボアロー&ナルスジャックのコンビによる最初の作品。
2014-08-13 21:21:12【44位(18ポイント/2票)】 『論理は右手に』フレッド・ヴァルガス フレッド・ヴァルガスが続いてランクイン。こちらはもう1つの人気シリーズ、三聖人シリーズの作品。英訳されたのは最近で、今年、英国推理作家協会(CWA)の最優秀翻訳ミステリ賞にノミネートされた。
2014-08-13 21:25:53【43位(18.5ポイント/3票)】 『技師は数字を愛しすぎた』ボアロー&ナルスジャック 原子力関連施設を舞台にした密室物。2012年に創元推理文庫で新装版が刊行された。
2014-08-13 21:28:4241位(19ポイント)には『………女』と『………野郎ども』が並びました。後者はこれだけでどの作品か分かりそうですが。
2014-08-13 21:30:03【41位(19ポイント/3票) 2作】 『新車の中の女』セバスチアン・ジャプリゾ 『墓場なき野郎ども』ジョゼ・ジョバンニ 前者は創元推理文庫から平岡敦氏による新訳が刊行予定。こちらのインタビュー記事参照→ sankei.jp.msn.com/life/news/1408…
2014-08-13 21:33:29【39位(19.5ポイント/4票) 2作】 『森の死神』ブリジット・オベール 『「そして誰もいなくなった」殺人事件』ジャックマール&セネカル 後者は別訳題『11人目の小さなインデアン』。シリーズ続編の『「風と共に去りぬ」殺人事件』も邦訳されているが、こちらは文庫化されていない。
2014-08-13 21:40:34【38位(20ポイント/4票)】 『長い日曜日』セバスチアン・ジャプリゾ ジャプリゾは100位以内に3作品が入った。『新車の中の女』と1ポイント差で、この『長い日曜日』がジャプリゾ作品では第2位の位置につけた。
2014-08-13 21:44:55【36位(22.5ポイント/5票) 2作】 『エッフェル塔の潜水夫』カミ 『悪魔の舗道』ユベール・モンテイエ
2014-08-13 21:54:24『エッフェル塔の潜水夫』はポケミスの『機械探偵クリク・ロボット』で近年改めて脚光を浴びたカミの長編。モンテイエはフランス推理小説大賞受賞作の『かまきり』など複数の作品が早川書房から出ているが、この作品が飛び抜けた人気を見せた。
2014-08-13 21:55:24