短編SF・オールタイムベストアンケート(国内編)結果

松井和翠さん(@WasuiMatui2014)によるアンケート結果まとめ
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松井和翠 @WasuiMatui2014

【第21位(34.0p/6)】 「ボッコちゃん」星新一/『ボッコちゃん』(新潮文庫) ・一筆書きで書いたようなロボットSFだが、それゆえに作者のペシミズムをダイレクトに感じることができる。星新一、3本目。

2014-08-16 23:48:46
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第20位(35.5p/7)】 「From the Nothing, with Love.」伊藤計劃/『The Indifference Engine』(ハヤカワ文庫JA) ・007、クリスティ女史のパロディでありながら、深い虚無の域にまで踏み込んだ計劃にしか書き得ない傑作。

2014-08-16 23:54:56
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第19位(37.0p/7)】 「allo,toi,toi」長谷敏司/『My Humanity』(ハヤカワ文庫JA) ・小児性愛者の矯正をするために作られたプログラム“ITP”。そのプログラムが引き起こすグロテスクな結末とは。すでにこの位置が指定席の感さえある。

2014-08-16 23:59:42
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第18位(37.5p/6)】 「象られた力」飛浩隆/『象られた力』(ハヤカワ文庫JA) ・言語SFかと思っていると、あれよあれよ(と言っていられるほど平穏じゃないのだが)、「X-MEN」のような展開に。そしてそれを飲み込むラスト。作者が持てるものをすべて出した力作。

2014-08-17 00:02:36
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第17位(39.0p/7)】 「人間の王」宮内悠介/『盤上の夜』(東京創元社) ・『盤上の夜』から2編目の登場。読了後、読者は了解するだろう。ここで描かれているのテクノロジーそのものではなく、それを通して垣間見える“人間の業”であると。

2014-08-17 00:07:00
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第16位(41.5p/6)】 「デュオ」飛浩隆/『象られた力』(ハヤカワ文庫JA) ・『象られた力』の巻頭を飾る作が、表題作を僅差で上回り16位に。余談だが、4編以上収録の短編集でそのすべてが得票を得た短編集はATB史上では『アデスタを吹く冷たい風』(海外ミステリ)と本書のみ。

2014-08-17 00:11:10
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第15位(42.0p/8)】 「生物都市」諸星大二郎/『彼方より―諸星大二郎自選短編集』(集英社文庫コミック) ・マンガ作品としては最上位。手塚賞受賞作にして、作者のSFマンガ代表作の本作はあと一歩というところでベスト10入りを逃したが、その活躍は見事だった。拍手。

2014-08-17 00:15:29
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第14位(42.5p/7)】 「遠近法」山尾悠子/『日本SF全集〈2〉』(出版芸術社) ・作中でも釘が刺されているが―やはりこれをボルヘスの諸短編と並べてみたい誘惑に逆らうことができない。特に、九万階上方の層へ旅に行く挿話はとりわけ絶品である。

2014-08-17 00:20:06
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第13位(45.5p/9)】 「言葉使い師」神林長平/『日本SF全集〈3〉』(出版芸術社) ・二人称小説として完璧に成功した稀有な短編。言語を禁じられた世界を描くことで、“小説”という手法を信じ、貫き通す作者の矜持を感じさせられる。

2014-08-17 00:23:33
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第12位(49.5p/9)】 「ラギッド・ガール」飛浩隆/『ラギッド・ガール』(ハヤカワ文庫JA) ・飛作品の最高位に位置する作品がここで登場。恐るべき天才を描ききるために作者がその発想・文体を十全に発揮した本作を、“現代の古典”と断言することに私は何の躊躇も感じない。

2014-08-17 00:29:06
松井和翠 @WasuiMatui2014

みんなトップ10が知りたいか?

2014-08-17 00:30:47
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第10位(53.0p/9)】 「処刑」星新一/『ようこそ地球さん』(新潮文庫) ・10位は同率で2作品。星新一作品としては、ベスト50に4編目の登場である。星ファンの間では最も評価が高い作品。“悟り”の描き方としてこれを超える手法を、人類は未だ見つけられずにいる。

2014-08-17 00:38:03
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第10位(53.0p/10)】 「午後の恐竜」星新一/『午後の恐竜』(新潮文庫) ・なんと同率の10位は、またもや星新一。ベスト50に5編目である。終末SFの代表作。なんだよ、星。すごすぎだろ、新一。なんだよ、神様かよ。

2014-08-17 00:41:25
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第9位(54.5p/10)】 「おれはミサイル」秋山瑞人/『ゼロ年代SF傑作選』(ハヤカワ文庫JA) ・自己申告通り、一人称がミサイル(正確には母機)であり、人間が一人も登場しない。しかし奇を衒ったわけではなく、その証拠に上記の他『戦争×文学』にも収録される等評価は極めて高い。

2014-08-17 00:47:17
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第8位(59.0p/11)】 「盤上の夜」宮内悠介/『盤上の夜』(東京創元社) ・遂に同題短編集の表題作が登場。ベスト50内に3編の記録を『皆勤の徒』と共に達成だ。序盤・中盤・終盤とスキのない票の獲得を見せて、堂々8位。囲碁盤を感覚器とする女流棋士を描いて鮮烈。

2014-08-17 00:51:47
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第7位(62.5p/12)】 「海を見る人」小林泰三/『海を見る人』(ハヤカワ文庫JA) ・じっと、海を見る老人の見ているものとは―哀しくも恐ろしく、そして切ない違う時間を生きる二人の恋物語。まさか、法被がそこで効いてくるとは。

2014-08-17 00:55:18
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第6位(66.0p/11)】 「魚舟・獣舟」上田早夕里/『魚舟・獣舟』(光文社文庫) ・長編『華竜の宮』に繋がっていく本作はSFマガジン700号のATBとほぼ同じ位置でフィニッシュ。人と人ならぬものを共生を厳しく見つめながらも、どこか優しさが漂っているのがこの作者の持ち味。

2014-08-17 01:02:05
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第5位(70.0p/12)】 「酔歩する男」小林泰三/『玩具修理者』(角川ホラー文庫) ・ATB怪談編では第10位に輝き、本ランキングでは堂々の第5位にランクイン。ジャンルを超えた名作の地位を確立したとみてよいだろう。

2014-08-17 01:06:57
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第4位(73.0p/15)】 「五色の舟」津原泰水/『11 eleven』(河出文庫) ・SFマガジン700号で第1位に輝いた本作が、本企画では4位に。といっても、その評価は折り紙つきなわけで、事実様々な要素をこれでもかと詰め込みながら破綻を見せない筆力は素晴らしいの一言。

2014-08-17 01:10:38
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第3位(74.5p/12)】 「The Indifference Engine」伊藤計劃/『The Indifference Engine』(ハヤカワ文庫JA) ・SFマガジン700号では意外に振るわなかった本作が遂に本領を発揮。序盤から集中的に票を集め見事3位の座を射止めた。

2014-08-17 01:14:01
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第2位(90.0p/16)】 「漂った男」小川一水/『老ヴォールの惑星』(ハヤカワ文庫JA) ・終盤の猛追で2位に。「処刑」や「メイルシュトレームⅡ」と似た発端・設定の中で前者のペシミズムや後者の論理性ではなく、高らかに人間賛歌を謳いあげることによって独自の地位を確立した。

2014-08-17 01:19:00
松井和翠 @WasuiMatui2014

【第1位(107.0p/19)】 「おーい、でてこーい」星新一/『ボッコちゃん』(新潮文庫) ・キング・オブ・ショートショート。キング・オブ・SF短編。SFマガジン700号では僅差で「五色の舟」に競り負けたが、本企画では圧倒的な人気で多を寄せ付けなかった。流石、神様。

2014-08-17 01:22:12
松井和翠 @WasuiMatui2014

個別に返信する余裕はありませんが、みなさん、本当にありがとうございました。また作家別得票数の発表、総評及び誤ツイートの訂正は後日行いますので、ご容赦ください。 #ATBSF短編

2014-08-17 01:39:44
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