アイヌ問題の現状
アイヌ利権について全国から関心を寄せていただきありがとうございます。今朝の新聞報道を受けて、札幌駅西口の紀伊国屋書店さん前で街頭報告を行いました。立ち留まって聞いてくれる方も多く、いつもと違う手応えがあります。 pic.twitter.com/E5RhwCicfS
2014-08-17 16:31:35ブログを更新しました。『「民族としてのアイヌは既に滅びた」〜世界大百科事典(平凡社)より〜』|kaneko-yasu.seesaa.net/article/403883…
2014-08-17 17:50:59アイヌ民族はじめ、北方諸民族の多くは「外部(異民族)との異文化間婚姻をしながら民族集団を維持する」形態をとってきた。「DNA」や日本的な「血」の観念とは異なる原理である。自民族独自の価値観にもとづいて他民族のアイデンティティについて云々するのは馬鹿げている。
2014-08-17 18:07:05.@itangiku 「民族」というのは物理的に、生物的に外部から完全に隔離された集団のことではない。日本は四方を海に囲まれて偶然、一定期間隔離されていたがゆえに、それを「民族」だと思い込んでいるのかもしれないが、それは日本でしか通用しない自分勝手な基準だ。
2014-08-17 18:10:32アイヌ民族には「アイヌかそうでないか」という本来の基準がちゃんとあるが、行政的に現在運用されているのは、アイヌ自身の基準とは異なり、戸籍による証明まで求められる厳しいものだ。配偶者等に準メンバーシップを認めるとはいえ、どちらかといえば民族人口を小さく見積もる基準である。
2014-08-17 18:19:16.@itangiku アイヌ文化行政には問題点が確かにある。その一部については少しツイートした。また、過去に起きた問題については知られている通りだ。だが「誰がアイヌか」というメンバーシップについてはさほど問題はない。あるというなら、具体的な数字をあげて批判すべきだろう。
2014-08-17 18:23:29.@itangiku 「『誰がアイヌか』というメンバーシップについてはさほど問題はない」というのは、「和人側が不利になるような状態ではない」という意味だ。現状ですでにアイヌ側にとってかなり不利なのだ。
2014-08-17 18:24:45.@itangiku アイヌ文化関連事業の最大の問題はメンバーシップなどではない。「アイヌ文化のためのお金」が、和人業者の過大な利益になっていることだ。「1000万円で500万円程度の内容のものを買う事業」の差額500万円は、アイヌではなく和人業者の利益になっている。
2014-08-17 18:31:28.@itangiku 「1000万円で500万程度の内容のものを買う事業」は公共事業ではありがちだ。だが、アイヌ文化関連の事業費で儲けを出しているのは和人業者なのだ。それなのにアイヌが叩かれるのは、ちょいと気の毒ではないのか。
2014-08-17 18:34:31.@itangiku アイヌ民族自身の手に渡るのはほんの一部で、残りは全て和人業者の事業に使われる。いわゆる「復興予算」と同じ「経済効果」構造である。だがアイヌ事業の場合「経済効果」が目的ではない。「目的」を考えれば全部返還不要の奨学金にでもすべきだ。民族の将来への投資だ。
2014-08-17 18:43:22↓ 人のせいにするのか。知里真志保もいまであればあんな表現を用いはしなかっただろう。あれは「最後の抵抗がつぶされる」という反語だ。
2014-08-17 19:02:11これは世界中で起きていることだ。数十年前、世界中の少数民族(特に先住民)について「数十年後には消滅する。すでに引き返し可能な点は過ぎた。つまり既に滅びた」という悲観論が多かった。だが今では「そう簡単に誰もいなくなったりしない」ということも分かってきたのだ。
2014-08-17 19:08:35まず、いわゆる「縄文文化」については、人骨研究などからも「北方の独自性」が確認されている。今より少し独自性は弱いが、独自性自体は存在する。それをどう考えるか。少なくとも「縄文文化の担い手は単一の人間集団である」という推定は根拠薄弱である。
2014-08-17 19:13:41.@itangiku 次に続縄文以降、いわゆる「北海道的な擦文文化」が展開するが、その一部地域に「本州的な擦文文化」がみられる。これが「北海道には和人がいた」「アイヌより前に和人がいた」として騒がれるものだ。これは渡島半島から内陸部にモザイク上、線上に伸びる。面的ではない。
2014-08-17 19:16:17.@itangiku だが、それらの「本州的な擦文文化」は時期がたつと消滅してしまう。ただし、それらから吸収したらしい要素が「北海道的な擦文文化」にみられるらしい。つまり研究者の多くは「和人がやってきたが、少数だったのでアイヌに吸収された」とみる。
2014-08-17 19:18:45.@itangiku 次に道北・道東にいわゆる「オホーツク文化」が出現する。外部から渡来した文化が急速に広まったと考えられている。かつてより分布域が広いことも分かってきた。だがこれも擦文文化に同化して消滅する。そして、それ以降の「中世アイヌ文化」はオホーツク文化的要素も含む。
2014-08-17 19:22:19.@itangiku その後、日本史でいう近世にはもうすでに、北海道全域がかなり均質の文化になっている。基本的に北海道においては、メインランドを押さえた文化集団に、それ以外の渡来要素が次々に合流し続けているのだ。研究者の多くは「交代」は起きていないと考えている。そんな痕跡はない。
2014-08-17 19:27:53.@itangiku 逆に、だからこそ「古代アイヌ文化」という概念が浮上しつつある、といっていいだろう。「北海道的擦文」と「完全に古代的な本州的擦文」の差異に目を奪われすぎて、北海道的擦文の古代的性質が今まで見過ごされてきたのではないか、という反省だ。
2014-08-17 19:31:30.@itangiku 従来は「アイヌ文化」は静的にとらえられていた。だが、最近の考古学では「アイヌ語以外の言語を話す集団が波状的に渡来し、それを次々に同化した」ことで「アイヌ語集団自体のダイナミックな文化的・社会的変化」が起きた、というモデルを考えているらしい。
2014-08-17 19:35:36.@itangiku もちろん、「人間集団の大規模な交代がなかったから、アイヌは先住民だ」という論理なわけではない。そんなことには関係なくアイヌは先住民である。ここまでの連ツイは、ただ「最新の考古学ではこんな感じである」というだけの話である。
2014-08-17 19:45:21.@itangiku 例えば「人口の少ない国家は国家じゃないので、とり潰すことにしよう」ということになったらどうする。「中国以外の国を全部つぶす」から「数万人程度の小国も全部温存」まで基準は「恣意的」に引くしかない。統一的な国家の定義なんぞない。国家の定義もトートロジーである。
2014-08-17 20:05:18.@itangiku 例えば「人口の少ない国家は国家不適格なのでつぶそう」ということになったらどうする。日本は「日本より人口の少ない国家はつぶそう。日本までは残そう」と主張するのか。それは得策ではない。「民族」もそういう性質のものなのだ。
2014-08-17 20:07:20.@itangiku 「アイヌ民族は民族ではない」などというのは、平和ボケの考え方だ。「日本民族」が生き残りたければ、日本民族より大きかろうが小さかろうが、伝統文化を残していようがいまいが、マジョリティだろうがマイノリティだろうが、他の全ての民族と互いを認め合っていく以外にない。
2014-08-17 20:11:32