ケンペイvs座礁艦隊! あとパンツ ~フライングフィッシュ・オブ・アラビアン~ その6
「全員準備は良いな。レッツゴー!」ホヴァー・ユニットのスロットルを開ける!砂塵を巻き上げ、トーピード1、2は先行して走るケンペイ天狗の前へ!「オウ、まずはあたしだ!イヤーッ!」トーピード203長波が連装砲を乱射しケンペイ天狗へ突撃! 48
2014-08-20 22:17:36「イヤーッ!」BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!ケンペイ天狗は対物リボルバーを六連射!命中!「ンアーッ!」大したダメージを受けていないにもかかわらず、長波はバランスを崩して転倒!すかさずケンペイ天狗が彼女を引っ掴み、後方へ投げる!置き去りにされる長波! 49
2014-08-20 22:21:02投げ終えたケンペイ天狗のその手には…ゴウランガ!白いパンツが!いつの間に!夕雲型のストッキングを破くことなく、正確な手捌きでパンツのみを脱がせたのである!しかも…見よ!パンツを!しどとに濡れているではないか!穿いた状態であらかじめ水を含ませていたのだ! 50
2014-08-20 22:30:00なんという機転であろうか!恐怖で失禁し濡れたパンツを、ケンペイ天狗が強奪したようにしか見えない!「うわー、意外とスースーして落ち着かないぞこれ」長波はスカートを押さえて立ち上がり、ホヴァーを再開、後方へ。追撃ではなく、レーザーを受けてもなお追ってくる敵の妨害へ向かったのだ! 51
2014-08-20 22:37:05ケンペイ天狗は一瞬躊躇したが、おもむろにパンツを口に含む。じわ、と水が溢れ出て、彼の喉を潤した。深海棲艦の細胞が水分を超高効率で吸収し、ケンペイの身体はエネルギーを取り戻す!「よ、よくも長波をー!」続いて黒潮!「イヤーッ!」対物リヴォルヴァー六連射!「ンアーッ!」転倒! 52
2014-08-20 22:46:31黒潮を掴み、後方へ投げる!その手にはスパッツ!裾に突っ込んだ手を引き抜くと、濡れたパンツ!スパッツは捨て、パンツを口へ!水分補給!「あーもう、どうにでもなれ!」五十鈴が突撃!「イヤーッ!」相手は軽巡、ケンペイは6inch砲を数発撃つ!「ンアーッ!」転倒!掴んで後ろへ投げる! 53
2014-08-20 22:51:18手にはダークグレーの濡れたパンツ!ためらわず口へ入れ、水分補給!吸い終わったパンツは、咀嚼したと見せかけるために懐へ。ケンペイの身体に、戦いつつ走るための十分な水分が行き渡った。これでしばらくは保つ。トーピード1の三隻は突撃せず、予定通りケンペイと並走し妨害するフリを継続。 54
2014-08-20 22:54:55「二人とも無事?」トーピード2は三隻とも合流し、その場で敵の追撃を待つ。「まー、あたしはストッキングあるし、戦闘にゃ支障ないだろ」「ウチ、スパッツごと取られた…」「マジ?」「だ、大丈夫でしょ。あの戦闘機のおかげで、大半はやられてたわ」「スエズの艦載機、バケモンやなあ」 55
2014-08-20 23:01:22「ケンペイ天狗が、パンツを食った…は、話が違う」ミュグラ少佐は一部始終を飛行艇の望遠カメラで確認していた。「この戦力では殺害は困難です。予定通り、五時間遅延の実現を目指します」「ならん!必ず殺害だ!」「殺害は副次目標です少佐。ハリマ元帥の命令書にはそうあった」 56
2014-08-20 23:06:35ツラバヤ大佐の捏造した命令書が、ドン・ハリマであることが裏目に出た。一士官が命令書の内容を書き換えることはあってはならない。変更はドン・ハリマ本人の承諾が要る。「どうにかしろ!」「無理です」「艦娘らを特攻させろ!」「少佐、彼女らは一時的にではありますが、現在水陸の所属です」 57
2014-08-20 23:10:58「では艦娘をもとの鎮守府から引き抜いて…」「少佐、"水陸機動団の作戦"を妨害するおつもりですか」「貴様!」ミュグラ少佐は思わず拳銃を抜き、マキシマ中尉に突きつけた。「水陸の半分は海軍から出来たのだぞ!」「もう半分は陸軍です。ですが、水陸は陸海と同じ独立独歩の一軍組織だ」 58
2014-08-20 23:14:58マキシマ中尉は動じることなく、ミュグラ少佐に立ちはだかった。飛行艇内に緊張が走る。「…頼む」それはミュグラ少佐の悲痛な声だった。彼はその場に崩れ落ち、ドゲザした。「頼む、あいつを、ケンペイ天狗を殺してくれえ…」拳銃が手から離れ、機体が傾いて床を滑って、少佐から離れた。 59
2014-08-20 23:19:42「奴を殺さないと、俺はセプクなんだ。俺は死にたくない。頼む。ケンペイ天狗を殺してくれ」ミュグラ少佐はドゲザしたまま、声を絞り出して言った。マキシマ中尉はそれが演技なのか本気なのか判別がつかなかったが、異なる軍組織とはいえ部下にドゲザしている行為に、憐憫を禁じ得なかった。 60
2014-08-20 23:23:46「しかし、トーピード1だけではやはり無理です少佐。ビハールの狙撃も危険すぎます」マキシマ中尉はそう返答するしかなかった。彼だって目の前の、恥も外聞も捨ててドゲザする男がセプクさせられるのを黙って見過ごせるほど冷酷ではない。しかし、実際手が尽きている。どうしようも無いのだ。 61
2014-08-20 23:29:46静謐な、透き通るようなその声に誰もが傾注した。扶桑である。いつの間にかホヴァー・ユニットを装着し、LAPES降下要のパラシュート・パックまで装備している。「扶桑」ミュグラ少佐は秘書艦の手を握った。「ダメだ、お前は、行くな。ケンペイだぞ」「少佐、大丈夫です。必ず殺してきます」 63
2014-08-20 23:34:12後部ハッチが解放される。扶桑はアラビアの重畳な夜を背景に立った。ホヴァー・ユニットが始動し、風圧が機内を駆け抜ける。「ケンペイ天狗を殺して、必ず帰って来ますから」そうして、扶桑は飛んだ。「扶桑!」ミュグラ少佐は後部ハッチに駆け寄り、降下する扶桑を見下ろす。「必ずだぞ!」 64
2014-08-20 23:40:28着地寸前にホヴァーがブースト。パラシュートが展開。衝撃を緩和する。砂漠を滑走しつつ、パラシュートを切り離す。戦艦の質量をホヴァーが浮遊させる。砂が舞う。「航空戦艦、扶桑。出撃いたします」 65
2014-08-20 23:44:25ギャグ要素が存在しないケンペイ天狗は拙作と非常に相性が良いことに気付きました(パンツから目を逸らしながら)
2014-08-21 01:40:36艦娘ユニットはMANカテゴリだけど、小銃の弾が通らない。あと200kg近く持っても余裕で長距離走れる。
2014-08-22 01:34:29