荒谷大輔さんによるラカン読書会

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荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

ちなみに、ここでマイナスφというのが、「モワン・フィー」です。つまり、- φは、大他者において欠けている何かを示す記号のことで、ここらあたりについての詳しくは、4巻5巻を読む必要がありますので、ここではこのあたりにしておきます。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:38:38
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

こんな感じでよいでしょうか、ね。結構ひとりで書き続けるのは大変ですね。こういうのはやっぱりしゃべった方が早い。。。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:40:18
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

だいたい、ここまでで第2課の序言を読んだ感じになります。とりあえずこのまま進めますね。質問があればいつでもどうぞ。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:41:34

1のまとめ

荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

1がはじまってから最初の数段落はそんなに難しくないですね。ラカンは、新しい参加者に対して、自分は哲学者として話すのではないなど、セミネールの意味の説明をしています。つまり、自分がやっているのは精神分析家の実践における概念の精緻化だというわけですね。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:44:16
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

それで、この年のセミネールで扱う四基本概念が挙げられています。「無意識」「反復」「転移」「欲動」の四つ。これは、精神分析の基本的な部分だけだと。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:46:06
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

あと、ここで「黒板」といわれているものが、どのようなものだったのかは、ちょっとわからないです。文言からある程度推測はできるでしょうけれど。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:47:28
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

以上、あっという間に1が終わりましたね。というか、実質何も理論的な内実はないかも。なので、すぐ次に行きます。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:48:36

Ⅱフロイトの無意識と我々の無意識 2

荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

2で、先に挙げた四概念のうち「無意識」の説明に入ります。有名な「無意識はランガージュとして/のように構造化されている」という下りからです。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:50:02
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

ただ、ここでの説明はだいぶ簡略化されたものになっているように思えます。レヴィ=ストロースの『野生の思考』を引きながら、無意識がシニフィアンの連なりによって編み上げられていることを指摘していますが、構造が主体に先立つ、という構造主義の公式見解をそのまま出してますね。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:51:43

「構造主義」

荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

えと、「構造主義」も説明する必要ありますかね?簡単にいえば、サルトルvs.レヴィ=ストロースの図式で、前者は「主体が社会を変えるんだ!」、後者は「主体は社会のロジックの中ではじめて生まれてくる」という話ですね。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:55:13
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

ここでラカンは、レヴィ=ストロースの図式をほとんどそのままなぞって、「無意識はランガージュによって構造化されている」といっているように見えます。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:56:42
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

でも、ラカンはセミネール1巻の段階から明確にソシュールのラングとラカンのいうランガージュ(言語活動)を区別していたわけで、個人を超越したラングがあって、それを引き受けることで主体が成立しているという主張だけだとラングとランガージュの区別が入ってません。 #ラカン読書会

2014-08-21 20:58:45
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

ソシュールのラングだと時間的な要素を排した「共時的構造」しか扱えないわけですがが、ラカンの精神分析は、パロールに関わることにおいて、常に「通時的なもの」に関わります。ラカンの理論だと、言語が時間を通じて変化していくあり方も記述することができるわけですね。 #ラカン読書会

2014-08-21 21:00:08
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

そのためにラカンが用いるのが「シニフィアンの連鎖」という概念で、ラングがラングとして全体の構造を一気に覆うのではなく、あるシニフィアンが別なシニフィアンに回付されていくというかたちでつながっていくと理解します。 #ラカン読書会

2014-08-21 21:00:58
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

ラングの「全体」が「全体」として機能するのは、去勢が成立し、主体がその中に閉じこめられている限りにおいてでしかないわけですね。 #ラカン読書会

2014-08-21 21:01:45
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

なので、ラカンの理論だとはじめから構造がいかに変化していくかを記述するものになっていて、厳密にいって「構造主義」ではありません。 #ラカン読書会

2014-08-21 21:02:54
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

仮に「ポスト構造主義」とかつて呼ばれていたものが、構造を静的にしか扱えない構造主義を乗り越えて、構造の変化を扱えるようになったものと解するならば、ラカンは1950年代においてすでにポスト構造主義者だったわけです。 #ラカン読書会

2014-08-21 21:04:13
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

ちなみに、この「無意識はランガージュのように/として構造化されている」というフレーズは、年代によって意味が少し変わります。とくに20巻になると、ララングという概念を「ランガージュ」は区別して用い、かつララングを無意識の根源的な機能に振り分けていくので・・・ #ラカン読書会

2014-08-21 21:06:27
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

・・・「無意識はランガージュ「として」構造化される」とは決して訳せないものになっていくのでした。ランガージュはララングの結果として現れるものなので。 #ラカン読書会

2014-08-21 21:08:02
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

ともあれ、ここではごく平凡な「構造主義」の公式を無意識に当てはめているわけで、あるいはラカンなりのはじめての出席者に対する配慮があったのかもしれません。 #ラカン読書会

2014-08-21 21:09:38
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

それで、こうした言語学を背景にした無意識と、フロイトが語っていた無意識との違いを明らかにすることがこの課の目的として位置づけられています。 #ラカン読書会

2014-08-21 21:10:48
荒谷大輔:daisuke araya @heartland @daisuke_araya

なんですが、今日までの範囲だと、その違いは出てきませんね。無意識にシニフィアンの次元を導入して話をはじめる3でも、フロイトとの差異を強調するよりも、フロイトにおいてもすでにシニフィアンが問題になっていたということを示そうとしています。 #ラカン読書会

2014-08-21 21:11:37