LINEスタンプとフリー戦略―企業はどうしてスタンプを無料配信するのか―

8月上旬に恐縮ながら個人的な趣味で私マーケティングたんのLINEスタンプを配信いたしました! URL: https://store.line.me/stickershop/detail?packageId=1006534 それに関連して「どうしてクリエイターズスタンプは一律100円」なのか、「そもそも企業はどうしてスタンプを無料配信するのか」そんな疑問からLINEスタンプを題材にした連投ツイートをさせて頂きました! だいぶ拙い内容になってしまいましたので、より応用的なご意見などお気軽にコメントしてくださると嬉しいです。
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マーケティングさん @MarketingTan

主な指標はこの2つ、一か月の間にそのサービスを利用するユーザー数を表すMAUと一日の間のユーザー数を表すDAUです。日常的に利用するユーザーがどれだけ多いかを示す非常に重要な指標と言えます。 pic.twitter.com/PVKVTKVLlO

2014-08-23 21:26:07
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マーケティングさん @MarketingTan

ということでLINEと他媒体のMAUを比較してみましょう!(情報収集能力の低さは許してw)そうすると圧倒的にLINEのアクティブユーザーが高いことが分かりますね。因みにLINEの国内ユーザー数自体は国内人口の4割を超えました。 pic.twitter.com/uyE5t2uywU

2014-08-23 21:30:00
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マーケティングさん @MarketingTan

なぜLINEのアクティブユーザーがこれほど多いのか、理由は歴然ですね。LINEは他の媒体とは異なり、いままで携帯キャリアのサービスで行ってきた、個人間のメールや電話などの頻度の高いコミュニケーションを代替するものになってきたからですね。

2014-08-23 21:33:25
マーケティングさん @MarketingTan

そしてLINEのもう一つの強みとしてユーザーの高いアクション率(広告開封率)が挙げられます。TwitterではTLの中に企業のプロモーションが紛れていたり、動画サイトでは再生前にCMが流れたり、サイトにはいたるところにバナー広告などが設置されたりしていますよね。

2014-08-23 21:35:17
マーケティングさん @MarketingTan

とはいえこうした広告はもう、ちら見はしてもスルーが当たり前になっているのが現状です。ある調査ではさきのバナー広告のクリック率は1%の時代もあったようですが、いまではせいぜい0.1%前後だとか、反応率は大幅に減少しています。

2014-08-23 21:37:28
マーケティングさん @MarketingTan

一方LINEを通した企業の広告は少し特殊で、例えば友達に追加した企業アカウントの通知なら、届けばとりあえず開封して、興味があるものなら目を通すなど…、一般的なユーザー同士のコミュニケーションとの若干の類似性が反応率の高さを生み出しているようです。

2014-08-23 21:39:04
マーケティングさん @MarketingTan

また企業のスタンプは友人や知り合いから送られてくるコミュニケーションツールとしてトークルームに表示されます。イラストに興味を持てばスタンプをクリックして販売先へアクセスでき、そしてDLしたユーザーがまたスタンプを使うことで、いつのまにか拡散していく可能性が高いですよね。

2014-08-23 21:40:10
マーケティングさん @MarketingTan

公式発表の数値では、実際に企業アカウントのメッセージを友達になったユーザーの半数以上が読んでいるそうです。また企業がスタンプを配信することで、平均300万人以上の友達増加が期待できるとのこと。それだけスタンプの拡散力が大きいということですね。

2014-08-23 21:41:06
マーケティングさん @MarketingTan

とはいえ、そもそもスタンプ配信に最低でも2000万かかるのは高すぎますよね。ですがこれを、広告やスタンプを通して企業のファンになったユーザー数で割ると、一人当たりの価格はfacebookやtwitterのおよそ1割未満と、実は安い方みたいです。

2014-08-23 21:42:37
マーケティングさん @MarketingTan

しかし固定で2000万以上支払わなければいけないという点で、中小企業や個人には当然参入する余地がなかったというのがこれまでのところですね。一律100円ですが「LINE Creators Market」の登場で彼らに光が当たってきたという感じです。

2014-08-23 21:43:28
マーケティングさん @MarketingTan

さてそんなこんなで、すっかり強大な媒体となったLINEですが、人がたくさん集まるんだからジャンジャン広告するぞ!ということにはなっていない点に今度は注目してみましょう。ここは是非他の媒体と比較して欲しいところです!

2014-08-23 21:44:19
マーケティングさん @MarketingTan

LINE側としてはあくまでユーザーの視点を優先して、広告にあふれてユーザーを不快にさせたりすることのない様に、徹底的な広告制限やブランド維持を行っています。LINEを使っていていきなりトークルームに広告が紛れたり、上から広告バナーが下りてくるようなことはありませんよね。

2014-08-23 21:45:18
マーケティングさん @MarketingTan

LINEは独自のガイドラインで敢えて広告が出来る場や方法を制限することで、「場が荒れない」工夫をしているように見えます。過去の経緯の違いや勢いのある今だからこそ出来ることだとも考えられますが、事実上ユーザーの経験価値が優先されている状態であることはなんだかホッコリしますね。

2014-08-23 21:46:44

(2)スタンプにおけるフリー戦略

マーケティングさん @MarketingTan

さて!次に企業がスタンプの無料配信に惹かれる理由は、ズバリ「無料」ということ自体にあります。「フリー(無料)」は無条件に消費者を行動させる力を持っていて、私たちが駅前で反射的にティッシュをもらうのと同様、LINEでスタンプが無料配信していたら無条件にDLしてしまいます。

2014-08-23 21:47:57
マーケティングさん @MarketingTan

そもそもこうした行動は、普段何かを失うことを恐れる傾向がある(損失回避性といいます)私たちの消費者心理が起因しています。無料で何かを得られるということは、自らが背負うリスクがほとんどないと判断できるので、ついついそれを受け取ってしまうんですね。

2014-08-23 21:49:25
マーケティングさん @MarketingTan

そしてDLしたLINEスタンプは早速トークルームで使われ、そのスタンプが気になった友達がクリックして、また無条件にスタンプをDL…これが連鎖することで有料にするよりもスタンプの拡散力が増し。企業やブランド・キャラクターの認知度アップにつながるという流れです。

2014-08-23 21:50:59
マーケティングさん @MarketingTan

因みにもっと言えば、LINEスタンプなら企業の友達追加さえもない方が、より消費者は無条件にDLしやすいという見方も出来ますね!通知を受け取ることさえDLの障壁になり得るということです。先ほど友達追加なしの方が価格が高かったのには、こうした理由も含まれていると考えられます。

2014-08-23 21:52:10
マーケティングさん @MarketingTan

ということで私マーケティングたんが「無料配信してぇ…」と思っていたこと。そしてそれは許されず「LINE Creators Market」が一律100円での販売を定めていることもこれで納得ですね!

2014-08-23 21:53:26
マーケティングさん @MarketingTan

もし私のスタンプが無料配信出来ていたら、今頃スタンプはどんどん拡散して、私の認知度も学術たんの認知度もうなぎ上りだったかもしれないということですね!!! …はい、反省します。企業も2000万払ってまですることですからね。

2014-08-23 21:54:02
マーケティングさん @MarketingTan

とはいえ、無料有料関係なく、LINEスタンプを出すこと自体何かしらの効果はあると思います。実際LINE Creators Marketに企業やタレントさんが参戦するという事例もありますね。(私の中の人は今井麻美さんのスタンプを買うかどうか真剣に悩んでますw)

2014-08-23 21:55:59
マーケティングさん @MarketingTan

さて!あともう少しだけ、お時間をいただいて。今のフリー戦略によって私たちの周りにどのような市場構造が成立っているのか、少し鳥の視点になってみてみましょう。

2014-08-23 21:56:49
マーケティングさん @MarketingTan

こうしたフリー戦略が用いられる市場形態として、「三者間市場」というものがあります。これは何かの情報媒体が消費者に無料でコンテンツを提供する代わりに、そこに企業広告を載せ、広告主である企業からお金をもらうというような市場モデルです。 pic.twitter.com/qQGjjxQxmg

2014-08-23 21:58:30
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マーケティングさん @MarketingTan

広告を有料で載せてもらった広告主は、「フリー(無料)」のコンテンツで集まった消費者が、広告を見て商品・サービスの購入をすることで、収益を得られる可能性があります。TVCMや雑誌・新聞の広告など昔からメディアで行われている基本的な市場モデルと言えますね。

2014-08-23 22:00:45
マーケティングさん @MarketingTan

経済学では、価値の交換を行う組が2つあることから、これを「市場の二面性」と呼ぶ場合もあります。この事例はメディアに限ったことではなく、極端なものでは女性は無料で男性にだけお金をとるイベントやクラブ、大人にだけ入館料をとる博物館などの例もこれに当たります(普通半額とかですけどね)

2014-08-23 22:02:06