【ただ一度の永遠・番外編】on my way

ひな＠復旧中 @newgibbousmoon

#リプCP台詞　#川田と荒北 「ども、お久しぶりです」 「久しぶりだね。背がだいぶ伸びたんじゃない？今、いくつ？」 「あー、170ちょいちょい、くらいかな」 「でも、相変わらず細いんだ」 「肉がつかねーんです。体質かな」 「……気にしてるんだ？」 「まあ、多少は」

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@newgibbousmoon 「ヤストモくんにしては珍しい」 「いや、肉つかねーのはちょっとコンプレックスだし」 「でも、大丈夫だよ。無駄な肉がつくぐらいだったらそのままのがいいし……何よりも君の身体は自転車用の身体だし」 「？？？」 「ペダル回して作った身体でしょう？」

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@newgibbousmoon 「ええ」 「余計な筋肉つけても無意味だから。それこそ、君の身体は理想的だと思うよ」 「どうも。……っていうか、オレのことより、ツールでの敢闘賞おめでとうございます」 「ありがとう。でも、表彰台に絡んだわけでもないし、敢闘賞ってわかりにくいよね」

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@newgibbousmoon 「贅沢言ってますね」 「うん。終ったから言えるんだけどね」 「今の状況考えると、日本人がツールを走ったってだけでも意味があると思うし……それに、結構映ってましたよ。今年のツールは山多かったし」 「へえ。……そういえばジンパチくんは？」

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@newgibbousmoon 「あ、あいつ追試」 「え？追試？」 「あいつ頭が文系だから。本当は今日もすごく来たがってたんだけど、今日受かっとかないと、合宿に参加できなくなるから」 「合宿？」 「そう。オフシーズンだけど、室内練習施設借り切ってやる合宿があんの、ウチ」

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@newgibbousmoon 「さすが……ってあれ？ヤストモくん達ってどこの大学？」 「大学？オレ、高校生ですけど？」 「え？えええええ？」 「あれ？そういえば、カワさんには話してなかったんでしたっけ。あの人……えーと、なんつったけ、あのペプシの人」 「ペプシの人？」

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@newgibbousmoon 「あ、いや、それはこっちの話で、えーとみや、宮本さんもすごいびっくりしてた。あの人、うちのＯＢで」 「ってことは、箱学？」 「そーです」 「そっか……ヤストモくんが高校生に混じってるってすごい違和感あるけど」 「部活でやる気はなかったんですけど」

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@newgibbousmoon 「……何か事情がかわったんだ？」 「ええ。中途入部ってんでいろいろあったんですけどね。まあ、今はそれなりにうまくやってます」 「……何か怖いなぁ」 「結構、楽しいですよ、部活。すごい自由にやらせてもらってるし」 「……なんか、可哀想になるね」

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@newgibbousmoon 「何がですか？」 「君の先輩たちだよ。社会人になれば、一歳や二歳の年の差なんて無意味だってわかるけどさ、高校生はその一歳がすごく大きいじゃない。でも、君には絶対勝てないだろ」 「そんなこともないですけど」 「手を抜いてるの？」 「まさか」

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@newgibbousmoon 「じゃあ、君が負けることがあるの？」 「……練習に勝ち負けなんて無意味でしょう？場合によってはありますよ」 「それはまあ、そうだけど。でも、君、レースには負けないだろう？それがどんな……例えば部内のレースであっても」 「そりゃあ当然です」

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@newgibbousmoon 「うん。やっぱり可哀想だ。……でも、いいのかな。早めに知っておいたほうが」 「？？？」 「一般のレースには出てるの？」 「ええ。元宮先生といろいろ相談しながら。それに、去年でたレースは招待状が来るから」 「招待状？」 「……ええ」

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@newgibbousmoon 「……もしかして、入賞した？」 「そうです」 「だよね。わかってたけど……すごいなぁ、君は」 「？？？……そういえば、カワさん、今年のチーム決まったんですか？」 「あ、うん。今年は、プロチームにお世話になることになった」 「おめでとうございます」

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@newgibbousmoon 「年齢的にもう終りだって去年思ったのに、今年もまた走れることが決まって、自分が一番驚いているんだ。……だからね、ヤストモくん」 「はい」 「早く、こっちにおいで」 「って言われても」 「……君の走る道はこっちにあるから」 「……………」

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@newgibbousmoon 「……高校の部活をないがしろにしろっていう話じゃないから、今すぐにとは言わない。けれど、ちゃんと心にとどめておいて。……時間は有限で、チャンスは一瞬だ」 「はい」 　荒北は、川田が走った道を、いつか自分が走るだろう事を何となく予感してＥＮＤ。