『イラストレーター・中村佑介氏のＱ＆Ａ⑧』“デザインは学校で学ぶべき？”編(2014.08.26)

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【英理Q&A③】まずは大前提として、「デザイナー」と「イラストレーター」は名前が違う事からも分かる通り、別の職業だということ。そしてデザイナー志望の英理さんが、イラストレーターである僕に質問するという事自体が、決して適切ではないということだけは頭に入れて下さい。

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【英理Q&A④】ただ僕も大学ではデザインを学んでいましたし、イラストレーターとデザイナーは、野球とソフトボールくらい共通している部分がありますので、今回に限り、お答えできる範囲で話してゆきます。（※漫画家やキャラクターデザイナーなども違う職業なので該当者はお気をつけ下さいませ）

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【英理Q&A⑤】さて、英理さんの第一の質問から。「マーケティングやデザインは専門の教育が必要か？」との事ですが、基本的には「必要」です。技術面だけでなく、そこで例えば先程の「イラストレーターとデザイナーの違い」や、色、構図、仕事の仕方等、プロとしてのノウハウを教えてもらえます。

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【英理Q&A⑥】「基本的には～」と言ったのは、独学で出来るようになる人もごくたまにいるからです。例えば友人の前川景介くんは建築学科出身なので、独学でデザイナーになった人ですが、例外でしょう。tremololamp.com pic.twitter.com/85VGHRzptP

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【英理Q&A⑧】また年齢制限については、誰しも『年上の新入社員』は接しにくいことに代わりありませんので、デザインの世界も、普通の会社と同様、就職は早ければ早いに越した事はありません。大卒なら22歳、専門学校では20か21歳が新卒なので、25,6歳以上になると難しくなってきます。

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【英理Q&A⑨】ということで話は戻りまずは学校ですね。正直、通信制の大学は期間が長いけど、実際の授業日数は短いので、急いでいる方にはおススメ出来ません。芸大も学費面で無理とのことですので、ここは学費の安い専門学校の夜間部（できれば通常の昼間部）が妥当でしょう。

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【英理Q&A⑩】年単位で就職が難しくなる状況と、将来に稼ぐお給料を踏まえると、通信制大学の学費とそんなに変わらないと思います。そして専門学校でも奨学金制度はありますので、そちらも考えてみて下さい。（各学校、奨学金については、ご自分で御調べ下さいね）

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【英理Q&A⑪】それがいま考えられる絵理さん向けの正攻法です。もうひとつ裏道としては、デザイン事務所ではなく、デザイン"も"している会社（印刷会社等）に、デザイナー以外の事務等の社員として入社すること。

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【英理Q&A⑫】そこでプロの仕事を間近で見て学び、デザインスキルを身についた時には、小さい会社なら人出が足りない時に任せられることもあります。僕のまた別の友人は、それで営業もデザインもしております。

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【英理Q&A⑬】まぁそれはあくまで裏道なので、おススメは出来ませんが、「どうしてもデザイナーとしての就職が無理だった～」という場合は、あまり期待はせず、考えてみても良いかもしれません。

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【英理Q&A⑭】さて、どちらにせよ、あまりゆっくりはしてられないので、英理さんは自分で勉強しなければいけません。僕はあなたの希望通りに人生を進んで欲しいので、ハッキリと言いますが、今のレベル、今のやり方ではデザイナーになるのは難しいでしょう。

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【英理Q&A⑮】これは英理さんのことを否定していたり、「絶対無理」という話ではありませんので、今、しっかりとご自分のレベルを受け止めて下さいね。今はデザイン専門高校の2年生（17歳）と大体同じくらいのスキルです。それだったらその方達の２倍のスピードで走らなきゃいけませんよね。

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【英理Q&A⑯】その上で働きながら今、何が出来るか。まずは専門書（「デザイン」、「色彩」、「イラストレーター」、「フォトショップ」等の入門書）と、デザインがたくさん載っているカタログ集を、大きめの書店に行って買って下さい。特に指定はありませんので、お好きなもので良いと思います。

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【英理Q&A⑰】それはスキルの勉強。次に実技課題として、コンビニに行き、「パッケージが良い」と思った商品をひとつ買います。出来れば文字だけでなく、写真も入っているもの。そして自分の素材、力だけで、それと全く同じデザインになるまでパソコンで再現して下さい。デザインの模写です。

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【英理Q&A⑱】お仕事もあると思いますので、毎日１時間ずつ、１週間をかけてその『デザイン模写』は完成させる。それを１カ月で４つ、１年で50個ほど出来ますよね。そうなると、いざ学校入学時に、周りの方と比べ、かなり上達している自分に気付くと思います。

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【英理Q&A⑲】最初にも申し上げましたが、僕はデザイナーではなくイラストレーターなので、その課題が出来るようになったら、その時はあらためて本職のデザイナーの方に聞いてみましょう。

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【英理Q&A⑳】デザイナーもTwitterにはたくさんいらっしゃいますし、プロになるなら、先輩方のお名前とその仕事は憶えた方が良いですよ。以上、英理さんのQ&Aでした。しっかりとした速足で歩けば、デザイナーの扉は決して遠くはないと思います。仕事も勉強もがんばって下さい。（おわり）

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という訳で、ちょっとキリがないので、『Q&A』は一旦これにてお休みします。皆さまにどこか共通するお話を取り上げてきたつもりですので、迷った時は→togetter.com/t/%E4%B8%AD%E6…をお読み下さい。

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その上で「どうしても！」という方は、全国を回っている講演会やサイン会などで直接お聞きします。スケジュールは随時、ブログの方でご確認下さい。abenolife.exblog.jp　また『イラスト公開講座』の方は、ひとまず溜まっている方達は責任を持って行いますので、ご心配なく。