スーパーマンに学ぶ正しい空の飛び方

It happens sometimes @ElementaryGard

映画『スーパーマン』の分析いきます。今度は音楽ではなく身体の視点から。

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ロイスのマンション屋上にスーパーマンが現れます。事前に予告はあったとはいえ戸惑うロイス。しかもS氏、いっしょに飛ぼうと言い出します。 pic.twitter.com/2nc5gX0T3f

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腕をまわします。今、ロイスの左肩に手を置いてますね。S氏の右手はどこにまわってるのでしょう。ちょっとわからない。腰かな。 pic.twitter.com/scg17P4m5H

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右腕の位置がよくわかんない。ところでうしろにある明かり二つが、まさに二人が飛びたたんとする方向に直線を作っているのに気が付くでしょうか。撮影監督、ちゃんと計算してこの構図にしてます。職人です。『２００１』もこの方の撮影です。 pic.twitter.com/njCmSAQcGP

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離陸。滑走路を飛び立つイメージになるよう明かりが配置されているのが心憎い。S氏は右手をどこにまわしているのでしょう。 pic.twitter.com/8xWJPEz2Yh

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拡大。腰、かな。実際にはワイヤーで天上から吊ってるわけですが。 pic.twitter.com/pJ7GSgtJTz

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これを見ると、やはりS氏の右手はロイスの腰でしょうか。 pic.twitter.com/wgVloF7Z4x

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この後、ロイスはS氏の右腕にしがみつきます。 pic.twitter.com/CqlJUoRYYI

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よーく考えるとありえない話です。ロイスが空中に浮いていられるのはS氏の右腕に支えられているから。それが飛行中にS氏の右腕にしがみつくアクションが挟まれるわけです。理屈で考えるとS氏が一度右腕をロイスの腰から離して、その瞬間にロイスがS氏の右腕にしがみつきなおすことになります。

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youtu.be/BRyHuhPf_oY アクションを実際に見てもらったほうがわかりやすいですね。ほら、ロイスが途中でS氏にしがみつくアクションしますよね。するとしがみつくまでのあいだ、どうやってロイスは空中に留まっていたのでしょう。

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しかしながら、ロイス役のマーゴ・キダさんはそのでっかい目玉をフルにいかして、飛行の快感に目覚めていく様を生き生きと演じてみせるため、物理的な不整合なぞ観客は気に留めない。ロイスの心にシンクロしてしまうから。 pic.twitter.com/4uDDypqlA5

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この飛行シーン、斜め前からのふたりの顔のアップが多いのは、空をとべないロイスをS氏がどう空中で支えているのかという物理的難題を曖昧にするためだった、と想像します。

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それがかえって二人の役者の豊かな表情表現力を生かす効果をあげたわけです。

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そして何といってもジョン・ウィリアムズの冴えわたる音楽が、物理的矛盾を帳消しにしてしまいます。

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２００６年の『スーパーマン・リターンズ』の夜間飛行シーンがさっぱり冴えなかった理由もみえてきます。