1943 ザ・バトル・フォア・ミッドウェイ #3
「勝ちます。そのためにここまで来ましたから。世界最強の機動部隊の力を、改めて世界に思い知らせるために」「ああ、可哀想で可愛い瑞鶴。地獄の汚泥で生まれ育ったから、戦火の絶えないこの世界を、とっても綺麗と思ってる愚かな子。大丈夫、お姉ちゃんがちゃぁんと守ってあげるからね?」 46
2014-08-30 23:05:22翔鶴が背中の矢筒から矢を取った。もう鍾馗は操れない。爆撃で魔法陣は壊れてしまった。だけど、いや、"むしろ"この方がいい。負けを認めたがらないわがままなお姫様は、対等な条件で正面からぶつかって、叩きのめさなければ納得しない。「行くわよ。全機、突撃!」 47
2014-08-30 23:08:42弦音と共に、翔鶴の艦載機が飛び立った。式神は烈風・そして彗星十二甲型。相手が空中にいる以上、爆撃機で直接爆弾をぶつけるしかない。亜也虎上の空母棲姫も艦載機を展開する。零戦、九九艦爆、九七艦攻。どれも旧式機。だが、動きのキレが違う。翔鶴も目を見張るほどであった。 48
2014-08-30 23:12:03烈風の間をくぐり抜け、稲妻のごとく九七艦攻が迫る!「えっ!?」まだ一発も機銃を撃っていない。翔鶴と妖精さんの意表を完全に突いた、神業の奇襲だった。「翔鶴姉ッ!」艦攻と翔鶴の間に、火線が割って入った。雷撃を中止した艦攻を追って、桜吹雪を纏った零戦が上昇する。 49
2014-08-30 23:15:19「瑞鶴」翔鶴の横に並んだのは、黒い髪を二本に結った、濃紺の道着の少女、瑞鶴。「いきなり建物から飛び出したと思ったら、こんなところで戦ってるなんて、もう!」瑞鶴はところどろこ煤けている。ここに来るために少し無茶をしたのだろう。 50
2014-08-30 23:18:57「ごめんね、瑞鶴。お姉ちゃん瑞鶴が心配で、つい……」「つい、じゃないわよ!翔鶴姉!今日は私も一緒に戦うからね!」瑞鶴も彗星を射出する。目指すは天空の一航戦。妾の子と一方的に蔑まれてきた二匹の鶴が、玉座を目指して舞い上がった。 51
2014-08-30 23:22:23おまけ
ちなみに私はエミール・ラングが好きですが、フォッケウルフまで出すと文字数とか展開とかがあれなので泣く泣く削りました #人類史上最強の1日18機撃墜 #なお歳は30代後半
2014-08-30 23:26:11