芭蕉さん奮闘記

元禄の曽←芭♀妄想。 にょたですので苦手な方はご注意を。 可愛い芭蕉さんが書きたくて始めたはずなのに、思ったより威勢のいいおば・・お姉さんになってしまいましたorz
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はんぺん @hannpenn_29

初めて会った時はえらく顔の整った子だなぁと見とれてしまったものだけど、世話してくれるうちに容赦ない言葉を浴びせられるようになり、ちょっとふざけただけど手まであげるようになるとは・・・恐ろしい弟子だ。と今までの暴挙を思い出し風邪ではない悪寒に震える芭蕉さん。

2014-09-12 23:19:02
はんぺん @hannpenn_29

それでも、他門の人間から句を批評された時にかばってくれたり、夜桜見物に行くと息巻いた自分に薹が立っても夜に女の一人歩きは物騒だとついて来てくれたり、転んで鼻緒が切れてしまったのを膝まづいて直してくれたり、たまに見せてくれる優しさが嬉しくて好きになっちゃったと一人微笑む芭蕉さん。

2014-09-12 23:27:50
はんぺん @hannpenn_29

夕餉をとった後、眠りについたが熱が上がったのか大量に汗をかき始める芭蕉さん。苦しそうな様子を見て、夜中つきっきりで汗を拭い、絞った手ぬぐいを額に当てる曽良くん。 翌朝、芭蕉さんが目覚めると布団の横で手ぬぐいを持ったまま寝入っている曽良くんの姿が目に入る。

2014-09-12 23:41:47
はんぺん @hannpenn_29

布団もかけずに寝たら君まで風邪ひいちゃうじゃない、とだいぶよくなった体で曽良くんに上掛けをかける芭蕉さん。普段は見れない穏やかな寝顔に一晩中世話してくれた弟子への感謝とか嬉しさが込上がって、散々唇と迷った挙句、曽良くんの頬に口づけして自分の布団に急いで潜り込む芭蕉さん。

2014-09-12 23:51:38
はんぺん @hannpenn_29

芭蕉さん♀奮闘記続き→ 風邪が治って以降も、倒れられたら面倒なのでと嫌味を言いながらも、家事やら句会の準備やら何かと気遣ってくれる曽良くんに嬉しくて上機嫌の芭蕉さん。 最近詠むものに恋句が増え、切なさや想いが迫ってくるようだと周囲から賞賛の声があがる。

2014-09-15 22:43:53
はんぺん @hannpenn_29

句会にてまた恋句を詠んだ歳、参加者に「今、恋されているのですか?」と聞かれ、図星をつかれて恥ずかしくなりながらも「どうだろね」とやり過ごす芭蕉さん。 末席に座る曽良くんを盗み見るも涼しい顔で句を書き留めているだけ。何を考えているのか全く読めない弟子に少し焦りを覚える芭蕉さん。

2014-09-15 22:49:12
はんぺん @hannpenn_29

曽良くんへの想いと焦りが募りに募った芭蕉さんは、翌週、近くの境内で行われる秋祭りに曽良くんを誘い、そこで想いを伝えようと決心する。

2014-09-15 22:52:08
はんぺん @hannpenn_29

芭蕉さん♀奮闘記続き→ 人ごみが煩わしいと面倒くさがる曽良くんを飴に団子、天麩羅でつりなんとか一緒にお祭りに行く約束を取り付ける芭蕉さん。 化粧も着物もこれまでの経験上イマイチの手応えだったため普段通りだが、唯一曽良くんからもらった蜻蛉玉の簪を髪にさしてお祭りに出かける。

2014-09-16 23:10:48
はんぺん @hannpenn_29

祭りが開催される神社は参道から屋台や出店で賑わっており、甘い匂いや人の活気にワクワクする芭蕉さん。綺麗な飴細工に目を奪われたかと思いきや、的屋に曽良くんを引っ張り可愛くもない人形をねだり、戦利品を手に戻ると今度は人形そっちのけで鰻の匂いにつられてゾンビのようにフラフラ歩く芭蕉さん

2014-09-16 23:42:33
はんぺん @hannpenn_29

曽良くんに首根っこ掴まれて屋台から連れ戻され「いい年して落ち着きがない」と一喝されたあたりでようやく目的を思い出す芭蕉さん。祭りの最後、奉納花火が打ち上がる頃に本殿裏手の林で告白をお見舞いしてやるんだったと徹夜で考えた計画を必死に思い出して曽良くんのお小言を右から左に流す芭蕉さん

2014-09-16 23:57:52
はんぺん @hannpenn_29

残り半刻程で花火のためか境内は大勢の人でごった返す。足の速い曽良くんに遅れまいと急ぐ途中で人とぶつかり転んでしまう芭蕉さん。起き上がって急ごうとするが鼻緒が切れたことに気づく。慌てて曽良くんを呼ぶが立ち上がった時には人波にもまれて姿が見えなくなり焦る芭蕉さん。

2014-09-17 00:10:29
はんぺん @hannpenn_29

名前を呼んだり人ごみに目を凝らしてみるもすっかり曽良くんとはぐれてしまった芭蕉さん。自分で切れた鼻緒を直そうと試みるも代わりになるような手拭い等を持ち合わせておらず、結局片足は足袋のまま探し回る。 花火が始まっても曽良くんを見つけられず泥だらけの足でトボトボ歩く芭蕉さん。

2014-09-17 00:16:30
はんぺん @hannpenn_29

花火もクライマックスとなり境内が大きな歓声に包まれた頃、ようやく見慣れた後ろ姿を見つけ安堵する芭蕉さん。ところが彼の背で隠れていた若い女性の姿が、弟子が膝まづいたことで目に入り立ち止まる芭蕉さん。声や表情は覗えないものの丁寧に鼻緒を直してやっているらしい姿を呆然と見つめる芭蕉さん

2014-09-17 00:32:39
はんぺん @hannpenn_29

直し終わったのか立ち上がった曽良くんを見て、声もかけずに一人壊れた下駄を手に走って神社を後にする芭蕉さん。庵につき鼻緒の切れた下駄と転んで汚れた着物を脱ぎ捨てたところで簪が見当たらないことに気がづく。失くした蜻蛉玉に弟子の白と青の着物が重なり、我慢してた涙が一気に溢れ出す芭蕉さん

2014-09-17 00:43:03
はんぺん @hannpenn_29

その日以降、庵に閉じこもり曽良くんの前にも、弟子たちの前にも姿をめっきり現さなくなる芭蕉さん。

2014-09-17 00:46:43
はんぺん @hannpenn_29

芭蕉さん♀奮闘記/本日終戦→ 1週間経っても庵に引きこもり状態の芭蕉さん。スランプなのか訪ねても顔も見せないので裏口に野菜や米を置いてきた。朝には米も野菜もなくなってるから生きてはいるんだろ。と笑いながらも心配そうに弟子達が話すのを腕組みしながら聞いている曽良くん。

2014-09-21 00:24:05
はんぺん @hannpenn_29

その日の夕方から庵の裏口に梨の入ったカゴを仕掛けて近くの茂みで張り込む曽良くん。夜も更け、子の刻を過ぎた頃控えめに戸口を開けていそいそカゴを取ろうとした芭蕉さんを捕まえる。 吃驚したのと相手が曽良くんだったことにパニックに陥り、掴まれた腕を振り回して喚き出す芭蕉さん。

2014-09-21 00:33:45
はんぺん @hannpenn_29

そんな芭蕉さんを「何日間もウジウジと、いい加減鬱陶しいんですよ!」と一喝する曽良くん。この言葉に(誰のせいで落ち込んでると思ってんだ!)と怒りが爆発。 「ほっといてよ!」と怒鳴って渾身の力で弟子を突き飛ばし、戸口を閉めにかかる芭蕉さん。

2014-09-21 01:03:26
はんぺん @hannpenn_29

戸を閉め切られる前に片脚を突っ込んで遮り「ほっとけません!」と怒鳴り返す曽良くん。開けなさい!入ってくんなよ!と攻防の末に力ではかなわずに結局上がり込まれる。引きこもって体力が落ちていたところで弟子(成人男性)と力比べしたせいで膝に手をつきゼーハー肩で息をする芭蕉さん。

2014-09-21 01:12:49
はんぺん @hannpenn_29

なんとか息を整えようとしているところに頭上から「他人の鼻緒直してるの見たくらいで落ち込むような面倒な人間ほっとけるわけないじゃないですか」と言われる。気持ちを見透かされていたことに恥ずかしいやらいたたまれないやらで、また息が上がってきた芭蕉さん。

2014-09-21 01:18:57
はんぺん @hannpenn_29

「わざわざそんなこと言いに来たの」と精一杯強がってみせるも「このまま引きこもられては一門の皆さんに迷惑ですし」と呆れたように言われる。自分の気持ちを知りながらも、素っ気ない態度の曽良くんにとうとう涙が出そうになって、あっそ。と背中を向ける芭蕉さん。

2014-09-21 01:31:07
はんぺん @hannpenn_29

何か言わなきゃと考えながらも今声を出したら本格的に泣き出しそうだと焦る芭蕉さん。するとため息混じりに「こんな面倒なの世話できるのは僕くらいでしょう。傍にいますよ芭蕉さん」と後ろから抱き締められる。

2014-09-21 01:39:26
はんぺん @hannpenn_29

あまりの唐突さに意味を飲み込めず、え?と振り向く芭蕉さんに「貴方の傍におります。ずっと」と真剣な顔で伝える曽良くん。言葉の意味とあまりに近い距離に気づき、頭が爆発しそうになって口をパクパクする芭蕉さん。追い討ちをかけるように「あの日のように接吻してくれないんですか」と言う曽良くん

2014-09-21 01:43:37
はんぺん @hannpenn_29

今度はこちらに、と唇を指差す弟子に(バレてる!恥ずかしい!嗚呼、曽良くんカッコ良すぎ!てか昨日風呂入ってないんだけど!ヤバイ!急展開過ぎるよ、こうなるとわかってりゃ念入りに化粧してたのに!)といろんな感情がせめぎあった末に真っ赤になって俯向く芭蕉さん。

2014-09-21 01:47:24
はんぺん @hannpenn_29

俯いたまま黙りこくってしまった師匠を見て「しょうがない。今回は特別ですよ」と顔を上げさせ口づける曽良くん。 唇を離した後一瞬呆けたような顔をし、次の瞬間わああぁあぁぁ!と叫びながら走って行く後ろ姿を見て(ほんとに手間のかかる・・)と一人苦笑する曽良くん。

2014-09-21 01:54:16
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