【リターン・ハルトマン・アン・ハッピー・ターン】#4

うぃんこさん @koiflachuchu

「無意識に対抗して無抵抗！後はヨロシサンに持ち帰り、君をペロペロするだけだな！」ナムサン！このままでは青少年のなんかがあぶない！「……つまりDNAさえ潰せればいいんだよね」「何……？」「ムイシキ！」「グワーッ！」螺旋を描いた二つのハート弾が粉人間に直撃！ 20

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ダンプカーまで吹き飛ばされ、フロントバンパーに激突！これこそ暗黒スペルカード技、DNAの瑕！ハート弾は未だに消失せず、粉人間を苛む！「それと、肩の関節を外したぐらいで妖怪を無力化したなんて思わないでね。こっちの巫女は容赦なく封印してくるんだから」「巫女？巫女ナンデ？」 21

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こいしのコードが両肩に集まり、一気に押し込む！関節を嵌めたのだ！こいしは新たにスペルカードを掲げながらゆっくりと粉人間に歩み寄る！「あなたはいずれ、ヨロシサンごと葬ってやる。お姉ちゃん以外が私に気安く触るな」「……貴様、まさかニンジャスレ」「サブタレイニアンローズ」 22

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数日後、ガンドー探偵事務所。久し振りに帰ってきたタカギ・ガンドーが見たのは、ヤクザクランの手の者に荒らされている己の事務所であった。ガンドーはそれをなんとか倒し、 助手に小さく謝りながらZBR煙草を吹かした。 24

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「フゥーッ……これもオペレイション・マジックモンキーの一部か？敵の顔が見えやしねえ……」「やっほ」突然こいしが姿を現す。「オイオイオイオイ！いたのかよ！よく無事だったな！」「謝るぐらいなら吸わなきゃいいのに。センパイ呆れてるよ」「すまねえ。だが、遥かにいい」 25

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こいしは深くため息をつく。「おじさんはもうダメだ」「ああ、ダメかもな」「私もダメだ。依頼は成功したけど、お金は貰えなかったしヨロシサンの変態ニンジャには目をつけられるし……」「アー……ヨロシサン？待て待て！よく生きて帰って来られたな！そんなにヤバイヤマだったのか！」 26

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こいしは事件の一部始終を話した。シアワセ戻るが服用した人間を全裸中年男性に変えてしまう危険なクスリであったこと。依頼主がその製作者で中毒者であったこと。ディプロマットと共にヨロシサンに侵入し、クスリを全て廃棄したこと。ニンジャを二人ほど撃退したこと。 27

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「それでムジルシのおじさん白い粉人間になっちゃってもう大変だったの」「ブッダ……ZBR一筋で良かったぜ……」「よくない」「冗談さておき、俺もヤバイヤマ抱えてるんだ。ちょっと休んだら出掛けてくる」ガンドーはパイプベッドにその体を横たえる。そしてすぐ寝てしまった。 28

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さらに数日後。ガンドーはこいしに大量の金が入ったアタッシュケースを手渡す。「なにこれ」「当面の給料だ。そのかわり、まだ一仕事してもらうけどな」「しごと？」「キンギョ屋と一緒にバカンスに行ってくれ」「それのどこが仕事なの？」こいしは首を傾げる。 29

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「それが俺のヤマを手伝うことになる。ついでにお前もヨロシサンに追われてる身なんだ。ちょうどいいと思ったんだがな」「ふーん。それじゃ、ありがたくいただくよ」こいしはアタッシュケースを受け取ると、玄関に向かって歩き出す。「カラダニキヲツケテネ」「オタッシャデー」 30

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事務所を出ると、キンギョ屋が大量の荷物を抱えて待っていた。「おじさん、凄い荷物だね」「これからバカンスなんだ！楽しまなくちゃな！」こいしはクスリと笑った。「ニャーンニャーン」「あっ電話だ」こいしはオリンの胸のボタンを押し、通話を開始した。あの機能は脅迫し取り外させた。 31

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『ドーモ、ディープスロートです』『ドーモ、ラナンキュラスです。あれ、美味しかったよ』『味の再現は出来ているようでなによりだ。それで、商品名は決まったのかね？』『んーとね、最初から考えていたんだけど……』 32

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一方ガンドー事務所。ガンドーがデスクの前で助手に謝りながらZBRを吸っていた。「また寂しくなっちまうな……ん？」ガンドーはデスクの上に乗った小袋を手に取る。試供品と書かれたラベルを剥がし、中身を取り出す。それはオカキだった。少し違うのは、オカキに白い粉がまぶしてある所だ。 33

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「オイオイ、悪い冗談だぜ」一瞬薬物の類いだと警戒し、コケシマートのロゴがついていることを確認したのちオカキを食べる。「アーイイ……遥かにいい……」ガンドーは恍惚の表情でオカキを完食し、小袋の内側についた白い粉を余すとこなく舐め取る。ガンドーはコケシ社長に通話を開始。 34

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『おかけになった電話は現在通話中ドスエ』「ブッダ！何で専用回線が通話中なんだよ！続きを食わせろ！」ガンドーは回線をハッキングし、通話を盗聴する。『商品名は決まったのかね？』『んーとね、最初から考えていたんだけど……』「なんだ、コイシか……って待て、商品？」 35

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「もう食べちまったんだけどなあ……」ガンドーは通話が終わると同時に、すぐさま通話を入れる。『ドーモ、こちらガンドー探偵事務所。あのオカキ、ダンボールでよこせ』 この後、ハッピーターンは驚異の中毒性で多くのリピーターを抱え、期待の合法新型ドラッグとなるが、それはまた別の話。 36

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【リターン・ハルトマン・アン・ハッピー・ターン】終