即興お遊び

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めがねやろう @tricktlap

隻騎士のよつゆ姫でゆは様がその国の賢者と呼ばれる存在になるんでしょ?

2014-09-01 20:39:03
めがねやろう @tricktlap

その国は水の帳に護られて長く戦乱の世を生き抜いてきたんだけど、水脈が枯れて少しずつ衰退の道を辿り始める。姫(よつゆさん)は最後の姫とゆは様に預言されてて、隻騎士はそれを受け入れたくなくて必死に道を探るんでしょ?

2014-09-01 20:40:43
めがねやろう @tricktlap

ある日国にやって来た魔女が隻騎士に言う訳ですよ。姫を助けたい?って。魔女を警戒しつつも、隻騎士は毎夜やって来ては密やかに囁く魔女の言葉に少しずつ浸食されていって、とうとう教えを乞うてしまうんでしょ?

2014-09-01 20:42:49
めがねやろう @tricktlap

教えを乞うたことで魂の半分を持って行かれて、隻騎士は時を止めてしまう訳でしょ?どんなに姫の為に殉じたくても死ね無くなっちゃうわけでしょ?よつゆ姫はゆは賢者に隻騎士を助けたいって言うんだけど魔女との契約は既に果たされてしまっているから無理だっていうんでしょ?

2014-09-01 20:44:46
めがねやろう @tricktlap

でも実は手があって、魔女が契約の証としている宝石を壊せばいいんだけど、壊した人間は呪いによって死んでしまうとされている訳で。過去、ゆは賢者に命を救われた使い魔しいちはそれを知ると賢者に内緒で月の無い夜に魔女の石を壊しに行くんでしょ?

2014-09-01 20:46:23
めがねやろう @tricktlap

朝、ゆは賢者が目覚めると使い魔しいちがいなくて、その足取りを魔法で追おうとするんだけど追えなくてまさか、ってなる。でもゆは賢者は国を離れられなくて、探しに行くことが出来ない。そんな中、よつゆ姫がその騒ぎを聴きつけてこっそりと城を抜け出す事件発生するんでしょ?

2014-09-01 20:49:46
めがねやろう @tricktlap

使い魔しいちちゃんは姫がちったい頃から一緒に育った大切な友人だったもんで、姫様必死。私を護ろうとして契約してしまったのだから、私が石を壊して死ねばいいのと必死に使い魔しいちを説得。しかし当然だけれどそんな事を使い魔しいちが受け入れるはずもなく。

2014-09-01 20:51:22
めがねやろう @tricktlap

振り切ろうとする使い魔しいちの目の前に魔女が立ちふさがる訳でしょ?漆黒のローブが風に揺れて、その顔がちらっと見える。使い魔しいちは息を飲むわけです。「何で、あなたが」と。使い魔しいちは魔女の一撃によって消滅、賢者ゆははそれを城で感じ取り、「置いて逝かないと言っただろう」と呟く

2014-09-01 20:53:32
めがねやろう @tricktlap

消滅してゆく使い魔しいちによつゆ姫が駆け寄ると、最後の力を振り絞って使い魔しいちは言う。「姫様、早く逃げて。姫様はアイツの顔を見ちゃいけない」よつゆ姫は消えてゆく使い魔しいちの身体を必死に抱きしめるけれど、腕の中に小さな碧玉を残して消えてしまう訳ですよ

2014-09-01 20:55:59
めがねやろう @tricktlap

城に帰ったよつゆ姫はゆは賢者に「護れなくてごめんなさい」と泣きながら残った碧玉をそっと差し出す。それを受け取ったゆは賢者は使い魔しいちが見た物を読み取り、はっと息を飲む。そしてよつゆ姫に「直ぐに逃げなさい!」と言うけれど、その身体は既に隻騎士の鋭い右腕に貫かれていた訳です

2014-09-01 20:59:19
めがねやろう @tricktlap

薄い水色のふんわりと優しいレースに覆われていたドレスを真っ赤に染めながらよつゆ姫が振り返ると、そこには真っ黒のローブを身に纏った隻騎士が立っていた訳ですよ。「なぜ?」と呟くよつゆ姫を抱き寄せて、隻騎士は小さく笑う訳ですね

2014-09-01 21:01:57
めがねやろう @tricktlap

そこでゆは賢者が言うのですよ。「隻騎士、何を視たのだ」と。隻騎士は通りすがりの魔女により、未来を見せられていた訳です。毎夜彼の元を訪れていた魔女が彼にささやいていた言葉はこの国の滅亡ではなく、姫の末路だったわけですよ。国が亡びに瀕した時、この国の住民たちは水源を蘇らせる為に

2014-09-01 21:03:51
めがねやろう @tricktlap

よつゆ姫の身体を丁寧に細かく切り刻み、その血肉全てを使って国を救おうとする。よつゆ姫は眼球を取り出された瞬間、一瞬だけだけど国を恨んでしまって、その細やかな恨みが水源を汚し国民を全て殺してしまうという、そんな未来。隻騎士は苦悩するわけです。

2014-09-01 21:06:50
めがねやろう @tricktlap

この国を心から愛している姫に、そんな事をさせる訳には行かない。隻騎士は魔女と取引をする訳です。「自分を魔女にして欲しい」と。魔女は隻騎士の心臓半分を取り出して、その空洞に自分の力を埋め込み、これで貴方は魔女となった。死ぬことすら出来ない、最も醜い存在に、と言う訳です

2014-09-01 21:08:18
めがねやろう @tricktlap

魔女は自分と同じ存在、対になる存在が欲しかった訳で。幸せそうに笑う魔女を隻騎士は殺し、その躯を山奥深くへ隠す訳です。あの未来を知っている人間を生かしておくわけにいかなかったので。幾重にも結界を張り、そこに隻騎士は引きこもり、力を上手く使いこなせるようになる時を待っていた訳です

2014-09-01 21:10:51
めがねやろう @tricktlap

そこに契約の石の事を知った使い魔しいちが来てしまい、已む無く殺さざるを得なくなる。顔を見られた事を知った隻騎士は力が満ちるのを待ってなどいられないのだと悟り、その場で姫を殺そうと考えるけれど使い魔しいちの記憶の結晶を持ち帰る姫の背中に剣を突き立てる事はどうしてもできませんでした

2014-09-01 21:13:00
めがねやろう @tricktlap

城に戻った隻騎士は覚悟を決め、よつゆ姫の身体に刃を付き立てた訳です。徐々に小さくなっていく呼吸を頬を寄せて聴きながら、隻騎士はゆは賢者に言うのですよ。「私は絶望を視てしまった。しかし私が選んだ道の果に在るのもまた、絶望でしかなかった」と。

2014-09-01 21:15:56
めがねやろう @tricktlap

死ねない魔女となった隻騎士はこれが自分に課せられた罪なのだと呟くけど、ゆは賢者はその顔に悲哀を滲ませて言うのですよ。「お前の命、私が譲り受けよう」と。ゆは賢者は他者の命を奪い取り、自分の物とする魔法を知っていた訳です。

2014-09-01 21:18:04
めがねやろう @tricktlap

隻魔女はその言葉に目を見開き、腕の中でゆっくりと果て行くよつゆ姫を見ると、よつゆ姫はうっすらと微笑んで隻魔女の頬に口付けを一つ贈る訳です。唇が開いて、「      」それがよつゆ姫の最後の言葉でした

2014-09-01 21:19:49
めがねやろう @tricktlap

隻魔女はその言葉に困った様に笑って、小さい身体をぎゅっと抱きしめました。ゆは賢者は一緒に弔う事を約束し、隻魔女の命を吸い取ろうとする訳です。その時、隻魔女が真っ直ぐにゆは賢者を見つめ、私達の躯を水源の湖に沈めて下さいと言う訳です。

2014-09-01 21:21:39
めがねやろう @tricktlap

その後、水の帳に護られた国は長い長い時間を掛けて国全体が水に沈みました。水源の湖が徐々に水嵩を増やし、国を飲みこんだのです。国に最後まで住んでいたとされる賢者の行方は誰も知りません。しかしどんなに長い年月が経っても、水の帳に護られた国が他国の水源とされることはありませんでした

2014-09-01 21:23:49
めがねやろう @tricktlap

一説によれば、水源の湖には不思議な術がかけられていて、誰一人として足を踏み入れる事が出来ないのだそうです。その国に一番近いとされる小さな村には碧の瞳の子供が年に一度生まれ、その子供は水源の湖に唯一足を踏み入れられる守り人とされるようになりました。

2014-09-01 21:26:06
めがねやろう @tricktlap

碧玉の様に美しい瞳を持った子供達は誰もが水源の湖の守り人になる事を喜んで受け入れたそうです。とある村人が不思議に思い、守り人になるのが恐ろしくないかと問うたところ、子供はにっこりと笑って言いました。「あの場所には生涯に一人と決めた、僕のご主人様がいるんです」と。

2014-09-01 21:27:54
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