ラバウル少佐日誌:AL/MI作戦編序章

艦これ二次創作小説です。 南雲機動及び何人かの軽空母艦娘の独自設定注意です。
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檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

------ラバウル基地、『少佐』艦隊区画内、指令室。(1) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:09:27
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

満天の闇に輝く薄黄色い真円は、ランタンの仄かな明かりの照らす、厳めしいエボニーの机が置かれた一室を覗き込む。 「夜分遅くであったが、御苦労。諸君」 仰々しい言葉を紡いだのは、甲高い男の声だ。(2) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:13:06
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「いよいよ、本日夕刻より本土司令部より作戦要項が下る。我々の許へとそれが正式に届くのは、明日の朝だろうがな」 ランタンの向こう、でっぷりと太って眼鏡を掛けた白い詰襟姿の男は、珍しく何時もの卑しいニタニタ笑いを浮かべてはいない。 (3) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:16:42
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「提督」「分かっている。抜かりは無い、加賀」 部屋の片隅に佇む、青い袴を穿いたサイドテールの女に呼び掛けられた男は、彼女の言が終わらぬ内に答えた。 「提督」「先に言っておこう。ミッドウェー作戦の展開される全海域に於いて、君の旗艦の椅子は揺るがない、赤城」(4) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:24:21
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

青い袴の女、加賀の隣で険しい表情を見せていた赤い袴姿の女へ、視線も合わせずに男は言った。 「提督」「二航戦は一航戦及び僚艦の戦闘補助を命じる。要するに制空権の確保だけを考えろ」 赤城、加賀の向かいに立っていた緑と黄の服を着た女二人は、静かに頷く。(5) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:30:08
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「そして、だ」 執務机の前に立つ2人の女と1人の少女を、男は睨む。 「少佐君、ちょっちいいかい?」 対して、提督と今まで呼ばれていた男を少佐と呼び、問うたのは少女だ。(6) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:34:09
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「隼鷹か?」「錬度でっか?」 「飛鷹を説得出来る言い訳のアイデアは?」「あらへんかったんやな?」 「もうええやろ?」「君の努力不足やね?」 会話は早口で捲し立てる様な、独特の調子であっという間に終わった。 (7) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:38:58
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「今の話で分かっただろう。代役が嫌なら帰れ、千歳、千代田」 少女の後ろに立つ二人の女へ、少佐は言い放つ。 「ううん、いいよ。隼鷹なんかの代役じゃ、私も千歳お姉も役不足だって、教えてあげる」 だが二人の内、茶髪の女の方が不敵に笑んで返した。(8) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:43:34
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「こらこら、千代田ったら」 千歳の妹を戒めるその声の調子は、言葉に反して千代田に同意である事を暗に示していた。 「大した威勢だ。では龍驤(牛飼い)、その『気に食わない』であろう二人と仲良くするのだぞ?」 少佐は、敢えてその言い方を選んだ。(9) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:48:00
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「君がそういう事言うん、何や意外やわ」 「今日は気分が良いだけだ」 龍驤と少佐は、互いに卑しい笑みを浮かべていた。 「艤装が疼きよる……! 早うアクタン島での泥を拭わせい、早う、早う……! そう言うとるんや」 「とちるなよ」「勿の論ですわな」(10) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:54:16
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「では、AL/MI作戦空母機動隊総員」 海軍式敬礼を、その場にいる7人は少佐へ向けた。 ……少佐は、陸軍式だった。 「しまらないわ、こんな時にまで。余計な拘りは捨てて下さい」 「ではお前の陳情に免じて」 陸軍式敬礼を海軍式に、少佐は脇を締める。(11) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 03:59:37
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

「土左衛門共に、地獄を見せてやれ……!」(12) #ラバウル少佐日誌

2014-09-03 04:00:58
檀富良(Dan Fuller) @NGWCTG

【ラバウル少佐日誌】AL/MI作戦編、近日連載予定【気長に待ってて】

2014-09-03 04:05:25