アルファ通信製リアルタイム線量測定システムについて『文科省が数値改ざんを強要し、それを拒否した同社が契約を解除された』とする一部報道が誤りである件のye2cun氏の補足

野々村 @ye2cun

(1/20) アルファ通信製リアルタイム線量測定システムについて『文科省が数値改ざんを強要し、それを拒否した同社が契約を解除された』とする一部報道が誤りである件は、下記リンク先にまとめてあるのですが、補足を20連ツイします。 docs.google.com/presentation/d…

野々村 @ye2cun

(2/20) （先日、急用で都心に行った帰り、休憩がてら東京地裁の記録閲覧室に立ち寄り、ア社製リアシスの現地設置工事を請け負ったTTKテクノがア社に支払いを求めて訴えている件について、裁判記録を閲覧してきました。そこに綴じられていることを述べます）

野々村 @ye2cun

(3/20) 平成26年6月2日、東京地裁がアルファ通信に対する破産手続開始決定、ア社は即時抗告、7月18日、高裁が抗告棄却、ア社の破産が確定しています。 実のところ、ア社は文科省から契約を解除された影響で資金繰りに窮したのではなく、契約をする以前から資金に乏しい状態でした。

野々村 @ye2cun

(4/20) 資金に乏しいアルファ通信は、国の前払い金制度（入札額の4割を限度に国が前払い）を利用しようとしました。このために自社の技術部門を独立させ分社化、ライノテック工業が設立されました（ラ社を前払い金の受け皿にする）。 （ラ社はDoseRAE2を改造した測定器をア社に納入）

野々村 @ye2cun

(5/20) ア社が契約したのは600台ですが、その後に設置される予定の2100台についても目を付けていました。 当初の600台について国からの前払い金制度を利用すると、資金に乏しいことが国にバレてしまい、次は採用されない可能性が高まります。 ここで登場するのがTTKテクノです。

野々村 @ye2cun

(6/20) アルファ通信はNTTの電気通信設備工事を行なっていましたが、NTTのグループ会社を介してTTK東京支店の紹介でTTKテクノを知りました。 TTK（東証二部上場）はTTKテクノの親会社です。 ttk-g.co.jp/ir/news/pdf/h2…

野々村 @ye2cun

(7/20) アルファ通信はTTKテクノに納品・工事業者に対する前払い金の立替払いをするよう要請しました。 ア社は交換条件としてTテクに、①文科省からの支払いを得た後、立替額に5％上乗せして清算払いする、②自社の各自治体へのリース品『じしんたすけ』を担保とする、を提示しました。

野々村 @ye2cun

(8/20) その他、③設置した600台の次年度以降の保守管理の随意契約はTテクに回す、④後に設置が予定されている2100台をTテクが落札できるよう協力し（入札の質疑応答・書類作成のレクチャー、技術的サポート）全台の保守管理の随意契約も回す、との条件も提示しました。

野々村 @ye2cun

(9/20) 条件④は、TTKテクノが2100台を落札し、アルファ通信がリアルタイム線量測定システムをTテクに納入する代理応札の形式で、Tテクの総利益は入札額の15％とすることも示されていました。

野々村 @ye2cun

(10/20) TTKテクノは2100台の落札はともかく、次年度以降の600台の保守点検を担うことにより福島県内自治体との繋がりを築くことができるので、アルファ通信が提示した納品・工事業者に対する前払い金の立替払いを引き受けることにしました。

野々村 @ye2cun

(11/20) リアルタイム線量測定システムの設置工事は、福島県の意向により実際は県内業者が行なっています（下請け）。その他、各種部材等を納入する業者が多くいます。 アルファ通信、TTKテクノ、納品・工事業者が一同に会し、今回の『お金の流れ』について合意しました。

野々村 @ye2cun

(12/20) この計画通りなら、アルファ通信は事前の資金に乏しくても600台（更には2100台）のリアルタイム線量測定システムを製造販売することができ、TTKテクノは立替払い手数料5％（更には2100台落札額の15％）を得て、保守管理も担って自治体との繋がりを築けるはずでした。

野々村 @ye2cun

(13/20) ところが、皆さん御承知の通り、アルファ通信は契約を解除され、国から代金を受け取ることができなかったので、この計画は瓦解しました。 納品・工事業者への前払い金についてはTTKテクノが立替払いをするので、見積書や請求書はTテク宛で作成されています。

野々村 @ye2cun

(14/20) アルファ通信が契約を解除された後、資金回収が困難になると見た納品・工事業者がTTKテクノ宛の見積書や請求書を根拠にTテクに対して残金の支払いを求めました。 Tテクは資金に乏しいア社のために一時的に資金を用立てただけというスタンスなので、支払いには応じませんでした。

野々村 @ye2cun

(15/20) TTKテクノはアルファ通信と（当初、国からの前払い金制度を利用する目的でア社から分社、ア社とは実質一心同体である）ライノテック工業らに代金の支払いを求めて提訴しました。 ア社にはそれに応じる余力があろうはずもなく、ラ社は「当社はア社とは全くの別会社」と主張します。

野々村 @ye2cun

(16/20) ライノテック工業が、国からの前払い金制度を利用する目的でアルファ通信から分社して設立されたことは、ア社とTTKテクノが交わした契約書にも明記されています。 （この期に及んでラ社が「ア社とは全くの別会社」と主張するのは、仲間割れなのか計画的保身なのかはわかりません）

野々村 @ye2cun

(17/20) この複雑なお金の流れの計画が頓挫したことにより、アルファ通信、ライノテック工業、TTKテクノ、納品・工事業者の間において「払え」「払わない」で揉めているというのがこの裁判です。

野々村 @ye2cun

(18/20) この他、アルファ通信が国を提訴した裁判では、ア社は契約解除（平成23年11月18日）以前に全台の設置を完了したと主張していますが、こちらの裁判の記録には、TTKテクノが11月30日に全台の設置工事完了、ア社が同日全台を受領したとする書面が綴じられています。

野々村 @ye2cun

(19/20) あと、現在、アルファ通信製リアルタイム線量測定システムは放置されたままになっていますが、これはTTKテクノが『裁判の証拠になるので撤去要請には応じないよう。撤去した場合は法的手段に出る』と各設置場所の管理者に通告したためです。

野々村 @ye2cun

(20/20) 技術や知識、資金力にも乏しかったアルファ通信が、巧妙な手口を思いつき、身の程知らずの大それたことをしたと知り、改めて驚いています。 また、もしア社の計画が成功し、後の2100台も含め全台がア社製になっていたかもしれないことを、空恐ろしくさえ感じます。 以上です。