東京グランギニョル

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庄司トオル @ToruShoji

(105)切腹つながりで書けば、切腹ビデオを紹介したSMマニア増刊のサバトという雑誌の1号には、ギニョルの団員募集の広告が1P扱いで載っている。初期メンバーの桃山てふさんが、編集に関わっていたと聞いた。この時の写真は、銀星倶楽部のノイズ特集号に掲載されていた寄り目の嶋田久作さん。

2014-09-16 01:45:33
庄司トオル @ToruShoji

(106)丸尾末広氏といい、サバトのようなSM雑誌とのかかわりといい、こういうトレンドの中でギニョル名は広まった。怖い物観たさで劇場へ行くと、よく知っているテクノがかかっており、ロマンチックな展開があり、何よりスタッフが若い女性ばかりなので、これらのギャップが化学反応を誘発した。

2014-09-16 01:45:44
庄司トオル @ToruShoji

(107)ギニョルショックの前にYMOショックがあり、ノイバウテン、ハナタラシ、ギニーピッグ、丸尾末広ショックと続いた。特に少女椿、夢のQ-SAKUの衝撃は大きかった。これだけ伏線が貼られていたこともあってかギニョル初体験時にストックホルム症候群のような奇妙な共鳴が起こったのだ。

2014-09-16 01:45:56
庄司トオル @ToruShoji

(108)ギニョルの伏線としてあった丸尾ショックは相当なものだった。僕は中学でビデオドロームの輸入版を取り寄せていた世代なので、スプラッター映画には免疫があった。しかし丸尾さんは違った。ゴアな衝撃ではない。芋虫とか目つぶしとかの生理的な怖さで、戦前の闇市に放り込まれたようだった。

2014-09-16 01:47:37
庄司トオル @ToruShoji

(109)だからライチが始まった時、今泉さんがナチや特高のような連中に捕まって、ライトで目を焼かれるというシチュエーションでまずどん底に突き落とされた。真暗な中でコンベアのモーター音がガラガラ鳴って鎖がチャリチャリ音を立てていたのも恐怖を煽った要素だった。血糊は大した影響はない。

2014-09-16 01:47:50
庄司トオル @ToruShoji

(110)このシーンの伏線に丸尾末広さんの目にゴミが入った少年がお婆ちゃんだかに舌でとってもらう作品があったが、あの異物が目に入ってくる恐怖感である。スタッフになった友人のKから初めて少女椿を貸してもらった時の初見の嫌悪感は、まさにアナフィラキシーショックといっても差し支えない。

2014-09-16 01:48:27
庄司トオル @ToruShoji

(111)総じてギニョルは、夜の保健室に集まって観ているような怖さがあった。臭いこそないが、自分の記憶にある保健室独特の薬物の臭いや白いシーツ、白衣やマスク、眼帯などの要素が、丸尾末広さんを媒介として頭の中に次々と甦って、脳内でミックスされて観劇中の印象を勝手に増幅させていった。

2014-09-16 01:48:40
庄司トオル @ToruShoji

(112)丸尾末広オンリユーという本に掲載されていた見世物一座の公演を観たことがある。牛の体をした人間のあの写真とまったく同じ一座だ。山猫と呼ばれる婆さんが入口でニコニコと手招きして心底怖かったが観てみるとなあんだという内容だった。これと同じ雰囲気が当時のギニョルの公演にあった。

2014-09-16 01:48:55
庄司トオル @ToruShoji

(113)ギニョルが紙一重で受けたのは、それが本物の見世物小屋ではなく、本物のフリークスが居たわけでも、残酷博覧会をやったわけでもないからだろう。しかし、山猫さんが笑顔で手招きした見世物小屋に入ろうかどうしようか、その入口で躊躇した時と同じ毒気はあった。結局、化学反応なのである。

2014-09-16 01:49:05
庄司トオル @ToruShoji

(114)科学反応のもう一方がタガネさんの叙情的なセリフにあったことは間違いない。最初はものすごいめくらましでどん底に落とされるが、次第に演出が緩やかになっていき、気がつくと少女漫画的になっている(良くも悪くも竜頭蛇尾なのがギニョルの全体構造の印象である)。だから好意も芽生えた。

2014-09-16 01:49:26
庄司トオル @ToruShoji

(115)例えばギャップを感じさせるのは、越さんが機械仕掛けの人形のような踊りをライチに披露するシーン。この時のBGMは細野晴臣さんの『銀河鉄道の夜』の「星めぐりの歌」。両手をLの字に曲げてオルゴールのようなメロディに合わせてカタカタ動き、キリキリとゼンマイ音でピタッと静止した。

2014-09-16 01:49:41
庄司トオル @ToruShoji

(116)観ている最中にこれは名セリフだ、共感できる、と思いながら観ていたのは、ゼラのダイヤモンドのくだり。ライチ誕生前だったと思う。どんなダイヤの原石だって磨かなければ光り輝くことはないじゃないか。この時ゼラはセンターでサスを浴び、その周りをぐるりと黒々とメンバーが囲っていた。

2014-09-16 01:49:54
庄司トオル @ToruShoji

(117)上の方から登場したジャイボは他の学校の生徒という印象があった。制服が違ったので(ビジュアル的な設定だろうが)。グループには属さず、しかしクラブの面々に一目置かれる存在。若い頃の三国連太郎さんとか、アクの強い、大人の〜いや、成長を止めてしまったオスカル少年ぽいイメージも。

2014-09-16 01:50:07
庄司トオル @ToruShoji

(118)セリフの中に頻繁に名前が出たのはゼラ(全員で一斉に呼ぶことが多い)、電卓(ゼラに次いでメンバーによく呼ばれていた)、ジャイボ(光クラブメンバーが口に)、雷蔵(自ら名乗っていた)。タミヤは漢字の田宮だと思っていた。金田も呼ばれていた気もするが強烈なルックスほど記憶にない。

2014-09-16 01:50:16
庄司トオル @ToruShoji

(119)なぜか、ヤコブ、ダフ、ニコが名前で呼ばれていた記憶がない。あれ、あと二人は? 権力を象徴するゼラ、オブザーバーのジャイボ以外、集団は没個性的な演出だった。これは意図的である。だからこそ、最後にタミヤが徐々にイケ面だと分かって来たときのぞくぞく感は、堪らないものがあった。

2014-09-16 01:50:28
庄司トオル @ToruShoji

(120)タミヤはめちゃくちゃクールで、大人しく、相当格好良かった。だが終盤までほとんど個性が分かるようなセリフはなかった。ネルケ版だと初代リーダーということだが、そのような設定の記憶がない。そういえばチェスで負けた後の整列の時に、ちょっとふてくされて微妙に遅れて嫌々並んでいた。

2014-09-16 01:50:45
庄司トオル @ToruShoji

(121)生徒が一列になって手を逆ハの字にしてからパンと一斉に叩く挙動は潜望鏡以外にもあった。そういえばタミヤ、最後の方で皆で手を叩いて四方へ散る時、いやいやながら、でも仕方なく合わせてパンと叩いていたような記憶が朧に甦ってきた。でも露骨にでなく仄かに、一応従っている感は残して。

2014-09-16 01:51:02
庄司トオル @ToruShoji

(122)この時のタミヤ(武井さん)は、ごくせん2の頃の赤西仁さんぽい感じがちょいあった。あと山下智久さんとか。グループには属しているけど、個性が隠しきれず、憂いのあるアウトローで、ちょっとひねている感じ。最初は一緒に踊っているけど、徐々に外れていって最後は脱退を余儀なくされる。

2014-09-16 01:51:15
庄司トオル @ToruShoji

(123)TV版ブラディマンディの九条音弥役の佐藤健さんもギニョルっぽい。個性を消しているメンバーの印象を合体させるとあんな感じ。ついでに、成宮寛貴さん演じるJのソフトな演技は、ちょっと常川さんのゼラを連想した。ゼラのルックスはシャーとかムスカ大佐ぽいが、個人的にはJがイメージ。

2014-09-16 01:51:25
庄司トオル @ToruShoji

(124)ネルケ版の生徒たちは結構個性がはっきりしていて、表情も豊か。滑舌もいいいけど、ギニョルの生徒たちはみんな鳥ガラのように痩せていて、棒立ち、セリフもひたすら絶叫の印象。激しい動きはあるけど、いわゆるプロの躍動感はなくて、巨大なプリッツとか立体化したバーコードのようだった。

2014-09-16 01:51:41
庄司トオル @ToruShoji

(125)とにかくギニョルの生徒たちは制服がブカブカで、真黒、埃っぽかった。つまり仏壇ぽい印象。仏壇か聳え立つ羊羹たち(実際、ワルプルギスでは上野さんがヨーカンって役名だった)。これが気味悪くて怖かった。実際には舞台にはないのになぜか卒塔婆とか、ああいう縦板の怖いものを連想した。

2014-09-16 01:51:55
庄司トオル @ToruShoji

(126)ネルケ版においおいと思ってしまうのは、陽気な女学生とか芸者とかああいう余計なものを出しているところ。ギニョルはスタッフこそ女性が固めているが、実際に舞台上で許されるのは二種類の女性で、成熟した女性(てふさん系)か少年の匂いを感じさせる美晴系女性(マヤコさん美晴さん系)。

2014-09-16 01:52:05
庄司トオル @ToruShoji

(127)真相は知らないし勝手な邪推にすぎないけど、ギニョルが崩壊した理由のひとつに、舞台上に上がらないもう一人の強烈な個性の女性、つまり三上晴子さんをひっぱってきたことだろう。飴屋さんが(たぶん)三上さんの才能にぞっこんで、その三上さんが劇団とかダサいとか言って、たぶん、かな。

2014-09-16 01:52:18
庄司トオル @ToruShoji

(128)だからギニョルの再解釈をしようとした時、少ない割合の女性の捉え方が重要だと思う。メインとなる嶋田さんと誰か(Yさんとかゼラ)の主軸グループとクラブの面々という男性社会に対し、存在が許される女性は髪の長い成人女性と髪の短いボーイッシュな、ピノコ系の不思議ちゃんの2名だけ。

2014-09-16 01:52:27
庄司トオル @ToruShoji

(129)越さんのマリンはヒステリーを起さないピノコちゃんにしかみえず、少年がほぅと絶句するまでのAKBタイプの少女ではなかった。なぜゼラが執心したのか、少なくともルックス的にはよく分からなかったが(可愛くないということではない)「成長を止めた少年」としての理想像を見た気はする。

2014-09-16 01:52:41
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