“低きに合わせる”のが、この国の生存権保障なのか? ~次に狙われる住宅扶助基準と冬季加算の削減~・徳武聡子氏の実況

9月15日に東京で開かれたシンポジウム「“低きに合わせる”のが、この国の生存権保障なのか? ~次に狙われる住宅扶助基準と冬季加算の削減~」 http://inabatsuyoshi.net/2014/08/26/982 について、生活保護問題に取り組む司法書士の徳武聡子(@Satoko_Tokutake)氏による実況。
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徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:公営住宅からの転出者も減少。公営住宅の空き家の供給ができなくなっている。公的借家で家を困っている人を助けるというキャパシティが減少。1951年の公営住宅法制定時は若い人がお金のない時期に住んで、給料が上がったら転出するものだった。転出率も高かった。→

2014-09-15 14:21:58
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:しかし、今は障害者や高齢者に限定しているため転出率も低い。さらに、同じ人がずっと住むのは不公平だということを言いだし、定期借家を導入した。困っている人が多いなら公営住宅を増やせばいいのに、順番に供給するようにしている。おかしいやり方である。→

2014-09-15 14:23:42
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:社宅も減少している。そこに住んでいた人がマーケットに出てくる。木造住宅は老朽化して、火事や地震に対応できない。しかし、そこに住むしかない。重要なのは低家賃で住むところが減っていると言うこと。

2014-09-15 14:25:17
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:唯一増えているのは、世帯内単身者=親の家に住む未婚単身者。この比率がかなりの勢いで増えている。かつて、パラサイトシングルと非難されたが、実は非正規雇用、低賃金で親の家から出ようにも出られない、と言うことが分かってきた。→

2014-09-15 14:26:45
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:最近、低所得の若者に対する大規模調査を行った。6割が親の家に住んでいる。家賃を払えない。フランスとデンマークでは若者向けの家賃補助。親の家から出すための家賃補助で「少子化対策」とされている。少子化の問題は世帯内単身者の増加が原因とさとれているいうこと。→

2014-09-15 14:28:18
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:日本では単身者の若者向けの住宅施策が皆無。公営住宅も単身者は入居できるようになったのに、自治体が条例で制限している。世帯内単身者の増加の原因は住宅政策が全くないこと。公営住宅は入れない、家賃補助もない、家を出るためには家賃補助のある会社に勤めるしかない。

2014-09-15 14:29:41
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:日本の住宅セーフティネットを「親の家」が担っている。/最後に。日本の住宅政策は社会的再分配の役割を果たしていない。破綻しないのは家族や企業があったから。それも壊れつつある。そういう観点で住宅扶助基準の引き下げも見ていく必要がある。→

2014-09-15 14:31:02
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:住宅は建築物。そのような住宅をどのような金額で補償するのか、と言うことを考えなければならない。家賃補助は使途を特定した所得保障。一方で使途無限定でよいという議論もある。しかし、家賃補助は住宅の水準を保つためのものでもある。

2014-09-15 14:33:39
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:一定の水準の住宅にしか補助しないとすれば、家主は住宅の質を保とうとする。しかし、日本の住宅扶助はそうなっていない。これが決定的におかしい。→

2014-09-15 14:34:32
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:国は、住宅扶助基準と一般低所得世帯の家賃を比較している。扶助基準は「上限」だが、低所得世帯の家賃は「平均」。研究者の間では平均値には意味がない。低所得世帯の住宅と言っても様々なマーケットがある。平均値が下がるようにしている。→

2014-09-15 14:36:16
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:さらに居住水準と全く関係ない基準額を出そうとしている。最低居住水準を保障するにはいくらの家賃を出すべきか、と言う議論をすべき。最低居住水準は政府が公式に言っているもので、省庁が違っても守らなければならない。比較するなら、住宅扶助と最低居住水準の家賃額であるべき。

2014-09-15 14:37:33
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:さらに政府は家賃CPIとの比較をしているが、これを比較することに何かの意味があるのか。㎡あたりの家賃は大きな住宅ほど下がる。低家賃の狭い住宅が減っているので、家賃CPIの計算がどういうデータで出てきているのか調べる必要がある。→

2014-09-15 14:39:51
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:住居の質についてデータの出し方もどうか。最低居住水準は面積水準と設備水準があるが、国交省が達成率を出す場合には面積水準を出して最低居住未満の住宅がこんなに少ないとする。しかし厚労省は、こんなにたくさん最低居住水準以下の住宅があると主張する。もっとも、驚いた点。→

2014-09-15 14:42:29
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:国交省は最低居住水準を守ろうと努力してきた。これを決めて以来、公営住宅の水準は急激に良くなった。これを守っていく必要がある。/貧困の問題を、雇用・福祉の問題と捉える人が多い。しかしその前提として住まいの安定がなければ雇用・福祉も巧く働かない。

2014-09-15 14:44:00
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:雇用・福祉の問題の前提に住まいの問題があることを認識すべきだし、低所得者の劣悪な居住環境がずっと改善されてこなかったことにも着目すべき。これまでは経済が良かったので中間層への助力で良かった。しかし経済はそうではなくなった。社会的再分配としての住宅政策を考える必要。→

2014-09-15 14:45:41
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:医療や教育は脱商品化が進み社会的に何とかすべきという認識がすすんだ。しかし、住宅は公的になんとかすべきと言うコンセンサスがすすんでいない。また、住宅政策は投資としての意味が強い。ちゃんとした住宅を造るのは時間がかかるが、いったん造れば長時間使える。→

2014-09-15 14:47:53
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:公営住宅は借金をして造るものだが、いずれ社会に還元される。低所得高齢者が今度増える。年金制度は高齢者の9割が持ち家に住むと言う前提。これからは持ち家を買える人は減少する。非正規雇用の第一世代・1990年代後半に30代だった方々伸すまいが安定するか。無配偶の人も増える。

2014-09-15 14:51:04
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

平山さん:日本では無配偶の人の生活は不安定。結婚と家族でセーフティネットを造ることができなくなる。住宅政策はお金も時間もかかるが必ず社会に還っていく。この点を強調したい。以上

2014-09-15 14:52:28

山脇武治『家賃高騰に悩む被災地からの声』

徳武聡子 @Satoko_Tokutake

再開。特別報告「家賃高騰に悩む被災地からの声」山脇武治さん:被災地で支援した感想などを話す。大震災発生して、宮城県でも全壊の地域。避難所から仮設住宅に入り、再建などはまだ考えられなかった。沿岸部が報道でクローズアップされるが内陸部もかなりの被害。避難所から戻って引っ越しを検討。

2014-09-15 15:10:57
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

山脇さん:最初は引っ越し先もみつけやすかったが、8月9月頃になると転居先が見つからなくなった。住居を何とかしようとする支援が不可能に。後から知ったが、H23年7月頃はプレハブ住宅への入居が多く、見なし仮設はゼロだったが、8月から見なし仮設への入居が増え10月には6万件以上に。

2014-09-15 15:12:42
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

山脇さん:物件が動かなくなる上に、不動産屋どうしのネットワークも機能しない。不動産屋を尋ね歩いても物件が見つからない。合わせて、被害が少なく生活保護で住み続けている人への転居指導が急速に強まった。物件がないので転居しようがない。→

2014-09-15 15:14:17
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

山脇さん:石巻や女川では物件無しの状況は今までも続いている。住居再建支援ができず、仙台に来るしかない。震災の1年後、各地から電話が増える。仙台に行けば仕事があるので行くからアパートを押さえて欲しいとのこと。しかし住居はないので断ることになった。→

2014-09-15 15:15:40