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2010年11月23日

北朝鮮のウラン濃縮施設を巡る問題

11/20のジークフリート・ヘッカー氏の報告(http://bit.ly/e1vQkg)によって北朝鮮のウラン濃縮施設の実態が明らかになった。どうやらこれは朝鮮半島の危機を一段と深めることになりそうである。
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fj197099 @fj197099

へっカー報告で話題の北朝鮮のウラン濃縮施設の衛星画像(http://bit.ly/eHcfc5)。一番上の写真が寧辺(ヨンビョン)と呼ばれる北朝鮮の核施設全体の配置を示す。Nyongbyonで検索すればGoogle Earthでも出て大体の場所が分かるだろうが、写真は古い。

2010-11-23 23:14:36
fj197099 @fj197099

1993~4年の第一次核危機で問題になったのは上の5Mw原子炉と真ん中のプルトニウム再処理施設である。原子炉の燃料棒からのプルトニウム抽出が問題とされたのだ。2002年からの第二次核危機はウラン濃縮計画の暴露が発端であったが、この時は濃縮施設の場所が特定されていなかった。

2010-11-23 23:16:32
fj197099 @fj197099

それに結局、北朝鮮は直ぐに燃料棒搬出&再処理というプルトニウム型の核兵器開発へと着手し始めたので、ウラン濃縮計画の方は相対的にそれほど注目されなかった。今回は違う。ウラン濃縮施設が既に完成していて、北がそれを米国の専門家に見せるほどの進展を見せていたという点が大きいのだ。

2010-11-23 23:17:57
fj197099 @fj197099

その濃縮施設が写真の一番下にある建物群だ。北朝鮮は2009年4月から建設に着手したというが、写真の一番最新のものを見れば分かるように、今年九月の段階では既に青い屋根の建物が完成している。ヘッカー氏はここに連れてこられて2000基というウラン濃縮のための遠心分離機を見せられたのだ。

2010-11-23 23:21:12
fj197099 @fj197099

ヘッカー氏の見たものがダミーではなく真正の濃縮施設だとすると、北朝鮮のウラン濃縮技術がここまで進んでいたということはショッキングであり、事前に兆候をつかめなかったインテリジェンスの失敗でもある。だがウラン濃縮施設は原子炉に比べると建設が容易で情報を事前入手しにくいのも確かだ。

2010-11-23 23:23:16
fj197099 @fj197099

2009年のミサイル発射以降、北朝鮮に対する国連決議に基づく制裁は再び強化されたから、その状況でなぜ施設が完成できたかという疑問は残る。技術自体はそれまでに既に入手していたと見るのが妥当だろう?どこからか?ありそうなのはパキスタンのカーン・ネットワークを通じて、である。

2010-11-23 23:24:30
fj197099 @fj197099

パキスタンのカーン博士はそうした核拡散のネットワークを形成していたと信じられている。断定することはできないが、パキスタン経由で北朝鮮がウラン濃縮技術を手に入れた可能性は高い。何時、どのように、は全く謎に包まれている。国際社会に知られずに核技術の保有が可能であることを立証している。

2010-11-23 23:26:00
fj197099 @fj197099

ところで軍事的に言うならば、北朝鮮が5Mw原子炉の跡地に建設中の軽水炉であれ、このウラン濃縮施設であれ、いわゆる外科手術的な空爆によって破壊することは容易である。この点、北の真意がちょっと疑問で、なぜ軽水炉はともかく隠しやすいウラン濃縮施設まで地上に目立つ形で作ったのかは不明だ。

2010-11-23 23:28:10
fj197099 @fj197099

北朝鮮の核問題を戦争を通じて解決することは不可能と述べたが、それでも最後の選択肢としての予防防衛がなくなる訳ではない。米国にとって軽水炉とウラン濃縮施設(及びプルトニウム再処理工場)はその最優先の標的だ。北朝鮮もそれを重々分かっているはずだ。ならばなぜ施設を隠そうともしないのか。

2010-11-23 23:30:47
fj197099 @fj197099

ここで問題なのは、実はこの施設は北朝鮮にとって最初の施設ではないのでは、という疑問である。ウラン濃縮施設は国内の他の場所にも存在するのではないか。この施設は核能力を証明するための一種の「見世物」的な施設であり、他の場所にも分散して建設されているのではないか。そんな疑問が生まれる。

2010-11-23 23:32:33
fj197099 @fj197099

ヘッカー氏も施設の印象を予想とは全く違う「超近代的で清潔」なものだと書いているが、最初に作る施設でそこまで完成度の高いものが果たして可能なのかは疑わしい。確たる情報はないが、国内の他の地域にもウラン濃縮施設がある可能性は否定できない。だとすれば空爆の効果も限定的になる。

2010-11-23 23:34:21
fj197099 @fj197099

結局、認める認めないに係らず日米韓は事実上、核保有した北朝鮮との「共存」を迫られることになりそうである。故にこちらも対抗措置を通じてその脅威を相殺する他はない。韓国国防相による戦術核の再持込検討の発言はそのような意識で行われたものだ(http://bit.ly/1QGw0c)。

2010-11-23 23:39:55
fj197099 @fj197099

韓国が結局、戦術核兵器を再び国内に持ち込むことになるのか、どんな核兵器をどのように運用するつもりで持ち込むのかはまだ分からない。考えられるのはおそらく空中投下型のB-61核爆弾か空中発射型巡航ミサイルのAGM-86Bであろうが、核反撃の脅しが北朝鮮に有効かも含めて不明な点が多い。

2010-11-23 23:42:07
fj197099 @fj197099

北朝鮮の砲撃事件とウラン濃縮施設の暴露事件は中国の問題を抜きにしても東アジアが極めて危険な安全保障上の問題を抱える地域であることを示している。国家間紛争勃発の蓋然性が世界で一番高いのはおそらくこの地域だ。日本も何時までものほほんと安保アレルギーに浸っていられる余裕はないのである。

2010-11-23 23:44:36

コメント

へぼ担当 @hebotanto 2010年11月24日
軽水炉も濃縮プラントも見せ物(ブラフ)の見方に賛成。付け加えるならば軽水炉建設でウラン濃縮の公然化・正当化を図る一方で、地下施設他での濃縮が脅威。それを忘れるべきではない。
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へぼ担当 @hebotanto 2010年11月24日
付け加えるならば、今回の米国学者への開示は「秘密裏のウラン濃縮存在」疑惑で、実力以上の脅威を見せつける(ブラフにする)のが最大の目的と考える。よって、極めて慎重かつ冷静な対応が必須と愚考。
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へぼ担当 @hebotanto 2010年11月24日
核不拡散上の観点からすれば、2000基も遠心分離機が存在するなら、過去にロシアから輸入したという高強度アルミ材を使い果たしている可能性は高い。ただし、それ以外に入手していないという保証もない。それが脅威。
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へぼ担当 @hebotanto 2010年11月24日
よって、公開の報告書に載っていないような機微な部分が気がかりであると同時に、それら施設に転用されうる資機材の厳重な管理が必要だろう。少なくとも特殊材料やVVVF電源、コントローラは要注意と愚考。
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fj197099 @fj197099 2010年11月24日
ウラン濃縮施設が他にも地下化された形で存在するのでは、との懸念には同意。ただし今回の施設がブラフかどうかは難しい。ヘッカー氏はロスアラモス国立研究所の元所長。プロ中のプロを現地に招いて欺くのは困難だ。北はヘッカー氏の報告で米国にメッセージを伝えたかったのだろうから、その内容は信頼性が高いものでないといけない。施設は真正の可能性が捨てきれない。
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へぼ担当 @hebotanto 2010年11月24日
今回開示されたという濃縮施設について「ブラフ」と個人的に考えているのは、「その施設以外にも…」との疑念を抱かせる点にあるとの考え。少なくともヘッカー氏の眼が節穴と考えているわけではない。それほどプロは甘くない。
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へぼ担当 @hebotanto 2010年11月24日
ただ、ヘッカー氏クラスになれば、外観から分かるある2つの点に注目したはず。それにより当該濃縮装置の技術的水準が評価できる。つまり施設が真正の可能性は高いが、それが長期間の実用に耐えるか否かと言う点。
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へぼ担当 @hebotanto 2010年11月24日
この点が最大の鍵だが、その脅威を明確に評価する事となるため、当然外部には公表されないだろうし、ウラン濃縮工程における最大の機微情報のため、私個人も言外は絶対にしない。
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へぼ担当 @hebotanto 2010年11月24日
繰り返しになるが、私個人は当該施設が張り子の虎と考えているわけではない。ただ、それが長期間の実用に耐えるか否かは別次元の問題であり、それがもう一つの脅威評価であるが、それは決して公表される事がないと愚考する。
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へぼ担当 @hebotanto 2010年11月24日
先に「公開の報告書に載っていないような機微な部分」としたのは、その部分を含んだ考え(他の部分もあるむが、指摘するのは控える)であり、機微故にその点をぼやかしたのであるが、誤解を招いた点についてはお詫びする次第。
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