#完全ノープラン艦これ与太話 【ディープ・ナイト・レクイエム】 #3～#4

春魔解丼 @vespiking

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ディープ・ナイト・レクイエム】 #3 #KZNPLN

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アフターマンはマイヅルの不夜城で悪逆行為を繰り返していた。駆逐艦といえど突然変異のカラテ改善個体、さらにニンジャなのだ。並の深海棲艦を単騎で屠るなど雑作もなかった。世界がモータルに見えた。同時に、己を今まで見下してきた強者の感覚を理解した。 #KZNPLN

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(((そうか……これが強者の感覚か……俺をバカにしていたのも仕方がない。実際俺はバカだった。今の俺は格差社会を理解したぜ。そして俺は教えて回らねばならん。具にもつかぬサンシタどもに、江戸時代のような格差社会を)))「ンアーッ！ヤメローッ！」BLAM！ #KZNPLN

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哀れな駆逐艦娘の頭部を撃ち抜いたアフターマンは、その装備を検める。強力な高角砲だ。(((勿体無し……弱者には相応しくない。社会秩序のためだ)))アフターマンは砲と金品を接収し、孔の空いた頭蓋骨をファックし捨てた。(((なんだ、艦娘も大した事ないな……))) #KZNPLN

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カネを出せば深海棲艦にも物品を売る闇市。カラテをチラつかせれば泣いて許しを請う弱卒。この不夜城において、カネとカラテこそが唯一絶対の秩序だ。欲望を満たし、秩序の階級を登る。アフターマンにとって、この強盗殺害行為はまさにアブハチトラズであった。 #KZNPLN

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最早、アフターマンに逆らう住民など誰一人いない。皆が彼を恐れ、平伏し、気まぐれに殺害してはファックし、カネと装備を得る。極めて円滑なエコノミック循環だ。彼は古事記のニンジャ神話に思いを馳せた。「おい店主。カネだ。そのサケを貰うぞ」「……」「おい、早くしろ」 #KZNPLN

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アフターマンは店主へ、乱暴にトークンを投げつける。「ほら。足りないならまだやるぞ？卑しいモータルめ。俺は持てる者として、おまえたちに富を分かつ義務がある。ノウブレス・オブリージュ。良い言葉だ」店主は無言でサケの瓶を投げた。カタナめいた鋭い眼光がアフターマンを刺す。 #KZNPLN

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アフターマンは発達した脚部で器用にも瓶を掴み、ドボドボと口に流し込んだ。「カァーッ！ペッ！マズイ酒だ！貴様、こんなドブ水をこの俺に渡すのか？」ハガネ色の瞳は動じない。「だが俺は寛大だからな。よく見れば実際美人だ。お前、今から俺のファック奴隷になれ。それで赦そう」 #KZNPLN

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「このサケを要望されたのはお客様です。代金は戴きました。契約に不備はありません」店主は微動だにしない。「ファック！知った事か！こんなにマズイとは思わなかったんだ。商品の説明義務がある！」「……不知火に何か落ち度でも？」「カーッ！大ありだ！もういい！」BLAM！ #KZNPLN

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マズルフラッシュと共に、桃色髪の店主は後方へ吹き飛んだ。「ハァー……ハァー……ヒ、ヒヒヒ……大人しくしていれば、命は助けてやらんでもなかった。まあいい、どうせ俺の得る物は変わらんのだ……」アフターマンはじりりと店主へ歩み寄る。その時。「イヤーッ！」「グワーッ！？」 #KZNPLN

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店主の船体が突如跳ね起き、アフターマンの顎を蹴り上げた。ガリリ、と音がし、店主の歯の間で砲弾が砕けるのを見た。ゴウランガ！砲弾を歯で止めていたというのか！？「このタマ、不味いですね。返金は結構。これでイーブンです」「ズ、ズカタッキェー！」 #KZNPLN

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アフターマンは不知火の頭部へヤリめいたサイドキックを放つ！「イヤーッ！」不知火はチョップでこれを弾き、体勢を崩してサブミッションをかける！「不知火に何か落ち度でも？」「フ、フザケルナーッ！グワーッ！」「不知火に！何か！落ち度でも！」「グワーッ！グワーッ！」 #KZNPLN

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「イ、イヤーッ！」不知火は第六感めいて筋肉の脈道を察知し、瞬時にバックフリップ離脱。コンマ1秒後、アフターマンの防御火力が一斉に砲火を放つ！「……チッ」不知火がザンシンした時、既にアフターマンは向かいのビルの壁面を駆け抜けていた。常人の3倍近いニンジャ脚力で。 #KZNPLN

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(((ファック！何だあの女！美人だからって調子に乗りやがって！いつか殺してファックしてやる！アンブッシュで殺してやる！)))アフターマンは憎悪のままに駆け抜けた。この不夜城で、己が頂点だと過信していた。否。今もそう信じているのだ。故に縋るのだ。己のカラテに。 #KZNPLN

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不知火はタバコに火をつけ、再び闇市のカウンターに座った。来客だ。「オネーチャン、このサケくれよ」「……マズイですよ、これ」「かまわねー。そのニオイが欲しいんだ」不知火は来客に瓶を投げた。「アレ？お代は？」「……さっきの方から、二人分貰ってます。お連れ様でしょう？」 #KZNPLN

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パーカーの女は歩きながら意気揚々とサケをあおり（マズイ！と叫んで吐き出した）、ニンジャ嗅覚を研ぎ澄ました。断片的なパン屑でしかなかったニンジャの轍が、明確な線となって、女の行く先を導いた。轍の合流は、近い。 #KZNPLN

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不知火は女を見送ると、先程から震えていた無線IRC端末を取り出し、通話を受けた。「不知火です。エエ。接触しました。ニンジャ2隻。そのうち1隻に減るでしょう。エエ、ハイ。滞りなく。時津風を借ります。早霜には監視を続けさせて下さい。では総司令、ご武運を」 #KZNPLN

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不夜城の楼閣で、2色髪の駆逐艦が通信機のスイッチを切った。「……私は、どうします……？ウフフ」「いーよ、そのまま続けな。時津風、お前は行け。B区画で不知火と合流しろ」「ドッソイ！」ゆうに3mはあろう巨大な駆逐艦が、巨体をぐらりと持ち上げた。 #KZNPLN

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2色髪の駆逐艦は巨大駆逐艦の退室を確認し、執務机にどかりと腰を落とす。軍執務室の内装に明らかにそぐわぬ、ターンテーブル音響機材を満載した奇妙な執務机に。彼女は機材を起動する。不夜城の楼閣に立つ厳しい電波塔から、強大な出力の違法放送電波が汚染大気に飛び散った！ #KZNPLN

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「ヘイ！ヨー！元気にしてたかキョートのクソ共に、黒肌のカス共ォ！待たせたなァ！今宵も来たぜマイヅル・ローズ・レディオ！待ってねェ？知るか！聞け！ヨコスカ生まれのゴミ溜め落ち！マイヅル鎮守府総司令、長波少将サマがお送りするぜェ！」 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ディープ・ナイト・レクイエム】 #3終わり。#4へ続く。 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ディープ・ナイト・レクイエム】#4 #KZNPLN