【詩のレシピ３】ツイッター連詩　＃pwGT組　始まりました。

春森しゆう @junju_usako

夢か現かわからない赤い触手が伸びている。 ハを持たぬ顔がきれいなところだけを見せようとしている。 誰かに植えられなければそこにいられない。 好かれても嫌われても、もっているものしかみせられない。 煙に巻かれて抱えている手。 温かさを知らないまま。 （詩のレシピ３）#pwGT組

山崎みふゆ @mifuyu_yamazaki

あれは他人の夢だったのかと 煙草を燻らせ　呆とする。 換気扇に切り刻まれ散っていく煙が昇っていくのは まだ夏の青が残る空 【詩のレシピ３】#pwGT組

梁川梨里（やながわりり） @riri_yanagawa

深い森の奥の湖で歌う白鳥の夢を、左手のない夢を、みてはいけない 夢の足跡を探しあてることが日課になるとわたしは自由に服を選べなくなり、だから本を破り捨て その火でサーモンを燻製にした 立ち昇った夢の粒子は世界を巡回し誰かの記憶に降りてくる （詩のレシピ３）#pwGT組

末松 努 @dejodajo

逃げも隠れも、しない、できない 誰からも、私からも、ここからも 煙がエントロピーを演じる舞台に 集う観客たちは大胆に囁き合う 映画は夢でも舞台は現実 貘の餌は朧気な果実だけでいい 言葉を手放さず生の問いを続けよ 夢幻の境を彷徨う群れの中で (詩のレシピ3) #pwGT組

山崎みふゆ @mifuyu_yamazaki

煙 解析 夢 ユング 夜 空 決別 漂う 先 の （詩のレシピ３）#pwGT組

梁川梨里（やながわりり） @riri_yanagawa

抱えた頭、手が滑って落ちた 首なしの身体が煙みたいに 空にぽっかり浮かんだまま どんどん小さくなる、のを腹 を抱えて笑った 抱える、ために腹を割ったのは この白い昼の夢を誰かに 伝えたかったから 黒い夜の夢を記した本が 未来の私を創作する （詩のレシピ３）#pwGT組

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

hysteric☆ハレルヤ！ 烟るその他の類語に享年を知ることがあったなんて！ 口唇欲求に塗れた僕達のmic カクセイせよ！ 裏側で進行する病状はdoneと 撓んだ棗の赤い実は林檎に似た味がする だれから教わったのだっけ？ 垂れた乳房でも乳房は乳房で （詩のレシピ３）#pwGT組

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

脂臭い指をしゃぶる午睡の中 甘い声がカフェオレに渦を巻く 飲めるひとはいない誰も 卒塔婆が立たない土地だね アスファルトに流れる水に虹をみつけた ぽっかりと開けた黒い口から蟻がまた溢れだして 私はようやく安心する あなたが私を啄みつくす前に、渡る （詩のレシピ３）#pwGT組

☆MIKAKO☆ @1108_kaori

土は燃えないゴミ 骨も燃えない シハ？ コップからはみ出た穴 あら、そこは キミの胸の穴 ドク ドキ 原始マネー ドキ ワク 底には燃えない水 ねぇ 呼び止めれば しゅっぽ しゅっぽ 爆ぜてゆく （詩のレシピ3）＃pwGT組

二匹の猫は互いに同時に存在する。 @zwei_katzen

痩せた背中の肋を階段にして やがて辿り着くだろう 空の一番低い部分に手をのばす 不随意が喜んで軋み再掘されていく 仙骨の丸みを思う 晩御飯はよく煮込んだシチュー 鍋いっぱいに作って ローズマリーの花が咲いたよ 香り立つのは 行く先の虚無か しらない （詩のレシピ３）#pwGT組

中村 みゆき @sarajyu_m

睡眠帽子(スリーピングハット)装着セヨ モニタリング開始 【寝落ち】 警告。モニタリング不能 夢まで監視されるシャカイの ユートピア の 計画、ケイカク、計劃… 正義とセイギがぶつかるセカイで 自由意思が踊る 僕はボクであり 君はキミであり (詩のレシピ3) #pwGT組

akutsu ayumu ꪔ̤̮" @ayusuke_

どうせなら心ごと持ち去ってほしかった。残された地上と肋骨、縺れる煙のようにフィルムを束ね先端を擦れば痴情の音が巻き戻る。神は夜の焼け野原でみつかるだろう。存在の逆光、秋薔薇、眩暈とともに （詩のレシピ３）#pwGT組

かとう たか @taka423kato

僕たちは毎晩、あの悲しい家に火を放ち、僕は毎晩、国境線の向こう側に君を置き去りにする。夕刻、君に纏わる全てが輝いていた。その唇がフィリップ・K・ディックの小説を引用する。「あなたの言葉の中には、何か定義できないものがあって、それが欲望を掻き立てる」 (詩のレシピ3) #pwGT組

上野江来晴 @UEraharu

微かに香ばしく 煙が立ち上ると 焙煎機のドラムを揺らし シナプスが転がった 三角関数のシータを深煎りに染め ほろ苦い関係を抽出する 目覚めのカップをすすりながら 倹約家と節約家は どちらがより貯蓄家かで争っている もう一人の心理学者が覗きこむ （詩のレシピ３）#pwGT組

御砂糖の妖精☆森朱鞠。 @goldeneyelulu

おしゃまなあの子は眉上げてMiss.フロイト ユング派の分析医はイレイザーヘッド 花瓶に花を生けましょう お父さんが死んで顔の似ているわたしが残った テレビが流れている 芸人の話が退屈だ あれがお父さんなら違う ちらり鏡をみてコスモスを生けようよ (詩のレシピ3) #pwGT組

山崎みふゆ @mifuyu_yamazaki

動く絵 動かない画 それでも星は流れない 揺蕩う煙は途切れて消える 二人の会話も 時間も 絆も 夜空に流れて 途絶えて 消えて それでも星は瞬いて （詩のレシピ３） #pwGT組

末松 努 @dejodajo

夢みて 夢を見る 醒めた夢に 目を覚ます 遠く 蜃気楼の映る空気の 摑めぬ波紋 描かれぬ色彩 キャンバスは 本当は何色 スクリーンは 本当は何色 燃やされた ゆめ 引き裂かれた ひと 映し出されることはない言葉を そこに記して (詩のレシピ3) #pwGT組

akutsu ayumu ꪔ̤̮" @ayusuke_

彼岸花みたいなおんなだな。線香花火みたいなおとこは言った。われわれという彼らは一九三九回目の九月に二十三度の水を零す。赤は冷えず青は露わに沸いた。あらゆる他人は他人だったと夢を改竄すれば同情を買えるとでも？黒を鋭利に焦がせ。それだけが休符を赦すから （詩のレシピ３）#pwGT組

ハァモニィベル @ymnoch

《精神は驚くべき禁止命令にさらされている》 裏通りにある古い小洒落た店「バタイユ」の入り口に、そう書かれていた 美のまえにただ、ひたすら 耐えることができないとしたら 金閣寺をエロティシズムで燃やすほどの 《人間は人間自身を恐れている》から (詩のレシピ3) #pwGT組

雨粒あめ子 @amagasa_sasite

白々しい空に消えゆく浅い眠り。どうでもいい誰かさんのきらきら輝く夢だって、数年後には悲しい歴史に塗り替えられるんだ。他人の希望はぼくたちの絶望に似ていて、奪いたくなる、いつも。排気ガスにまみれたタイムカプセルは、埋めたことさえ忘れていた。 (詩のレシピ３) #pwGT組

akutsu ayumu ꪔ̤̮" @ayusuke_

どうしてこの手が美しいものをつくれるなんて願ってしまったのかな。物語はいつもそんなくだらない嘆きから始まらない。頭は火曜に棄てた。剃刀は金曜に。可燃物だけが残った今夜、脊髄から火を放つ。生き残れたら書ける気がした、すべて蹴散らした後の再会について （詩のレシピ３）#pwGT組

春森しゆう @junju_usako

痛い。居たい。言いたい。ことばかり 見せつけられるから 夢であれと願う。 波、波、揺られて、降りたくない。 遠くの煙はとても白い。 そんなにもいろいろを抱えているきみはわたし。 痛い。居たい。言いたい。ことばかり。 （詩のレシピ３）#pwGT組

林明乎 @acico55

寝椅子の上で足を汚す。黒い黒い泥。ふるいいきもののしがい、と声が言う。何百年か後にはすべて過去と呼ばれるものになる。今まで同じに。 視点はどこに。常に当事者ではいられないよ、常に一人称では書けないのだから。 目を閉じたまま丘を越えようとしている。 （詩のレシピ3）#pwGT組

akutsu ayumu ꪔ̤̮" @ayusuke_

あなたは言葉を刻むために台所に立つのだろう。薬缶からも銀杏切りからも魚の骨からも飛べるよと白紙は燃える。 三階で出逢った。弱火の午後に。二度目は夢。尾頭付きの。一篇の焼け跡を読みたい。またね、 （詩のレシピ３）#pwGT組

藤 一紀 @mazurow

わたしたちのなかのわたしたちでないものがわたしたちを 唆したとするならもう、そうなのだ ひとつの選択が見知らぬ予言を叶えるように。 乳呑み児のように煙草をくわえて、解けてゆくのもファンタジーかもしれないが、 けむり。 それ以外になにがある？ （詩のレシピ3） #pwGT組