悪夢を文字にしてみたら……
悪夢を見て目覚めたのですが、2度寝するには微妙な時間だったので、怖さを紛らわすために、悪夢の内容を軽く文章にまとめてみました。オチはありません。
- yuta_hayakawa
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Yuta Hayakawa
@yuta_hayakawa
ある男の退職の日。長年勤めた会社をなにかに追われるように飛び出す男。男に続いて滝のように溢れる人々が折り重なり、画面は血で染まる。男は振り返らず走る。いつの間にか駅のロータリーにいた。甲高い声の女に追われる男。駅に吸い込まれる男、そして女。女だけが戻ってきた。笑い声を残し、暗転。
2010-11-25 05:17:54
Yuta Hayakawa
@yuta_hayakawa
140文字で悪夢のプロットを説明するとこんな感じ。駅に着くまで、男は一切リアクションしないけど、大小様々なスプラッターな出来事がおこってる。その反面、談笑しながら歩いてる人たちもいて、まるで男の日常が切り取られて現実世界に貼り付けられたかのようである。音は聞こえない。完全な無音。
2010-11-25 05:29:34
Yuta Hayakawa
@yuta_hayakawa
「ある男」は背が高く、口ひげを生やしている。髪には若干白髪が混じっているが、それほど高齢ではない。上下グレーのスーツ。手入れの行き届いた長年愛用しただろう茶色い革靴。手には鞄を持っていたが、駅のシーンでは持っていなかった。どこかで落としたのだろうか。あるいは……。
2010-11-25 05:36:35
Yuta Hayakawa
@yuta_hayakawa
「女」は比較的小柄。遠目に見れば中学生程度に見えないこともない。上下シルク生地のパジャマのような姿。白い衣装。女のものと思われる笑い声が聞こえるが、表情は憂い混じりの微笑。視点は男を静かに見つめているが、駅から一人戻ったときは、こちららを見つめている。暗転のその瞬間まで。ずっと。
2010-11-25 05:45:16
Yuta Hayakawa
@yuta_hayakawa
全体を通して「ある男」と「女」だけがカラー。取り巻く現実はモノクロームで時折ノイズが混じる。まるで年代物の映画をスクリーンに映し、その手前に「ある男」と「女」がいるみたいにも見える。全体的に「怪談 新耳袋」の世界。スプラッター要素がなければ、芸術的な美しささえ感じる。
2010-11-25 05:55:24