たらればさんの『PSYCHO=PASS サイコパス』考察

たられば @tarareba722

『PSYCHO-PASS サイコパス』最終話まで見終え、友人も見終わって「もうネタバレ考察書いてもいいよ」と言われたのだけど、根っこの部分がうまくまとまらずにうなっています。「法が人を守るんじゃない、人が法を守るんだ」っていうセリフ、これ誰かからの引用なのかなあ。

たられば @tarareba722

@kusikurage おお。レ・ミゼラブルは近代法の観点から転換点となる作品なので（「人が悪い」から「環境が悪い」へ）いろいろ共通点が出てきそうですね。あ。「宜野座さんはなぜメガネを外したか」、私もメモに書いてありましたw お父さんに最期に「目元が似てる」と言われたからですね。

丹治吉順 a.k.a.朝P, Tanji Yoshinobu @tanji_y

脚本、虚淵さんから交代かあ…＞「PSYCHO-PASS サイコパス 2」、ノイタミナで10月9日放送スタート - ねとらぼ nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/14… @itm_nlabさんから

たられば @tarareba722

いくつか伏線となり得る仕掛けがありましたが、キチンと回収できるのか心配ですよね。RT @tanji_y: 虚淵脚本偏愛状態でアニメ・ドラマを見ている自分としては、けっこう胸に穴があいた気分。

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まどかマギカって何やかんやでどっか「全ての少年少女達に捧ぐ」的な所あるじゃない。だからこその「Don't forget ~」でしょう。それが叛逆ではほむらという極めて特殊なキャラクター1人の物語になってしまった。

たられば @tarareba722

前RT、それはTVシリーズがまどかさんの物語、つまり博愛を描いたものであり、劇場版がほむらさんの物語、すなわち偏愛を描いたものである以上、そうだろうなあ…。。という思いを強くしました。

たられば @tarareba722

虚淵さんは「大きな正義と小さな正義の対立」を好む傾向があって、だからこそ『まどマギ』では「博愛と偏愛」を描き、『サイコパス』では「組織と個人」を描いたのだと思う。シビュラが徹頭徹尾「最大多数の最大幸福」を貫いたのは、槙島さんが個人的な快楽と感傷に執着したのとパラレルにあります。

たられば @tarareba722

『サイコパス』の見所のひとつって、「犯罪」を「病気」として捉えているところなんですよね。本当は犯罪も病気も非常に社会的な存在なのだけど（何が罪で何が病かは社会が決めるものです）、病気は犯罪よりもずっと「個人的なもの」と認識されやすい。つまり国家や社会がより管理しやすいと。

たられば @tarareba722

『サイコパス』は最終回に「気合いを入れて観察しないと見つからない仕込み」が集中してて（ザッと数えて６つくらいあった）、あれはほとんど制作サイドの「こういうの好きだろ？」というメッセージだと受け取りました。いやまあ大好きですけどね。

たられば @tarareba722

少し時間があったので『サイコパス』の感想をつらつら書いていたのですが、どんどん「物語論」みたくなっていって、収拾が付かなくなっています。ぐぬぬ。作品に戻ってこなければ。どうまとめるんだこれ。

たられば @tarareba722

本日これから『PSYCHO-PASS サイコパス』（第１期TVシリーズ）の感想を呟いていきますので、未視聴の方、興味がない方は、お手数ですが毎度のように、ミュートかリムーブをお願いいたします。20ツイートくらいをメドに呟きます。長っ！　すみません！　規制大丈夫かな。。。

たられば @tarareba722

なお私、基本的にどんな作品も「一視聴入魂」タイプで見直さないのですが、本作の最終話だけは２回見直しました。常守さん早口。あとメモ代わりに取ってた感想ノートが15ページに。どうすんだこれ。それでは、いざ。

たられば @tarareba722

①まず私はこの『PSYCHO-PASS サイコパス』を「21～22話を楽しく見るために１～20話がある」というふうに見ました。本作は随所にペダンチックで冗長に見えるシーンが多いですが、それは21話と22話をより劇的に見せるための演出だと考えると、より楽しめるのではないでしょうか。

たられば @tarareba722

②以下まずは最終話の「仕掛け」について。まず宜野座さんが墓参りに行く場面、征陸さんの墓前に（狡噛さんに渡した）セーフハウスのキーが映ります。事件後に狡噛さんが墓参りに来たか、宜野座さんと会ったんですね。宜野座さんは狡噛さんの逃走手引きをしたのかも。そら犯罪係数も140いくわな。

たられば @tarareba722

③次に槇島さんがトラックで逃げるシーン、常守さんが荷台に取りすがるのを見て、狡噛さんが「朱！」と名前で叫びます（以前は「あんた」）。たぶんこの一回が最初で最後でしょう。このシーンの直前で「法が人を守るのではない、人が法を守るんです」というやり取りをしたからと考えられます。

たられば @tarareba722

④そして槇島さんが銃を拾い上げ、引き金を引くも弾切れ→「そうか、君は…」というセリフは、３つの解釈ができます。Ａこの時初めて、踏みつけてる相手が以前目の前で友人を殺した管理官だと気がついた。Ｂ残弾がゼロになる覚悟でタイヤを撃ち抜いた→あとから追ってくる狡噛さんを信頼していた→

たられば @tarareba722

⑤最終話冒頭で槇島さんは狡噛さんに「そんな（孤独な）君が、僕の孤独を笑うのか」と言いましたが、常守さんが居ることで「狡噛は自分ほどには孤独ではない」と悟った。Ｃ常守さんを、自分と同じ「免罪体質者」ではないかと思い至った→つまりシビュラにとって新たな脅威となる可能性を認識した。

たられば @tarareba722

⑥いっぽう狡噛さんに撃たれる直前に、にこりと微笑む槇島さん。この笑顔は、狡噛さんに「僕の代わりは見つかるか？」と問い、「もうゴメンだ」と言われ、自分の代わりはいないと確信できたからですね。槇島さんはこの時初めて「少なくとも狡噛さんにとっては、誰にも代わりの効かない人」になれたと。

たられば @tarareba722

⑦そして狡噛さんが映る最後のシーン（文庫本が置いてある場所）ですが、これ「船室」（窓が丸い、汽笛が聞こえる）ですね。この汽笛、何気に１話のオープニングでも聞こえています。これは狡噛さんが「出て行く」という暗示ではなく、「戻ってくる」という暗示ともとれます。どちらなんでしょう。

たられば @tarareba722

⑧この「エンディング間近にオープニングで使った記号を盛り込む」という手法は、『まどか☆マギカ』でも使われていました。『叛逆の物語』の最終シーンと同ＴＶシリーズ第１話では、ともに「廊下でほむらさんがまどかさんに、答えの難しい問いを投げかける」というシーンをパラレルに描いています。

たられば @tarareba722

⑨これらの仕掛けのさらなる深読みは、皆さんそれぞれにお任せします。私もどこかに見逃したものもあるでしょうし。さておき、ここから少し大きい話をします。まずこの作品のテーマは何か。そして作者はなぜこれまで列挙したような「仕掛け」を施したのでしょうか。以下、私の考えを述べます。

たられば @tarareba722

⑩まずシビュラシステムが目指す「最大多数の最大幸福」は、「個人」を砂粒のように考えないと成立しません。そこでは「個性」はバグとしてカウントされ、枠からはみ出たものは研究対象、成長要素として取り込まれる「要素の一つ」でしかない。これに対抗するには「より個人的な体験」しかありません。