【ただ一度の永遠・番外編】ヒーロー

弱虫ペダル二次創作 荒北逆行話・番外編 東堂VS宮本話 その2
15
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

東堂誕妄想SS 『ただ一度の永遠』から東堂VS宮本 2 宮本雅巳にとって、東堂尽八というのは、まぎれもない天敵だった。 年下のくせに、口が回り、更には正論をぶつけてくるという非常にこうるさく厄介な相手で、一見したところとても礼儀正しいので皆が東堂に味方する。

2014-08-16 09:37:57
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 何よりも気に入らないのは、彼が興味をもっている荒北靖友の親友というポジションを絶対のモノにしているところだった。 東堂自身も自分が一番近しいと思っているだろうが、それを荒北本人も認めていることが何よりも腹だたしかった。 「なんで?」 「え?」

2014-08-16 09:39:50
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「だから、なんでぱちくんとやっくんが仲良いのが気になるのさ」 同僚である笹屋は、すっかり荒北と東堂を気に入っていて、行平と二人、まるで兄のようなポジションにおさまっている。 二人も、笹屋や行平とはクラブのメンバーに接するようにフランクだった。

2014-08-16 09:44:07
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon それほど何度も会っているわけではないのに、笹どは既に「ぱちくん」「やっくん」呼びで、二人もそれを受け入れている。 宮本がそんな風に呼んだのなら、荒北は冷ややかにスルーするだろうし、東堂にいたっては、あの黒いGを見るような目で宮本を見るに違いない。

2014-08-16 09:46:42
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「なんでって、あれ?」 「……おまえがそれだからぱちくんはおまえを危険視するんだよ。だって、正直、おまえ、気持ち悪いもん」 「き、気持ち悪いって」 「あのね、普通さ、年上の男にわけわからん執着されたら気持ち悪いよ。やっくん、わりと無頓着だし」

2014-08-16 09:50:29
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon ぱちくんが気にするのはわかる、と笹屋がうなづく。 「だっておまえ、ちょっと冷静になって考えてみな。自分のやってること」 「オレ、別に何もしてないっすから」 「何もしてない人間が、宿舎まで押しかけるとかないから!」 「あれは、話したかっただけで!」

2014-08-16 09:52:37
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「でも宿舎まで押しかけるのはやりすぎ。それに、一緒に食ってるわけじゃないのにじーっと見つめられてたりとか気持ち悪いから!」 「見つめてませんから!!」 「無意識?無意識なの?おまえ。何それ、怖すぎる」 「オレはストーカーじゃねえっ!」

2014-08-16 09:54:11
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon どんな誤解をうけているか知らないが、それではストーカーみたいではないか!と思った宮本は宣言する。 「あ、それそれ。おまえ、わりとストーカーっぽい」 なのに、あっさりと笹屋は言った。 「え?」 「みんなそう思ってるから」 「みんなって?」

2014-08-16 09:56:02
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「うちのチームの人間とあっちのクラブの人間と、その関係者。山下さんだって最後まで心配していたから」 「最後までって、別にコーチは死んだわけじゃないでしょう」 「だから、ウチにいるときの最後までだよ」 ヘッドコーチだった山下は去年、チームを離れた。

2014-08-16 09:59:46
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 『ウチの金の卵たちのために少しでも道を整えておいてやりてぇんだよ』と笑った彼は、今は、欧州に渡っている。 クラブの方を信頼できる人間に任せ、ベルギーの小さな街であいも変わらずコーチをしている。竹下とは今も太いパイプでつながっていて消息は絶えない。

2014-08-16 10:04:04
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon チームスポンサーの一つが竹下で、さらにチームから数人が練習生として海を渡っている。『ツールドフランスに出場するための世界を見据えたチーム』を日本人の手で作るというのが彼らの目標だという。 宮本にとっても海外で走ることは夢だが、練習生としてではない

2014-08-16 10:13:05
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 走るのならプロとしてだ、と思っている。 山下たちは、三年以内にプロコンチネンタルチームとして認可されるチームを作ることを念頭においているという。 選手の大半が日本人でなかったとしても、それは日本のチームといっていいのかもしれない。

2014-08-16 10:15:16
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon そして、そういうチームなら自分にもチャンスがあるだろう。 (山下さんが、あいつの為にチームを作ったのなら、そこに行けば一緒に走れるだろう) そして、その為にはそれなりの成績ではダメだ、と思う。 (日本でぶっちぎりの成績をとらなければ……)

2014-08-16 10:17:19
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon たとえば、一昨年、荒北や東堂が熊野で残したようなリザルトが必要だろう。 それは、数字的には特筆すべきタイムではなかった。 豪雨の中のレースだったからタイムはあまり伸びなかったし、平均タイムも例年と比べるとかなり悪いものだった。

2014-08-16 10:22:10
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon それでもそれは、半ば伝説じみた噂になるほどのものだった。 初めてその話を聞いたとき、宮本は驚きすぎて何もいえなかった。 けれど、心のどこかでは、「ありえる」と思っていた。 どんな無茶なことでも、荒北と東堂ならやりそうだったのだ。

2014-08-16 10:25:05
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 世間的には誰もが優等生というだろう態度の二人だったが、ただの優等生なんかではなかったし、荒北はかなりのギャンブラーだった。 all or nothing 勝つためにすべてを捧げ尽くすことを厭わない荒北の姿に、宮本はいつも何といっていいかわからない

2014-08-16 10:29:40
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon それは自分にはないものだった。 もしかしたら、だからこそ自分はストーカーなんて呼ばれるほどに荒北に執着しているのかもしれない。とぼんやりと気付いた。 「ないものねだりなのかも」 「え?」 「自分にないものをあいつが持ってるから、気になるのかも」

2014-08-16 10:32:50
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 宮本のそんな言葉に、笹屋は溜息をついて言った。 「……まるで今はじめて気付いたみたいに、初恋の中学生みたいなこと言わないでくれるかな」 こっちが恥ずかしいよ、という笹屋に、宮本は首を傾げた。

2014-08-16 10:34:06
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「んで、笹屋さん、なんでわざわざこんなとこまでついてきたんです?」 「こんなとこってひでぇなぁ、俺、地元だよ。夏休みだから里帰り。ついでに母校の応援に行ってもいいだろ。おまえこそ、わざわざこんなとこまで何しに来てんの?」 「いや、川田さんが……」

2014-08-17 00:15:58
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「カワさんが?何?」 「あー、この間、たまたま川田さんと電話で話す機会があって……」 「電話?何、おまえ、番号聞いてんの?」 「いや、社にかかってきたのをたまたまとって」 「あー、そういうこと」 「川田さんに、荒北と東堂のこと相談したら……」

2014-08-17 00:18:49
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「相談したら?」 口ごもる宮本に、笹屋は根気よく聞き出す。 「たまには母校の応援でも行ってみればって」 「何それ?」 「いや、俺もわけわかんなくて。でも、あの人、無駄なこと言わないし」 何か笑ってたけど、別にからかってるって感じじゃなかったし。

2014-08-17 00:20:40
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「おまえの母校ってどこだっけ?今回のインハイ出てんの?」 「当然、出てますよ。俺の母校、箱学っすよ」 「うわ、王者箱学か、おまえ」 「ええ。っつっても、去年は優勝逃がしてますから、王者じゃないですけど」 王者と呼ばれるのは圧倒的な強さを持つからだ

2014-08-17 00:23:58
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon だが、常勝と言ってはいても、やはり連覇は難しい。何年かに一回は不作と言われる年があって優勝を逃すこともあるし、なによりも、ロードレースというのは番狂わせがおこることの多い競技だ。 それでも箱根学園が王者と呼ばれるのは、優勝回数が圧倒的に多いからだ

2014-08-17 00:26:58
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「でも、王者は王者だろ」 「その誇りはいつだってありますよ、ウチの選手ならね」 オレ、高校の時が一番キツかったと思いますもん。 「おい」 笹屋は、それはやばいんじゃねえかと突っ込みたくなるのを我慢した。口に出してもどうしようもない事はあるものだ。

2014-08-17 00:30:16
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「笹屋さんの母校はどこっすか?」 「広島呉南っていう工業高校でな」 「え、工業高校?イメージ合わないんっすけど」

2014-08-17 00:31:39
残りを読む(54)

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?