【詩のレシピ14・15】ツイッター連詩 #pwGT組 終わります。。
体を覆っていた胎脂が 沐浴で取り除かれて 胎外に出た、はじまりの日 昨日、産んだ16年前の その4年前の わたしをとおして 刻まれた心音グラフが この季節を波打たせ 鈍い音をたてる コトリ それは空を飛ぶ者の名 見上げる者の名を記せ (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 11:43:32飛来、赤裸々に反する光と影 見上げると僕の行き先は案が基に 長い時間は、ただ声の前に 輝度のとき、教えて 最適の意味はない、愛に 未来、掲げた旗には構図の下書き 記憶の中にだけ太陽が眠る 迎え入れる日々に安堵を祈る いずれの金字塔のため (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 11:43:40右巻きアンモ左利きナイト 朝がネジネジを解きながら 海から妖怪を諌め 騎士を鼓舞しに揚がって来る 騎士は鉾をどちらに持って守りにつくか 毎朝を悩む 盾と盾がガチャガチャになる 右巻きアンモ左巻きナイト 太陽がキリモミで東の国の山の果に落下 ( 詩のレシピ14 )#pwGT組
2014-10-04 12:08:26手毬唄が天の遠景となり、時の余韻が空を染める。地の結界に疼く蓬莱は、黄泉からの射影か、火吹きに魂が応化する。清き泉は、刀山をなだらかな丘にし、いのちの夢を待つ。 いのちきて いのりにゆめの いのちさる かぜにかおりの あきのゆうぐれ (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 12:33:40赤蜻蛉が夕焼けに挨拶して、煌めきを刹那に夢見する。色即是空。問われない夢の問う溜息。時は場を見捨てる。叶いの哀しみとは、変転する悦びへの郷愁か。安堵の微かな誘いはシを渡る。 こころゆく ひかりのゆめの とどめなく むすびにあわく はかなくきえて (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 12:51:49安らぎの衣では飛べない 背中の傷が羽を毟り取られた痕の瘡蓋を剥がして下さい 手の届かないわたしの其処に書かれた所以を見せて下さい 月満ちぬ道の途中で 断絶された筋が 輪廻の果てで出会う手の形を 問いながら (詩のレシピ14) #pwGT組
2014-10-04 12:53:48あなたの心を揺さぶる 詩を描ける わたしがいない たとえ 聞こえなくてもいい 知らなくてもいい 見えなくてもいい 届かなくてもいい それでも 私は続けようと思う ただただ 祈るように 詩はそのためにこそ 存在していて欲しいと 思う (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 13:08:03遡っていくカワを眺める 男は どこにもいけなかったなと独り言ちる もうハシは架かっていない 腰をあげるとウロコが落ちた そうか そうだな 惑星で水が跳ねた (詩のレシピ14) #pwGT組
2014-10-04 13:13:36さかさまのからだ 溢れた潮 臍の緒で首をくくり 傷から泣いた それほどに 生まれたくなかった か 幾度も死に 生まれるように 傷から 産声をあげる朝 昏い海は美しかった か (詩のレシピ14) #pwGT組
2014-10-04 14:03:43お砂場に埋葬されていく過日。を穿くりかえし城をつくり泥水に沈める仕事を暇や退屈と呼べないブランコが枯れない向日葵として微笑する。眠り続ける蟬がこれから来る八月ならば耳を澄ませていたい。言葉を紙を沈黙をまた、奪われてしまうまで (詩のレシピ14) #pwGT組
2014-10-04 14:25:37肉の溶けたカレーを摂りながら左の人参がなるべく酷い方法で●●になるよう祈る、そんな二十年でした。かつて春の陽が笑んでいたことを考えようともしないのは希って痛いから。でもわかっているのです先生、プラスティックのように佳い朝が永遠ということは、 (詩のレシピ14) #pwGT組
2014-10-04 14:56:25古びた箪笥は桐でできていて頑丈だ。曽祖母の嫁入り道具であったと聞く。 その匂いは私の匂いであり抱卵の匂いでありまた日陰の匂いであった、庭に鳴く虫の声。色褪せた表面に指を這わせば偽りでも本当でもないあわいが立ち昇る。 引き出しの中に私を畳んでいれる。 (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 14:57:18最後のデッサンは自画像だった。冬の美術館で少し斜にこちらを見据えていたのは、確かに娘なのだけど、水の被膜がかかった様なみっしりとした無音が私を包み、丸っきり同じ骨格を持つ鏡の向こうのおまえに尋ねる。(おまえに渡してしまったものはこれだけかな) (詩のレシピ14) #pwGT組
2014-10-04 15:13:59不可思議な彩りの、時の白粉を離れた、永遠の夢煌めき。疎らな世界の密なる宴。地の深淵には、母なる心臓がある。狭窄な想いを懐柔せず、慈しむ。軟らかな振れ。浸透する愛。 あいふして なごみにいこう ゆめあいて ひとふりたがう かえるみちにと (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 15:18:59雪見障子からの眺め。 縁側の暖かさが本を読むには眩しい。 羽子板が弾いたみんなの奇声が羽になる。 並んで座る暇のなかった父母が 暗闇に並べる日は ずっと先でいい。 もがりを塀に変えておいたのは守り神。 五種の花が舞う。 砂利を踏んで闖入者を追う。 (詩のレシピ14) #pwGT組
2014-10-04 15:44:50橋の下に柔らかい場所がある、湿った黒土は内臓を晒すようにてらりとひかる、釣り上げた魚を放ると自ら望んでその中に沈んでいくように見えた、そういえば繦の柔らかさと似ている気がする。 あの土はまだきっと橋の下にある。 帰りたくなったらそこに行けばいい。 (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 15:46:51単衣に纏う匂いの素に、掠れる時の恥じらい、寒雷に注ぐ夢が越えぬ永遠を儚む。相似する感応の水際に、野火が景色を霞ませる。目合いに通ずる吐息に、重ねの想いを浸す。征くや還るや。 あんねいの ともにこころの ひとつして いきのむこうに いざなうゆめの (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 15:52:30北から南から届いた酒瓶。 修学旅行土産の灰皿。 親戚中から届いた人形。 酒屋さんのおまけのコップ。 ぎちぎちに詰まったリビングボードに 飾りきれない想いが溢れる。 昔、友達の家ごとに匂いがあった。 今日、みゆきちゃんちの匂いがした。 (詩のレシピ14) #pwGT組
2014-10-04 16:02:48バザールに寄ったキャラバンの隊長は お目当ての物に出会えなかった夜 馴染みの茶器に一杯の紅茶を淹れて 次の商機に願掛けをする もう一杯は家族の安泰へ捧ぐ どこからか野犬の遠吠え 持ち帰る品々の中には 質のいい産着が数着 最後の一杯は 良い人生を願う (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 16:22:03皆、見えないしるしを付けられている 私は人間だけれど確証はないし、猫が母だ 常に空中分解、銃声のような音をたてて 別れ際はいつも通り過ぎる 私も長い尻尾がほしかった 言葉にだけ存在する、砕けたこの血肉 ありがとう、とサヨナラは並んでいる のか (詩のレシピ14) #pwGT組
2014-10-04 16:26:43爪先立ちで覗いた窓の紅い夕暮れを憶えている。紅すぎる夕焼けは闇にも似て。ひとの心には決して開けてはならない扉があることを知った日。鴉飛ぶ空に。銀色に鈍く光ったのは。間に合わなかった電話の。の、の、の。鴉に七つの子はいない。と知ったのはずっとあと。 (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 17:04:57赤い芥子から無数の蝶が 胸の中に 吸い込まれるように 消えた 躯の芯に青白く 灯火 始まりが何処かも解らないほど 長く繋がる鎖の先端 ひとつの輪が また繋がった 温かな場所から出ると決意した朝 握り締めた拳を 柔らかく解いた光を忘れはしない (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 17:08:06ミンナガキミヲマッテイタ 現実感も説得力も無い表記 遠心力でしがみつく日常は 呼吸、寝食を繰り返す 春の花を散らして 溺れ藻掻き揺れる青葉 わざと沈める手には私が繋がっていた 混線する時間線を飛び越えて 望まれるより早く 私は私を待っていた。 (詩のレシピ14) #pwGT組
2014-10-04 17:24:21我慢して我慢してから吐き出したものであっても今すぐに出たものと変わらない。 半年以上土に眠る玉ねぎの赤子。枯れるまで待たれた大豆。熟されたワインを呷る喉元の皺。数えるバームクーヘンの輪。 溜めて溜めて最後にはきれいに生まれ直そう。あなたの赤い手で。 (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 17:30:22あのころ感じた、こころの奥に そっと寄り添うための旅 手の中のぬくもりは 名もしらない、ちいさな子がもらった ひとさし指を握りしめて 歩きながら、うたいはじめる おもうままの、 シ だ (詩のレシピ14)#pwGT組
2014-10-04 17:40:37