【#pwGT組・詩のレシピ（1～14）】自作投稿詩をまとめた！

宮尾節子＊新刊『明日戦争がはじまる 対話篇』好評発売中です。 @sechanco

「シナナケレバイイト思ッテ」え。お母さんそんな事を？「ヨウスケノヨウハ中庸ノ庸ヲ取ッテ」の笑顔からヨウ家も波乱に満ちた。シハ「一般的主体より一段低い所に身を置き、この世界の受容体とならなければ」と安川。そんなにいい事は、ないよ。覚悟は良いか。ヨウソロ！（詩のレシピ１）＃pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

部屋の奥に潜んでいる鋭敏を 収めたら好奇心と猜疑心が プラスチックボールに混ざり 捏ねて引き伸ばしてバランスを 取ったショートフィルム 一頻りの味見の名残は 次のステップへといざなう 知りたいのは、くぼみをうまく 活用する焼き方 （詩のレシピ１）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

小さいわ、受け止められないわ。ちゃんと測ってくれないと困るわ。言葉はお腹の上で暴れて邪魔をする。一段下に収められた冊子にひとつだけ光る言葉があったのだけれどラララ、掬っても零れ落ちる粒子に過ぎなかった。小さくても抗えスパイスと重宝されるはずラララ （詩のレシピ１）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

生きるのなら何色でもいいからシを広げて、それに、染まり切らないよう動いたり揺れたり眠ったり食べたり抱いたり文句言ったりすればいい、シは動かないし揺れないし眠らないし食べないし誰にも抱かれないから、シだけだもの、濾過、何度か （詩のレシピ１）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

父さん、聞き流して バランス役を買って出る 知らないうちに右に倣え、 左に抗うは、強大に見える 憂鬱とシーソー 生きる糧となる「シヌ」への業 父さん、たまには、耳を貸してよ （詩のレシピ１）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

柔らかな詩の声が聞こえる。 我慢しなくていいのだけれど、 もどかしい色をしたへんとつくり、 中に急いだ凡庸の在り処を教えて。 難しいね、詩の現在地。 生きてみよう、足に密連を忍ばせて。 それから、詩が始められるとして、 （詩のレシピ１）#pwGT組

バンバサナエ @tombolo2010

窓を開ければ、また窓がある。網越しの恋。宵越しの夢。指を離しても走る窓。慣性スクロール感性ストローク。タイムを上り下りするラインの流れ。難所と嘆きと鎮魂と。熱狂も捏造も妖怪ものせて。よ、みとれ、渦の中の渦うむ岩を。待ち伏せするシ。窓を巻く。　（詩のレシピ２）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

蛇みたいな細長い舌としたたかさ、神妙なしなやかさでしの渦を遊泳する螺旋とカレイドスコープ、美しいね、最後を看視する君の右手にはインクが切れたペン、引っ掻くごとく中枢を刺せ。窓の鍵は壊れている、疾走し、 （詩のレシピ２）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

関所を鎮めろ、その恋は鉄拳だ 開け放つときひとりでもお構い無しだ からだ、は、よ、みとれ、てい、る 空回り狂気、堰き止める、ところ 壊しただろう、その手で 夢を真昼の中に閉じ込めただろう 完成、簡単だ、方位のない排水溝 （詩のレシピ２）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

いのちたえる、ことばたえない 発狂した発光ほそめてみ 綺麗な渦巻き、桐箱、大蛇 なんでもしってる みんな、欲求しか持ってない いのちたえる、そのひになったら いやだいやだ、と叫ぶんだ 最初の窓で惑わずとんでみ （詩のレシピ２）#pwGT組

カニエ・ナハ @naha_kanie

私の頭を抱えて 私が空を飛んでいた （シャガールの絵のように） フロイト（一九三九年九月二十三日没）と ユングの交流と決別を描いた映画の 私の記憶の中では ジークムントは全てのシーンで 葉巻を燻らせていて そうやって吸い込んだ 他人の夢を燃やしている （詩のレシピ３）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

目が覚めてもまだ白く燃えていたので、膨れた頭を抱えて眠り直した。誰かが見ているかもしれない最後の挨拶の真ん中で、煙が線を引くある区切りに、吊り上がる口角から覗く犬歯から、今日は昼と夜が平等だと笑った。夢とうつつのハーフ、他人と自分のハーフ、 （詩のレシピ３）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

地平線が昨日に伸びている、君が吐き出した煙の匂いを嗅いで太陽と月が半々で共存する夕方を考える、斜線／便箋／回旋、混ぜこぜになった出会いから別れまでのプロセスはいくらでも好きにしていい、君に非難されるために今日の記録を平らげる、呼気、身体ごと飛ばして （詩のレシピ３）#pwGT組

s.kaneco @000214

空だけある部屋でパンの皮をかじる 心寄せるものがなくてもきっと生きてはいけるのだろう おや、鱗だね にぎりしめた右手には 跳ね回る朝の贄 (詩のレシピ4)＃pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

皮にへばり付く文字のハネ、鱗 ぐるり／まわり／はらとせ／ 君が左手に唇をピッタリ寄せて教えてくれた言葉のハシ、だ てらてらとした余韻が胸にめり込む それを今日の訓示にする （詩のレシピ４）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

自転車が高架下に並んでいる 鉄の鱗、空はさらに下で動いている 頼ってないよ、信じてないよ、 生きるのに理由なんてはじめから存在しないから タイヤ跳ねてひれはれ弾んで 勝手に泳いだら朝に戻るだけだ 浮いた波と砂は何で濾す？ （詩のレシピ４）#pwGT組

SATO A @a8ca

手押し屋台のバッテリーが少なくなっています、のれんの臙脂が至極まっとうにひらめき、さきほど皆さんを遠まきに数えていたうちのひとりが大将と呼ばれる、どこまでを持ち場とするかは歯を磨きながら考えるとして、バッテリーの問題は目の離れた女に置き換えられない (詩のレシピ5) #pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

ひぃふぅみぃよ、数えうたの合間にリーダーが爪を研いで待機しているよ、横の世界をたくさん見られる女に価値を見出すには、あれこれ策を講じて常に7割は蓄えていたいものよ、ふとした荷車、リラクゼーション、息を飲むほど綺麗な手指、彼女 （詩のレシピ５）#pwGT組

宮尾節子＊新刊『明日戦争がはじまる 対話篇』好評発売中です。 @sechanco

「ねりました。ねりました。ねりました。」洟水かんたろうの絵日記。ねりました攻めほどのインパクトはのち経験がない。絵の枠は黒で塗り潰し。字の枠は全行これねりました。寝ました。夏休みは寝てばかりと判っても後手。母まであのねりましたは元気かと詩譜をなぞった。（詩のレシピ６）＃pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

微睡みばかりを練った幾重の夏、気怠い景色、蝉の声、母の溜息、わたし、鉛筆の削りカスをためて捏ねる、想像と動揺、まだ眠いよ、線を辿る繰り返しねな詩、反射四肢は心地よく凭れている。甘えさせて。青い時間って短いからさ、書き留める言葉は更に練りたいの。 （詩のレシピ６）#pwGT組

バンバサナエ @tombolo2010

コオロギの夜を明かして、朝、あたらしい鬼に遭う。うつむく日にも失われてゆく砂の上で。雨でも晴れでもやつらはやってくる。桜の花びら肩にのせ、コスモスくわえやってくる。きのうのキバは骨だった。きょうのツノも手強そうだが、冬年の滋養になるだろう。鬼を喰う。（詩のレシピ７）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

昨日も今日もそのさきも、ぼくは骨を噛み牙を食べた。明かしたとき息は白く、また同じ角が食べ方を訪ねてくる。ぼくはコスモスよりジンチョウゲが好きだから続くね、口の中に砂粒、企みと日常と混じって溜まる。斜向かい、お前は誰だ。 （詩のレシピ７）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

颯爽と食いちぎるお前の誇示。密かに息を漏らす牙に季節の向う、流砂。朝に出会ったその影は見慣れたものだった。確か。ぼくは一度も君との鬼ごっこで勝てなくて、そのまま大人になった。鬱蒼と繁るお前の蔵から砂粒、季節と光る。喰われたり、して （詩のレシピ７）#pwGT組

タムラアスカ @asuka_tamura

真夜（光虫）中、贅に甘えすぎて肉がからだを覆った。花の匂いも、牙の鋭さもわからない。君の住処もわからない。今日は誰かと戦って昼は非難した。それでいいや。喰われる前に喰わせる、掌で震える羽は潰せない。ミクロの悪魔、かわいい鬼。さあ、朝が戻る。 （詩のレシピ７）#pwGT組

カニエ・ナハ @naha_kanie

「そのマイルスのレコード、Ａ面最後のところ、ごくまれに針飛びをするの。彼はステージから姿を消したまま、時間の歪みに足をとられて身動きがとれない。うまくいけば戻ってきて、さいご短く鋭利なソロを奏でて、拍手喝采。私たちはＢ面へと盤を進めることができる。」（詩のレシピ８）#pwGT組