【#pwGT組・詩のレシピ(1~14)】自作投稿詩をまとめた!

レシピの旅15日間。いろんなものが完成したよ。いずれの金字塔のため。
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タムラアスカ @asuka_tamura

探すべきはC盤だったりする鑑賞の頃合い、知らないからさ、みたいなキリキリとした歪に少し先を想像する、ソロ、手を繋いだら奏でる、わたし、その人知らないからさ、彼女はD盤として見ている。耳でしか弾けないんだ、その音知らないからさ。 (詩のレシピ8)#pwGT組

2014-09-28 13:16:48
タムラアスカ @asuka_tamura

それにしてもまた戻りたくなる/失敗を知る/成功を読む/摩擦音/戻りたくなる/また/それにしても、 初めてだ。そんな音。 混ぜてよ、振り出しに。 (詩のレシピ8)#pwGT組

2014-09-28 13:37:06
タムラアスカ @asuka_tamura

緑の海から視線を感じたので起き上がったら、そこで彼が目玉焼きを作っていました。クリアからジャギーへ濁りも形、音から絵からにおいから。わたしは口の中によだれが溜まるのをみとめて、レコードを止めました。彼の演奏を邪魔してはならなかったのです。 (詩のレシピ8)#pwGT組

2014-09-28 18:35:53
s.kaneco @000214

「喉をふるわせろ 新しい陸地を目指せ」 海陸風の響きを乳呑み子は聴いた 実りを倉におさめる頃 干したアカザを手渡され 私たちは田園を出た (詩のレシピ9)  #pwGT組

2014-09-29 02:42:05
タムラアスカ @asuka_tamura

一面広がる、整わない、不揃いの、幾つか声。帰ってくるかも、と呟いたのは秋風の混じる陸のささやきが甘やかしたから。握りしめるかたちが湿って潰れ、しっとりする。足元から始めよう。小さな帰宅はいつでも出来る。 (詩のレシピ9)#pwGT組

2014-09-29 08:50:26
タムラアスカ @asuka_tamura

砂城なんてさ、齷齪と両手汚して作ったところで、気を垂らして瞬くあいだに崩れてなくなるんだ。脆いよ。努めた形はスケッチしろ。この実りある風景のなかに。丘の上にはタイムカプセル、君と幸せになりたい、まだ見つからない、凪る手足は滑らかなままだ。脆いな。 (詩のレシピ9)#pwGT組

2014-09-29 13:08:55
SATO A @a8ca

駅前にドーム屋根のついた石造りの遊び場があり、あちらには芝生の広場、むこうへ短い坂をくだれば西町の小学校、そのあとあのときの森がきて、農道へ抜けてビニルハウス、背高泡立草が倒れ合い、ガードレールが池を囲うのか (詩のレシピ10) #pwGT組

2014-09-30 09:06:14
タムラアスカ @asuka_tamura

広がり和らぐ冷たい池から海の底へつながるいくつものハート。屋根を突き破り、青を見たいと強請る彼女から刹那を奪った。倒れた草たちは昼寝を始める。策を取ろう。囲われた中枢にあのときの森を埋め込み、想像しているジオラマを今すぐ壊したくて堪らなくなる。 (詩のレシピ10)#pwGT組

2014-09-30 12:56:17
タムラアスカ @asuka_tamura

何人かで帰るのが嫌いだった。森は透明だった。ビニールに霞まれた空の白い抵抗がきれい、オーバーヘッドの名残がタイヤ跡と一緒に教えてくれている。胸にめり込んだまま取れない棘、無邪気な私は何も知らなかった。彼は屋根から向こうへ行ったんだ。その意志で。 (詩のレシピ10)#pwGT組

2014-09-30 20:31:00
宮尾節子*新刊『明日戦争がはじまる 対話篇』好評発売中です。 @sechanco

いけ が一つあったのよバス停の睫ヶ下に 青物狙いの朝まづめ アタリとアワセを 身体で 覚えた ほか 物も知らない 食えるか の問いがノウゼンカズラを昇って逝った夏 (父さん) なってない答えは末尾へ つづく きれいに洗ったらコスモスが 挿せる (詩のレシピ11)#pwGT組

2014-10-01 05:43:15
タムラアスカ @asuka_tamura

寂れたベンチは今にも崩れそうな勇気に似ている。 半分摘み取った花がつなげるのは、忘れられない仄かな夏と盛り上がる背骨、 曲げて捻る湧き出る水の様子を見つめて食べる 飛び込んでも(あなた) まだ何も教わってないよ (詩のレシピ11)#pwGT組

2014-10-01 08:53:18
バンバサナエ @tombolo2010

シに名前をつける。星のように。名づけることは見つけること。彼岸花には千の名、千の貌。アイヌ語でシは「真の、本当の」の意と知里真志保の辞典にある。鮭はシペ=本当の食物。溯河魚へのアイヌのまなざし、畏敬と謝意が表れた名だ。シは食えない? シペは美味し!(詩のレシピ12)#pwGT組

2014-10-02 03:15:14
タムラアスカ @asuka_tamura

私が死んだら名前をつけて欲しいと告白される。僕にだけわかるような、最後まで隠れたがる人で、それでも姿かたちはまる見えなのに。どこにでもあるような言葉で、まるで前菜みたいだ。笑って、目を眇めて、ねらいをつけた。食べきれない星、君という名前が死んだら、 (詩のレシピ12)#pwGT組

2014-10-02 08:20:35
カニエ・ナハ @naha_kanie

(人の國の牛馬淋しや秋の風 蛇笏) ―ミンナドコヘ行ッテシマッタノ? ―コンナニ堅ク閉ザサレテハ私タチトテ入リコメナイ ―サッキハ酷イ雨ダッタネ ―終ワリニヨク似タ始マリダッタ (詩のレシピ13)#pwGT組

2014-10-03 06:34:45
タムラアスカ @asuka_tamura

細い一本道を小指だけつないで丁寧に歩いた。髪から服から靴からずぶ濡れにした二人は昨日から一言も終わりの話をしなかった。 排水溝に流れる不特定多数の涙リング、 囁かれる一つの案、 (生きる?) 返事を待たずにキスをした。 (詩のレシピ13)#pwGT組

2014-10-03 15:59:00
タムラアスカ @asuka_tamura

わたしのプライド、時々、完全な白い闇の中に消える。雨、晴れ、蜘蛛りの糸、見つけてくれる、保護された床は柔らかい。撫ぜたら君が染みて泣けた、頬を掠める黒髪、わたしのプライド。時々、普通な解放に戸惑う、プライド、どいて! 雷雨だった、あとは君だけ (詩のレシピ13)#pwGT組

2014-10-03 19:22:18
s.kaneco @000214

たてまわした障子の中 椀種のような太陽を見た カワウソのように膳を広げ 家族は待っていた 十月十日 あの長い旅が残した渇きが 母を呼ぶ声になった 古い産衣と肌守りも見なくなって久しい いつかの安堵もどこにあるのだろうか (詩のレシピ14) #pwGT

2014-10-04 02:38:28
タムラアスカ @asuka_tamura

ゆうべ、 可笑しな手紙が口から出てきた。 あした、 太陽が黒くなるよ。 安らぎの場所などない。 立ち止まり涙するのは 全てを放棄するサインだ。 破る、言葉は咀嚼される。 わたしは命たちの端で生きる。 (詩のレシピ14)#pwGT組

2014-10-04 11:20:04
タムラアスカ @asuka_tamura

飛来、赤裸々に反する光と影 見上げると僕の行き先は案が基に 長い時間は、ただ声の前に 輝度のとき、教えて 最適の意味はない、愛に 未来、掲げた旗には構図の下書き 記憶の中にだけ太陽が眠る 迎え入れる日々に安堵を祈る いずれの金字塔のため (詩のレシピ14)#pwGT組

2014-10-04 11:43:40