『慶喜が何故赤のアレを巻く事になってしまったのか』
- keroxxxrina
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㉔ 思わず慶喜の唇から声が漏れた 「すまん」 「いいんだ」 そう。気にしなくていいことだ。鎮めたばかりのモノがまた静かに息づきはじめていた。それは秋斉のせいじゃない、自分の心が不埒だからだ。慶喜はただそう思った。 「でも我慢してくれ。ここが緩んでたら後で困るだろ」 「秋、あのね」
2014-10-05 23:15:09㉕立腹 後で心静かに締め直すつもりだと、慶喜の口からは言えなかった。 「なんだ?」 「ううん、いいんだ」 「なんだよ、言いかけてやめるな」 「いいんだ・・・もう好きにして」 秋斉は不服だった。何やら意味ありげな風体で物を言い、その上笑ってもいる。自分が何をしたというのだ。
2014-10-05 23:18:48㉖覚醒 少し怒った秋斉は、より一層きつく立まわしの布を引き上げた。 「イタっ!」 「これくらいでええやろ」 京言葉に戻った秋斉の声に、慶喜も不思議な感覚から解放された。 「前垂れは?」 「そんなもん、自分で挟み込んだらええやろ」 「ええ~ここまできてそれはないでしょ、やって♪」
2014-10-05 23:24:36㉗ 今度は秋斉の胸が妙な音をたてはじめる番だった 秋斉はさっきまでの平常心を取り戻そうとした。前垂れの一方を摘まんで、更にもう片方も同じように摘み上げる。綺麗に三角を作って横回しの布に挿し込んでいく。 目前の逞しい身体と、肉付きのいい腿が眩しくさえ感じられた。 「これでええか?」
2014-10-05 23:33:18㉘また一緒に 「これでええか?」 「うん。ありがと」 真っ赤な褌姿の慶喜が出来上がった。 秋斉は見上げた慶喜の姿にホッと溜息をついた。 「よう似合うてる」 「そう?」 「赤もいいよね」 「赤もええな」 また重なった声に二人は目を合わせた。そして、大きな声で笑った。
2014-10-05 23:39:53㉙では交代 何か一つの行為を、二人で取り組むというのは久しぶりだった。 例えそれが褌を締めると言う、どうにも馬鹿らしい行為であったとしても、それはとても愛すべき行為に思えた。 「ねえ、秋斉も赤い褌試してみない?」 「へ?」 「今度は俺が巻いてあげるから」 「わてはええ!!」
2014-10-05 23:46:48㉚ 秋斉は後ずさった。慶喜は構わず秋斉の帯を解こうと追いかけた。 だが狭い部屋で大の大人が走れるわけもない。慶喜は脱ぎ置いた着物に足を引っ掛けて転んでしまった。 「いったぁ~」 「そのまま巻いて帰りよし」 「わかったよ」 慶喜は褌一枚の姿で寝転ぶと、兄を見上げた。
2014-10-05 23:56:00㉛赤い褌のオシマイ 心配そうに、でも笑って自分を見下ろす秋斉の顔が、自分を見つめていた。 慶喜はまた笑った。 どうしようもなく幸せで堪らなかった。 「どうしたん?」 「笑いがとまらない」 「目出度いことやな」 「赤い褌のお陰かもね」 赤い色のもたらした慶事だった。
2014-10-06 00:04:42【慶喜が何故赤のアレを巻く事になってしまったのか】はこれでオシマイです。少し大人風にしたものを後日改めて支部に上げます。(自分が単に物足りなかっただけwww) では、おやすみなさいませ(*´▽`*) お付き合いしてくださった方、ありがとうございました。
2014-10-06 00:06:58