茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1335回「日だまりについて」
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26歳の休学中の北大生が、イスラム国へ参加し、戦闘員になる目的でシリアに渡航しようとしていたところを、刑法の私戦予備・陰謀の疑いで事情聴取された、というニュースが報じられた。意外な印象を受ける事象であるが、考えてみれば、起こりうる事態であったとも考えられる。
2014-10-07 06:21:20イスラム国自らが公開した動画、またイスラム国について報道される情報から判断すると、イスラム国に、日本人の若者が加わろうとするのは、驚くべき事象であるようにも思われるが、ある一定の確率で起こることであろう。どんなかたちであれ、報道されれば、その対象への関心は高まる。
2014-10-07 06:23:24伝えられる北大生のプロフィールから、これは確かにはわからないことだけれども、この方が、非典型的な若者であったことは推定される。そして、休学中、「住所不定」という報道から、ひょっとしたら、自分の「居場所」を求めていたのかもしれない、とも推定される。
2014-10-07 06:24:23欧米諸国からも、若者たちがイスラム国に加わっていると報道されているが、穏健な立場から見れば理解しがたいこのような行動も、社会の中で自分の「居場所」がないと認識している若者たちの動機付けに基づくと考えると、あながち、意外なことではないと私には思える。
2014-10-07 06:25:23確かに、社会の中で、多少の失敗や、軋轢、思うにまかせぬことがあったとしても、大抵の人たちはなんとか生きているわけで、「居場所がない」ということが、ある行為の正当化事由になるわけではない。問題は、「居場所がない」ということが、客観的事実ではなく、本人の認識であることだ。
2014-10-07 06:26:31穏健な立場からは、「反社会的」「過激」と思われるような動きに参加するという行動は理解できないだろうが、その穏健な立場から構成されている「社会」の中に、自分の「居場所」がないと、本人が「認識」していたら、そのような常識的判断の前提が覆されてしまうことになる。
2014-10-07 06:27:53人間は弱い存在だから、どんな人にも「居場所」が必要である。社会の「普通」の生き方からはみ出してしまった人たちに、いかに穏やかな、日だまりのような「居場所」を用意できるか。いろいろな人がいるから、いろいろな「居場所」が、「居場所」のエコロジーとして、共生できるか。
2014-10-07 06:29:00