連城三紀彦・全作品紹介
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タイトルから恋愛小説と誤解されがちだが、本書の中身はミステリ。表題作もひねくれたホワイダニットの秀作中編だが、それより併録の短編「植民地の女」を推す。マニラで現地の女を抱いたことがきっかけで、妙な男につきまとわれることに……。切れ味鋭い反転の傑作短編。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:00:5219【花堕ちる】(角川文庫・上下巻)★★★ 失踪した妻から届いた手紙。夫の文彦は妻を追って吉野へ向かう。消えた妻の影に見えるのは15年前に死んだはずの男、そして彼の前に現れる謎の女……。妻はなぜ消えたのか? amazon.co.jp/dp/4041784018/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:03:23やや官能色強めの恋愛ミステリー長編。話の筋は典型的な人捜しミステリーで、細かいどんでん返しを積み重ねていく連城らしい長編。しかし心理描写、情景描写、官能描写の合わせ技で恋愛小説としか読めない。ミステリを期待するとやや冗長か。それにしてもこの妻は畜生である。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:05:4120【恋愛小説館】(文春文庫)★★★ 新婚旅行が終わり次第離婚しようとしている夫婦(「淡味の蜜」)、隣家の主人の浮気を暴露する手紙が間違って届いてしまった主婦(「空き部屋」)…様々な愛の形を描く短編集。 amazon.co.jp/dp/4167420066/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:09:03幼稚園児の娘とその友達の男の子の関係が子供らしからぬものになっているのではないか――という疑惑が思わぬ真相に着地する「片方の靴下」はミステリ的秀作。全体としては老境小説「捨て石」のような『日曜日と九つの短篇』と同系統のしみじみ系恋愛小説集。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:10:5621【螢草】(文春文庫)★★★☆ 親分の女房との一夜限りの密通……任侠の世界に生きる男の哀愁を描いた表題作ほか、「カイン」「選ばれた女」などバラエティ豊かな全5編。 amazon.co.jp/dp/4167420074/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:17:18昭和初期の任侠もの、サスペンス2編、現代恋愛小説2編とわりと雑多な詰め合わせ短編集だが、総じて品質は高い。表題作は「桐の柩」系列の任侠小説の秀作。「カイン」「選ばれた女」のサスペンス2編のひねくれた反転も楽しい。詰め合わせでも高品質な連城に感服の一冊。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:19:0622【一夜の櫛】(新潮文庫)★★☆ 同窓会で再会した男と、髪に触れるだけの浮気を続ける女(表題作)。掌編を中心に14編を収録した文庫オリジナル短編集。 amazon.co.jp/dp/4101405050/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:21:14『恋愛小説館』や後の『背中合わせ』と同系統の恋愛短編集。ミステリ色はほとんどない。出来すぎた姑の隠された想いを描く「葉陰」や、自分の元を訊ねてくる見知らぬ幼女の素性を老婆が想う「梅の実」のような掌編が味わい深い。同系統の恋愛短編集が気に入った人向け。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:23:2223【夢ごころ】(角川文庫)★★★ 新婚旅行の車中、ラグビー部の先輩との想い出を回想する男(「陰火」)、クラス全員が焼死した事件の生き残りの回想(「春は花の下に」)…『雨月物語』を下敷きにした幻想的な全12編。 amazon.co.jp/dp/4041784034/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:26:19恋愛小説あり、ミステリあり、幻想小説あり、怪異譚ありの12編。ミステリ的には「春は花の下に」が傑作。一年前に死んだ女から手紙が届く「熱き嘘」もいい。薄い本だが作品世界は非常に濃密で、一気読みすると疲れるので1話ずつゆっくり読むのがおすすめ。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:28:0924【黄昏のベルリン】(文春文庫)★★☆ 画家の青木は、ドイツ人女性から自分の出生の秘密を知らされ、謀略渦巻くヨーロッパへと旅立つことに。「このミス」3位、「週刊文春」1位の国際謀略サスペンス。 amazon.co.jp/dp/4167420163/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:31:15世間的には傑作と名高く代表作にもよく挙がる作品ですが、個人的にはどうもピンとこない。この作品の良さを語るのはちょっと他の人に任せたいので誰かお願いします。自分でもそのうち再読します。紹介になってなくて申し訳ない。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:33:3925【あじさい前線】(中公文庫)★★ 14年間の結婚生活に終止符を打った朝子は、かつて自分の人生を通り過ぎて行った8人の男に手紙を書き、日本各地に散らばった彼らを訪ね歩くことにした。恋愛長編小説。 amazon.co.jp/dp/412201901X/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:35:50四十女の自分探し小説。解説によると登場人物はみんな作者の周囲にモデルがいるらしいんだけど、そんなこと言われても……。淡々とした旅情恋愛小説で、そういうものとしては読ませるけれど、ミステリ読者には間違っても勧められません。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:37:2026『飾り火』(新潮文庫・上下巻)★★★★ 金沢行きの電車で出会った女と一夜を共にした芳行。その妻の美冴は夫の裏切りに確信が持てないまま日々を過ごすが、その日常は既にひとりの女によって壊れされ始めていた…… amazon.co.jp/dp/4101405093/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:40:09名作ドラマ『誘惑』の原作にして、連城長編でも指折りの傑作。夫をめぐる妻と愛人のバトルは、緊迫感に溢れたサスペンスの上巻から、下巻では徹底的にえげつないコン・ゲーム小説に。ミステリーと恋愛小説を融合させた、一気通読の連城エンターテインメント。必読。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:43:0027【たそがれ色の微笑】(新潮文庫)★★★☆ 戦後の上方漫才の世界を駆け抜けたコンビ、会津藩一と福島県太。2人の愛憎はやがて互いを傷つけ合う…(「白蘭」)。さまざまな幸福の形を描いた恋愛短編5編。 amazon.co.jp/dp/4101405085/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:46:13連城恋愛短編の最高傑作「白蘭」を収めた短編集。「白蘭」だけなら文句無く★★★★★。恋愛小説としても同性愛小説としても歴史に残る超傑作なので腐女子の人は特に絶対の必読。死んでも読め、読んで死ぬほど悶えるが良い。他4編はその影に隠れるけどどれも佳作。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:48:4228【萩の雨】(講談社文庫)★★☆ 二昔も前に愛した女と旅先の萩で待ち合わせた男。その前に現れた女は……(表題作)。柳川、会津、北京など各地を舞台にした旅情恋愛短編集。 amazon.co.jp/dp/4061852639/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:51:19雨の降る萩の町の中を、着物の女を追いかける場面が印象的な表題作や、老婆の50年前の初恋の人を探す「みちのくの月」など、着物を着た女の恋愛小説6編。ミステリ読者向けの作品集ではないけど、これはこれでそれなりに味わい深い。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:53:1429【どこまでも殺されて】(双葉・新潮文庫)★★★★ 僕は今まで7度殺され、そして8度目に殺されようとしている――。高校教師の横田の元に届いた謎のメッセージ。生徒の協力を得て、その送り主を突き止めるが……。 amazon.co.jp/dp/4101405131/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:55:46連城三紀彦の書いた新本格。〝7回殺された人間〟という『私という名の変奏曲』のアイデアを、高校を舞台に全く違う形で再演する。連城ミステリとしては珍しく典型的な名探偵女子高生なんかも出てくるので、新本格・メフィスト賞系ミステリ読者に一番勧めやすい。復刊はよ。 #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 22:57:2830【夜のない窓】(文春文庫)★★★☆ 妻と別れるため、夫は妻に愛人をあてがい、妻を自殺に追い込もうとする…(表題作)。全作浮気ものの恋愛・ミステリ短編4編。 amazon.co.jp//dp/4167420082/ #連城三紀彦全作品紹介
2014-10-08 23:01:44実質的にミステリなのは表題作だけなんだけど、この表題作も無論のことホワイダニット短編の秀作。それよりインパクトが強いのが「午後だけの島」。夫の浮気さえも管理する妻たちの集まりという話でなんとも「うわあ」という気分になる。残る2編は恋愛ものの佳作。 #連城三紀彦全作品紹介
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