rsbs日誌#34

﨟長けた鉄血のかはたれどきの魔女🦋 @r_s_b_s

#rsbs日誌　#小話　「ぬん…世界は相も変わらずドタバタの真っ只中じゃのう」ここはとある鎮守府。その談話室で煙管を咥えながらに新聞を広げる少女が一人。彼女がここの提督、比良坂であった。新聞を読み、さも他愛もないとばかりに呟いていた。「あら提督。何を読んでいるの？」

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#rsbs日誌　#小話　少女に声をかけたのは軽空母の飛鷹であった。互いに長く艶やかな黒髪、そして紅い瞳を持ち合わせており、ただの一見ならば宛ら姉妹のように見えなくもなかった。「おう飛鷹。鎮守府通信新聞を読んでおったのよ」「鎮守府通信新聞？」「略して鎮通新聞とも呼ぶのう」

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#rsbs日誌　#小話　「何だかそれ、鎮痛剤みたいな呼び方ね」苦笑を浮かべながら飛鷹は提督の隣に腰掛けた。「それで、どんな内容なの？それ」「色んな鎮守府で起きておる事を報道しておるよ。例えばこれじゃな」言ってみせながら、提督は見出しを広げた。デカデカとフォントが広がっている

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#rsbs日誌　#小話　『相次ぐ鎮守府間の合同演習！勝利はどちらに微笑むのか？』『辻斬りならぬ辻ωの横行。犯人依然捕まらず』『地獄と化したＵＳＪ！死傷者多数』『人手が足りない！憲兵、魂の叫び。ブラック鎮守府を狩る部署がまさかのブラック化！変態提督の異能保有率が上昇か』

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#rsbs日誌　#小話　そこに並んでいるのは何れも此れも限り無くとんでもない代物ばかりで、余りの突拍子の無さに飛鷹は目を点にした。「…なにこれ？」「じゃから、他所の鎮守府の状況じゃよ」「待って。演習は分かるわよ？何？ＵＳＪが地獄とか、この辻ωとか…理解出来ないのだけども」

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#rsbs日誌　#小話　「其れだけ世の中の鎮守府には不思議な事が一杯なのじゃ。他にはこんな記事もあるのじゃよ」そう言い、提督は新たな紙面を見せる。…『問われる是非。大和型の教養教育問題。帝国海軍の顔が世間知らずで良いのか』『公的な補給問題。下着を食料と見なすか否か議会は紛糾』

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#rsbs日誌　#小話　『バイオ生命体発生？風紀を正すと暴力を振り撒く怪人物とは』『地獄ＵＳＪからの生還者。コメントは「最悪だったよファック！」他』『今日のおめでた。大鳳落成に喜ぶ鎮守府』『ＭＮＢの影響か？大和と長門の出生率に変化』『建造百連敗。武蔵だったと膝をつく提督』

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#rsbs日誌　#小話　「ほっこりする話の次に絶望的な話を置くのはどうなの？！」「編集部に文句を言う他無いのう。因みに此れを取材しておるの、一部のデバガメな青葉とか噂好きな艦娘らしいのじゃ」「へー…うちの青葉は他所とは違うわよね」「あやつはただ写真と笑顔が好きなだけじゃからな」

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#rsbs日誌　#小話　「それにしたって…凄いわねぇ他所って」飛鷹は半ば呆れるように呟いた。「２００万も提督が居るのじゃ。変わり者が居て可笑しくなかろう。艦娘ならぬ艦息の提督までいるらしいからのう…他には青肌の提督や亡命した深海棲艦が艦娘の提督をしておると言う話もある」

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#rsbs日誌　#小話　「犬や猫も居るのでしょう？」「爬虫類も出たらしいのう…」「嘘ぉ…」「昔は女性提督と言うだけで珍しがられたもんじゃったがなぁ…今では女性提督だけで運動会が開ける位じゃからな」「時代の流れって凄いわねぇ…」しみじみと飛鷹が呟き、提督はそれに首肯した。

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#rsbs日誌　#小話　「あ、因みにうちも載ったのじゃよ。小さな文章じゃがな。何処の青葉が嗅ぎ付けたのやら…」「え？どれどれ？」パラパラと紙面をめくって提督は指を指して見せる。写真と広告に紛れた、僅かなコラムだった。『南海の鎮守府に作業船の影。遠く離れたかの地で何を為すのか？』

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#rsbs日誌　#小話　「わー…本当に小さい…と言うか何かミステリーっぽいと言うか怪談っぽく書かれてるわよコレ…」眉を潜めながら呟く飛鷹に提督はため息をついた。「悪意あるモノは近付けぬ様に魔方陣を張っておるんじゃがなぁ…どうやって抜けてきたのやら…根性の据わった奴じゃよ」

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#rsbs日誌　#小話　「まぁ、大半は笑って読める記事じゃ。お主も興味があるなら読んでみるがよい。バックナンバーなら確りと残っておるぞ」「ありがと。暇があったら読んでみるわ」「艦載機系のコラムもあるぞよ」「もうっ！そう言うのは早く教えてよ！」そんなある日の、鎮守府通信新聞のお話。