東浩紀『弱いつながり 検索ワードを探す旅』批判に対する応答と、更なる返答
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続きまとめは以下
発端は東氏のリプライから
うわ、驚いた。ブロックされてる人から@来るとは。 RT hazuma: 矛盾しないって毎日新聞含め何度も説明してるだろ。。 >東浩紀氏の最近の主張「弱いつながり」と、以前からの行動「粛々とブロック」「アンチとして処理」「見たいものしか見ない」(=絶縁)は深刻な矛盾を孕んでいて
2014-10-12 20:48:04RT @hazuma: 驚くのはいいから、批判の前にいろいろ読んだら? この反応じゃ、結局構ってほしかっただけじゃん。RT @LazyWorkz うわ、驚いた。ブロックされてる人から@来るとは。RT hazuma: 矛盾しないって毎日新聞含め何度も説明してるだろ。。
2014-10-12 21:45:06構ってほしかっただけって、どうやったらそんな傲慢な発想が出てくるのかなあ…。 ブロックしてる相手、つまり将来にわたって双方向対話を拒否した相手に、一方的にコンタクトして侮辱って、個人の勝手とはいえよくわかんない下品さです。 これも@はたぶん届かないから独り言。
2014-10-12 21:45:41まあしょうがないんで、読んでて当然って態度で東浩紀氏に示唆された毎日新聞の記事を検索。これか。 キーパーソンインタビュー:「弱いつながり」出版 「偶然である出生から考えたい」 東浩紀さん - 毎日新聞 mainichi.jp/feature/interv…
2014-10-12 21:48:49「ツイッターではどんどん発言しろ、その代わり無視されても気にするな、他方自分の方で無視したければどんどん無視しろ、というのが僕の主張で、それが『観光客であること』の要なのです」 mainichi.jp/feature/interv… 「弱いつながり」と「ブロック」は矛盾しない論、これかな。
2014-10-12 21:59:39「日本ではみんなが他人に口を出しすぎだし、他人の目を気にしすぎです。(略)迷惑そうに顔をしかめられて困ったという話をよく聞きます。僕はそんなものは無視すればいいと思う。出ていけと言われない限りは、無視すればいい」 つまり殺伐としても好き勝手言えっててことで、このへんは東氏に賛成。
2014-10-12 22:04:01東浩紀氏とぼくとで、明確に認識が異なるのはこのあたり。 「他者を見ているけど、あえて配慮しない。それこそが『弱いつながり』です。無視は関係の断絶ではないのです。他者の存在は見ているし、認めてもいる」 ここで「無視」をtwitterの「ブロック」として実践すると、かなり危うくなる。
2014-10-12 22:08:22twitterの「ブロック」は、相手の存在をタイムラインから消し、相手との直接対話のルートを閉じる機能。つまり、一次的なつながりを断絶する。将来にわたって相手との対話を拒否したに等しい。たしかに無視は関係の断絶じゃないけど、ブロックは断絶だ。TL上では「どくさいスイッチ」に近い。
2014-10-12 22:15:02ぼくが東氏にに「結局構ってほしかっただけじゃん」と侮辱するまでまともに反応する気がなかったのも、このあたりにある。なんで「おまえの言うことは聞かない」って機能を使った相手とコミュニケーションをとらなきゃいけないのか。法に反しない限り言うのは勝手だけど、こっちが頭にくるのも勝手だ。
2014-10-12 22:17:54ぼくの発言が東氏に届いたように、ブロック関係でもコミュニケーションは一応可能だ。ぼくはいまひとりごとを書いてるけど、もしかすると東氏に伝わるかもしれない。 でもこれはネットワーク社会学の理論でいう「迂回路」だ。ネットの対話関係という弱い紐帯をさらに弱くして、ぎりぎり繋がっている。
2014-10-12 22:23:24『弱いつながり』の欠点のひとつは、グラノヴェッター理論の「弱い紐帯(絆)」と、東理論の「弱い絆」「弱いつながり」の違いが明確でないことだ。 「弱い絆」はグラノヴェッターが提唱したと説明するけど、おそらく原義とかなり異なる意味で使っている。定訳の「弱い紐帯」どう違うか、謎が多い。
2014-10-12 23:09:31さらに、本書のタイトルである「弱いつながり」については、実は一度も説明されていない。というか言及すらされていない。書中ではすべて「弱い絆」に統一されていて、「弱いつながり」はタイトルにしか登場しない。これには電子書籍テキスト検索してみたぼくも驚いた。
2014-10-12 23:11:21「弱いつながり」という書で「弱い絆」の話をする。そしてそれは著名な先行研究のある「弱い紐帯」と同じ用語のように説明しているけど、おそらく欺瞞だ。「肉親はもっとも弱い紐帯である」という理屈はない。じゃあ「弱い絆」は別物なのか。「弱いつながり」ってなに。本書はいったい何の本なのか。
2014-10-12 23:16:48用語の話は細かくなるから、このあたりにしておきます。「紐帯」って日本語が一般的でないから、一般向けの説明であえて違う言葉を使った、ってところは理解できるし。問題はその内容なんだけど。
2014-10-12 23:25:08そもそも、『弱いつながり』が何の本かというと、細かいことを置いとくと、「ネットの限界を超える」話だ。 「ネットでは自分の見たいと思っているものしか見ることができないからです。(略)その限界をどう超えるか。それが本書のテーマです」 そしてその手段として「旅行」を提唱してる。
2014-10-12 23:27:51「ネットでは自分の見たいと思っているものしか見ることができないからです」このことに異論はない。 ひとつは、そもそもネット上のどこにも存在しない情報は(意外に)多いから。これは実際に体験するしかない。なぜ存在しないか問題も軽く触れられてるけど、本書ではあまり大きく扱われていない。
2014-10-12 23:31:22「ネットでは自分の見たいと思っているものしか見ることができない」のもうひとつの理由は、情報が存在するのに、自分がアクセスできないからだ。検索エンジンの支配という問題のほか、近年ではパーソナリゼーションで「見たいものしか見えない」状態に最適化されてしまっている、ということが大きい。
2014-10-12 23:34:44なぜ「見たいものしか見えない」のか?システムで最適化されているからだ。Google、Amazon、Gunosy。まとめサイト。ありとあらゆるおせっかいで世界は狭められている。 だから、システムを超えるため、旅に出よう! 素晴らしい。そのとおりだ。実際ぼくも世界17カ国を回った。
2014-10-12 23:39:33ネットは本質的に「見たいものしか見えない」メディアだ。悪いのは誰だ? システムだ。旅に出てシステムを超えるぞ!「弱いつながり」ばんざい! ちょっと待った。悪いのは本当にシステムか? きみは無罪か? 見たくないものから目をそらしてる主体が、ここにいるんじゃないのか?
2014-10-12 23:43:11ここで、東氏に批判されたぼくの発言に戻る。 > 東浩紀氏の最近の主張「弱いつながり」と、以前からの行動「粛々とブロック」「アンチとして処理」「見たいものしか見ない」(=絶縁)は深刻な矛盾を孕んでいて、そこを東浩紀読者はどう受け取ってるのかは気になる。 確かにこれは不鮮明だ。反省。
2014-10-12 23:43:50