図書館での出会い002

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御曹司 @applex004

@applex002 「えー、ちょっと、なになにもう仲良しなノ?ボクすごい疎外感」ぱちぱちと瞬きを繰り返し。「ボクはバニラとピーチのやつネ♡」「はいはい、ヴィゴはオマケなしだからね」「えっ……」

2014-10-19 22:49:02
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 近くの広場に場所を変え並んで噴水に腰を下ろすと買って貰ったばかりのアイスに舌を這わせた。店員さんが選んでくれたのはカシスのシャーベットとチョコレートにマシュマロが混ざったフレーバーだ。「……美味しい」口の中に広がる冷たく甘い味に自然と頰が緩んでいた。

2014-10-26 20:35:08
御曹司 @applex004

@applex002 「来て良かっタ」隣に座る少女の姿に目を細めるとふわりと頰を緩めた。「キミの知らなかったコトを知れタ。だけど誰にも教えたくないナ。キミのその笑顔が、世界中のどんな美しい花を集めてブーケにしても比べ物にならないくらい素敵だってコト♡」

2014-10-26 21:03:31
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 「……あらそう、それはどうもありがとう?」猫のように目を細める相手に溜息をつくと「他の方はどうか知らないけれど、そんなありきたりな言葉で喜ぶほど可愛くないわよ、わたし」

2014-10-26 21:18:58
御曹司 @applex004

@applex002 「喜ばせたくテ言ったつもりじゃなかったんだケドな」相手の言葉にきょとんと目を瞬かせると苦笑を漏らし。「キミは大人顔負けに空気の読めテ、さっきもボクを立ててくれたデしょ?」

2014-10-26 21:32:50
御曹司 @applex004

@applex002 「キミが聡明で意志の強い女性だってコトは知ってタけど、そうやってアイスを食べテ笑ってル姿はやっぱり年頃の女のコなんだなっテ思っテ。本を読んで難しい顔してル時しか知らなかっタから、かわいいナっテ思ったダケだヨ♡」

2014-10-26 21:32:59
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 「……っ、あっ…そう」嫌味もなく自然に可愛いと言われれば意思に関係なく頰が熱くなり誤魔化すようにアイスに舌を伸ばした。「こ、子供扱いされる程子供でもないわ。わたしもう16歳よ!」

2014-10-26 21:43:47
御曹司 @applex004

@applex002 「アハ、女性としテも素敵だヨ、小鳥チャン♡ネー、それ食べたコト無いんだけど一口頂戴♡」言いながらも既にアイスを持つ少女の手に手を重ねて落ちないように支えると顔を近づけて赤い舌を伸ばす

2014-10-26 21:52:53
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 「ちょっ、ちょっと…!あげるなんて一言も言ってないわよ!」急に近づいた端整な顔に動揺するのが悟られないように声を荒げた。

2014-10-26 22:04:08
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 男が近づくとふわりと香る柔らかながら"男"であることを意識させるような香水に顔が熱くなる。大きく騒ぐ鼓動に合わせて震える指先が伝わって仕舞わないようにアイスを握る手に力を込めた。

2014-10-26 22:04:13
御曹司 @applex004

@applex002 必要以上に騒ぐ少女からは男が嗜虐的に口角をあげたのは見えなかった。「アハ♡美味しい!ゴメンね、ボクの食べル?コッチもすっごく美味しいヨ!ボクのお勧め♡」なんでもないことのように身を離すと淡い桃色のアイスを差し出しにこりと笑い

2014-10-26 22:10:27
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 「…っ、要らないわよ!もう…」相変わらずな様子に内心ホッとしながらとまだドキドキと騒がしい胸を静めるために二度目のため息をついた。まだ二三小言でも飛ばしてやりたかったけれどそもそもアイスを買い与えたのが男であることを思い出して口を噤む。

2014-10-26 22:19:20
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 逃げるようにアイスに口をつけようと思ったものの男が舐めとったことを思うと思わず手を止めてしまった。

2014-10-26 22:19:26
御曹司 @applex004

@applex002 「エー、ホントに美味しいのにー」勿体無い、と呟きながら自身のアイスを食べるとふと思いついたようににこりと笑い「ア!っテいうかコレ、間接チューだネ♡…食べないノ?」

2014-10-26 22:25:16
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 今まさに気にしていたコトを指されて思わずびくりと肩が揺れた。「ば、バカじゃないの!?子供じゃないんだからそんなコト一々気にしないわよ!食べる!食べます!ええ、もう一口だってあげないんだからね!」

2014-10-26 22:28:17
御曹司 @applex004

@applex002 わかりやすく騒ぐ少女に思わず笑ってしまった。コロコロと表情を変える少女への興味は尽きない。他愛もない話題を振れば時間が過ぎるのははやい。

2014-10-26 22:47:00
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 気がつけば空は黄昏に染まっているようで、随分と長い時間を過ごしてしまったようだ。流石というかなんというか……決して褒めているわけではないけれど相手を楽しませる術に長けていると言わざるを得ない。褒めているわけではない。断じて。

2014-10-26 22:53:30
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 「あら……もういい時間ね、そろそろ帰らないと」

2014-10-26 22:53:40
御曹司 @applex004

@applex002 少女に言われて空を見上げ「ホントだー、全然気付かなかっタ!楽しい時間は過ぎるのが早いっテ、本当なんだネ♡」座っていた噴水の端から立ち上がると少女に手を差し伸べる。「送っていくヨ」

2014-10-26 22:59:29
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 夕日を背に白いスーツを金色に染める紳士的な男の顔は逆光でよくわからない。差し出された手を取ることなく立ち上がると軽くスカートを払う。「結構よ。執事が迎えがくるの」

2014-10-26 23:04:56
御曹司 @applex004

@applex002 「そっか、それなら安心だネ」きっぱりとした断わりに微笑みを返すと幾分か下にある少女の髪に指を滑らせる。汚れを知らない天使の翼の様に白い髪を一房掬うとそっと唇を寄せ「またネ、小鳥チャン♡」あっさりとその場を離れた

2014-10-26 23:15:01
シャオイー(小伊) @applex002

@applex004 離れていく男を見送る。「……小鳥ちゃんってなんなのよ」完全にその姿が見えなくなると自身も図書館へと道を引き返した。

2014-10-26 23:18:24