■界隈ログ(小伊)2

小伊(シャオイー・マーティン) 16歳/アルビノ/父親がとあるお偉いさん 2章になりました。
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まとめ ■界隈ログ(小伊) 小伊(シャオイー・マーティン) 16歳/アルビノ/父親がとあるお偉いさん 2704 pv 3

000:人物紹介

■シャオ
シャオイー・アンジュ・マーティン(16)
髪も肌も服も雪のような白を纏うアルビノの少女。
わがままでツンデレで単純。やかましい。

■クリス
クリスチャン(16)
シャオが奴隷売りから買った半ヴァンパイアの少年。
シャオの執事をしている。
明るい茶髪に赤眼。

□一琳(イーリン)・マーティン
シャオの母親で華国マフィア幹部のファーストレディ。
美術品の海外貿易に携わっている。
かなりの自由人。


シャオイー(小伊) @applex002

「良い天気ね」 呟いた主人につられて窓の外を覗くも、薄い雲が空を覆っていてぱっとしない色が広がっている。『本当ですね』知らない人が聞けば違和感だらけの会話でも、アルビノの主人と吸血鬼の成り損ないのぼく。灰色に近い曖昧に広がる天気の方が自分たちには丁度いいのだ。

2014-09-07 13:37:05
シャオイー(小伊) @applex002

アフタヌーンティーを嗜みながら主人は読んでいた薄い本の最後のページを捲った。きっと外に出ようと言い出すのだろう。じっとしているのは苦手な人なのだ、彼女は。ぼくは洗っていた食器を拭く手を止めて指に残る水気を払う。 「図書館に行きましょう!」 ほら、来た。

2014-09-07 13:38:01
シャオイー(小伊) @applex002

『図書館ですか?』「新しい本を借りてくるの。あなたも少しは本を読まないと馬鹿になるわよ」『はは、…善処します』 さっそく出かけようとカップの中身を飲み干した主人に倣ってエプロンの紐を解くと玄関へと向かった。

2014-09-07 13:38:49
まとめ 図書館での出会い001 751 pv 1

シャオイー(小伊) @applex002

『シャオ、手紙が届いていますよ』「誰から?」『えっと、なんて読むんでしょう?』図書館から帰り、上着をかけながら尋ねれば執事の少年は真っ黒に染色された一通の封筒を差し出した。「これは外国語で……って嘘でしょ!?」記された癖のある金の文字を目にすると慌てて封蝋を割り開いた。

2014-09-27 22:51:48
シャオイー(小伊) @applex002

物凄い勢いで手紙に目を通す主人はもともと血の気の薄い顔を更に青くして食い入るように文字を追っている。『あの、どなたからなんです?』「……、」『…えっと……』最後の一文字まで目を通したのか、今度はこちらが驚くほどの勢いで顔を上げた。「大変よ、クリス!」

2014-09-27 22:56:13
シャオイー(小伊) @applex002

『あ、そうなんです?じゃあ明日にでもお屋敷の掃除と食材も買い足さないといけませんね。あ、でもこの前みたいに外食ですかね?』「いいえ…そんなことよりすぐにわたしの荷物をまとめて」『……はい?』「それから高価なものとプライベートなものは隠して!ああ、それからそれから…っ、あなたは…」

2014-09-27 23:03:16
シャオイー(小伊) @applex002

『?、この前お父さんが来られたときみたいにぼくが"ヴァンパイアの成り損ない"だって秘密を守れば良いんですよね?』「……いえ、ママに関してはそんな秘密なんてどうだっていいわ」『どうだっていいって…』 「そんなものよりあなたが守るべきものは、……貞操よ」

2014-09-27 23:10:51
シャオイー(小伊) @applex002

『………は?』「いいからとにかく言われた通りにして頂戴!」『え、あの、シャオのお母さんが来られるんですよね?』「そうよ!わたしは暫く家を空けてホテルかどこかに泊まるから、ママが来たら海外に遊びに行ってるとかなんか適当に誤魔化しておい『シャーーーーーオーーーーー♡』

2014-09-27 23:17:59
シャオイー(小伊) @applex002

「嘘、もう来た!?」『ひぃ……っ!』バン、と大きな音を立てて玄関のとびらが開いたかと思うと弾丸のようにすっ飛んで来たなにかが、執事の少年に抱きついた。 「……って、そこは普通娘に抱きつくところでしょうが!!」『だぁって、可愛い男の子が見えたんだもんつい脊髄反射が♡』『え、あの』

2014-09-27 23:27:49
シャオイー(小伊) @applex002

『キミがクリスくんね。旦那から聞いてるわよ、改めてよろしくねー!一琳(イーリン)・マーティン、シャオちゃんのママです♡』タイトな黒いスキニーに黒革のジャケットを羽織った女性はかけていたサングラスを目を惹くネイルが施された指で外すとにこりと美しく笑った。

2014-09-27 23:38:50
シャオイー(小伊) @applex002

『あ、はい。クリスです。今後ともよろしくお願いします』『きゃーー、シャオちゃんいまの見た!?ヤバい、超可愛い♡』「いいから、離れなさいよ!なんでこんなに来るのがはやいのよ!大体、玄関鍵かけてあったでしょう!?」『やだ、シャオちゃん怖〜い』「…三十路が泣き真似しても可愛くないわよ」

2014-09-27 23:48:36
シャオイー(小伊) @applex002

『だってこの街に着いてから書いたんだもん、消印無かったでしょう?っていうか針金さしたら開く鍵とか鍵って言わないし。もっと良いのに取り替えたら?ママ心配よ』「わたしは針金で人の家の鍵を開けるママが心配よ。…っていうか何しに来たのよ?パパのところにいけば良いじゃない」

2014-09-28 00:00:31
シャオイー(小伊) @applex002

『ひど〜い、娘の顔見に来ちゃいけないの?シャオちゃん全然連絡くれないから寂しくて飛んできちゃったのよ。結局、"逃げた"きりじゃなぁい?』そう言われれば少女はぐっと唇を噛んだ。『冗談よ♡仕事でこの街に来ただけだから、終わったらすぐ帰るわよ』「……泊めるのは暫くだけよ」『やったー!』

2014-09-28 00:02:54

シャオイー(小伊) @applex002

『シャオちゃーん?』リビングへと顔を出した女性に気がつくと洗い物をしていた少年がぺこりと頭を下げた。『おはようございます、シャオならもう出かけましたよ。図書館に行くのが日課なので』『あら、そうなの』まだ眠たそうなシャオのお母さんは昨日ほどの破壊力はないようで内心ホッと息を吐いた。

2014-09-29 12:57:29
シャオイー(小伊) @applex002

『…お母さん、お若いですよね』シャオがママと呼ぶからには確かに母親なのだろうけど到底十六の子供を持っているようには見えない。二十代半ばといわれても不思議ではないし、むしろしっくりきてしまうほどだ。『あら、ありがとう!シャオちゃんはわたしが十四のときの子だからね』

2014-09-29 12:58:11
シャオイー(小伊) @applex002

『…え!?あ、そうなんです?』『パパったらわたしに夢中だったから♡』きゃっと、恥じらうというよりはふざけて言う女性の言葉に何度か会ったことのあるシャオのお父さんを思い出して複雑な気持ちになったのはまた別の話だ。『あなた幾つ?』『十六歳です』『あら、シャオちゃんと同い年ね!どう?』

2014-09-29 12:59:52
シャオイー(小伊) @applex002

『どう、ってなにがですか?』『うちのシャオちゃんよ。わたしに似てとっても可愛いでしょう?一緒に生活しててそういう気持ちになったりしない?』ずい、と綺麗な顔を近づけられると嗅いだことのない上品な大人の女性の香りに無意識に頰が熱くなる。

2014-09-29 13:01:15
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