000:人物
■シャオ
シャオイー・アンジュ・マーティン(16)
髪も肌も服も雪のような白を纏うアルビノの少女。
■クリス
クリスチャン(16)
シャオが奴隷売りから買った半ヴァンパイアの少年。
明るい茶髪に赤眼。
□アルベルト・マーティン
シャオの父親で警察庁長官。
□ナベリウス
シャオの父親が飼っている犬。
日の光の元でしか姿が見えない。
(ルディ、ロルフ、ヴォルフガング)
001:奴隷購入
まったく、過保護なお父さまには嫌になるわ。せっかくの一人暮らしだっていうのに身の回りの世話が出来るものを雇いなさいだなんて、わたしのことを馬鹿にしているのかしら
2014-04-18 13:32:54まぁいいわ、確かに使用人がいて助かることがあるのも事実だもの。どうせだから精々少しは面白みのあるやつを選ぶことにしましょ。そう決めると、お気に入りの日傘をさしてくるくると回しながらわたしは緩やかな日差しの下を歩き始めた。
2014-04-18 13:38:19「不服そうな顔ねえ、わたしみたいな子供に買われると思ってなかった?わたしだってあんたみたいなガキを買うつもりはなかったわよ。でも買った。だからちゃあんと働いて貰うわよ」
2014-05-16 16:33:45「あんた、人間でいたいんでしょ?そのために変化を抑える薬はとても高価なものだものね。精々わたしを満足させ続けることね!ふふ、さぁ、ぼーっとしてる暇があったらさっさと体を洗って着替えて来なさい」
2014-05-16 16:39:43湯浴びを済ませて燕尾服に身を包んだ少年はさっきよりはいくらかマシになったように見える。ジメジメした路地裏に生す苔みたいに陰気臭い顔だけなんとかならないものかしら。こっちまで気が滅入ってくるわ。 「おいで、髪をセットしてあげる。それから名前をつけてやらなくてはね」
2014-05-16 17:09:39「あなた十字架に拒絶反応が起きるんですって?ふふ、特定の図形にアレルギーを起こすなんて不思議ねぇ。ねえ、あなたの名前だけど"クリスチャン"なんてどう?名前そのものに十字架を背負うなんて素敵じゃない!あははっ!」
2014-05-18 20:29:35「クリス、お茶をいれて。なあに、そんなこともできないの?ほら、茶葉は上の棚にあるから…ん、届かない!あらありがとう。ポットはこれを使うのよ。お湯は沸騰寸前まで温めて、…そう、ミルクと砂糖は一杯ずつ。主人の好みは一度で覚えるのよ、良いわね?」
2014-05-18 22:12:48ぼくを買った主人は年のそう変わらない女の子でした。髪も肌も雪のように白く、人形のように愛らしい顔立ちをしていますが口を開くと残念な気持ちが拭えません。ぼくにクリスチャンという名前をくれましたが理由を知ると嬉しいのかムカつくのか…でも主人からの頂き物ですから、恐らく嬉しいのでしょう
2014-05-18 22:17:53『シャオ、食事中に立ち上がるのは行儀が悪いです』「っ、あんたこそレディーが立ち上がったら立つのよクリス!それからその訛り、そんなんじゃお里がしれるっていうの!馬鹿にされるのは主人なんだからちゃんと上流階級の言葉遣いを覚えなさいよね!」『シャオ、…座りなよ』「っ敬語をつかえー!!」
2014-05-19 06:11:04「今日は良い天気ねー!」少女が手を伸ばす空はどんよりと重たい色の雲が蔓延っていて日の光の一つもさしていない。「あなたもそうは思わない?クリス!」くるくると上機嫌に回るように歩く少女に『前を見て歩かないと転びますよ』と声をかけられた少年が呆れ顔で呟いた。
2014-05-23 08:44:18「ようやく"らしく"見えるようになってきたわね。バトラーさん?」『あまりお転婆はなさらないで下さいね、シャオ』 余計なお世話よ、と毒づく少女の半歩後ろを燕尾服の少年が呆れ顔でついていく
2014-05-21 14:19:36「わたしは少し出かけてくるわ。クリスは後片付けが終わったらちゃんと勉強してなさいよね」『畏まりました、お嬢さま』「…あなたにお嬢さまって呼ばれると気味が悪いわね、やっぱりシャオで良いわ」日傘を開くと癖なのかくるくると回しながら屋敷を後にした
2014-05-19 06:32:28