■界隈ログ(小伊)2

小伊(シャオイー・マーティン) 16歳/アルビノ/父親がとあるお偉いさん 2章になりました。
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シャオイー(小伊) @applex002

『あなたが好きに食い潰して良い子じゃないわ』先ほどまでと変わらずに上品な微笑みを浮かべているのに反論を許さないような口調だった。『本当に心臓が止まるかと思ったわぁ。パパったら肝心なところで役に立たないんだから、ほんとに男の人って当てにならないわよねぇ』

2015-06-25 22:39:09
シャオイー(小伊) @applex002

『知らなかっタな、アナタでも人のコトに口出しするンですネ』『あら、シャオちゃんは特別よ♡わたしの宝物なんだもの』少女の父親が行き過ぎた過保護で有名なのは知っていたけど、なるほど、警戒すべきは一人ではなかったらしい。

2015-06-25 22:44:20
シャオイー(小伊) @applex002

『悪いことは言わないわ。あなたはあなたの領域で遊んでいるのが身の為なんじゃぁないかしら?そうすれば、きっとこのことは怖ぁい鬼さんの耳には入らないわぁ』うーん、そしてどうやらこちらも大概な親馬鹿らしい。鬼はもう目の前にいるんじゃないだろうかとさえ思えてくる。

2015-06-25 22:49:50
シャオイー(小伊) @applex002

『ソレは、シャオと縁を切れってコト?』『それとなくよ♡あの子を傷つけるようなことがあったらそれこそタダじゃ済まないわ』そんな可愛く言ったって、真っ黒のサングラスの奥でどんな恐ろしい目をしているのか知れたものではない。うーん、こういう脅しはちょっと苦手。

2015-06-25 22:53:38
シャオイー(小伊) @applex002

『はぁーーー、もう、そんな怖い顔で追撃ちかけないデ!……心配しなくテも、たった今振られちゃっタばっかりなんだカラ』盛大に溜め息をつきがてら素直に言えば『あら?あらあら、ヴィゴくんが?シャオちゃんに?やだぁ♡今日はびっくりするコトだらけねぇ!』

2015-06-25 23:02:47
シャオイー(小伊) @applex002

さっきまでとは打って変わってにまにまと笑う相手が恨めしい。 『……シャオは、ほんとに綺麗なんですネ。なんテ言えば良いノかな、何色にも染められそうな白なのに、いざ触れてみれば純粋過ぎる潔白にコッチが逆に染められちゃいそうナ程』

2015-06-25 23:09:51
シャオイー(小伊) @applex002

あんなに純粋でストレートな告白をされたのは本当に初めてのように思う。無垢。そう、偽りのない無垢だから「子供に本を取ってあげるヴィゴが好き」だなんて、恥ずかしげもなく言ってしまえるんだ。真っ直ぐなルビーの瞳に映し込まれたボクまでもが、ボクではない聖人君子のように思えるほどに。

2015-06-25 23:18:31
シャオイー(小伊) @applex002

手を伸ばせば捕まえられるまで近付いたと思っていたのに、実際は遥か遠く、高い高い美しい青い空の世界を飛んでいたのだ。真っ白な翼で。当たり前だ、いくら照準を合わせても地上から弾が届くはずがない。

2015-06-25 23:23:44
シャオイー(小伊) @applex002

『でもネ、ボク案外シャオのコト気に入ってるンです。関係を絶たナいと恨みを買うとおっしゃるなラ、イーリンサンも、イーリンサンの旦那サンも、敵に回してもイイかナって思っテたり。モチロン、友人としてネ♡』

2015-06-25 23:26:33
シャオイー(小伊) @applex002

海の藻屑にされたら流石にシャレにならないけど。イーリンサンは何を考えているのか、ボクの挑発を受けて短い沈黙を守っていた。 『っ、やーん♡良く言ったわねぇ、ヴィゴくん!それでこそ男だわぁ♡そう言うの大好き♡』

2015-06-25 23:33:13
シャオイー(小伊) @applex002

『アハ♡ボクの首の皮は繋がっタ?』『もー、特別よぉ♡どうしてもシャオちゃんに手をつけたくなったら私が代わりをしてあげるからそれで我慢なさいねぇ♡』『わぁ、ゼイタク』

2015-06-25 23:36:41
シャオイー(小伊) @applex002

『あなたは早く、悪い魔法が解けると良いわね』 冗談の延長線上なのか、ふと彼女はそんなことを言った。その意味を言及するべきか一瞬躊躇っているうちに、救護室の扉が開いてすっかり着替えを済ませたシャオが呼びに来たのでそれまでになったのだけど。

2015-06-26 07:26:32

シャオイー(小伊) @applex002

『あ、シャオ!』 港に戻り、船から降りると見慣れた執事の姿があった。「クリス?どうしてクリスがここにいるのよ」『あの、それなんですけど、突然天井から男の人が湧いて出てここに迎えに行けと…言葉少なめに語って去って行ってしまって……ぼくにも正直さっぱりで』「ああ……オオトモさんね」

2015-06-28 13:12:56
シャオイー(小伊) @applex002

「ママの親衛隊みたいな人なの。オオトモさんはジャパニーズニンジャだから天井から湧いて出ても仕方ないわ」『シャオの留守中に不法侵入されたって報告なんですけどそれでいいんですか?』そんなこと言われたって仕方ない。ママの周りの人は常識で測ろうとするだけ無駄なんだから。

2015-06-28 13:18:05
シャオイー(小伊) @applex002

『お友ダチ?』「いえ、執事のクリスよ」隣にいたヴィゴが珍し気に覗き込む。『初にお目にかかります、クリスチャンと申します』『アハ♡そっカ、キミが例の執事クンかぁ!初めましテ』

2015-06-28 13:27:06
シャオイー(小伊) @applex002

ヴィゴが手を出すので、握手にとクリスも手を伸ばす。が、ヴィゴはそのままぽんぽんとクリスの頭を撫でると『想像よりずっとキュートな執事サンなんだネ』とわたしを振り返った。『……っ、』「これでも最近は仕事が板についてきて頼りになるのよ」『き、恐縮です』

2015-06-28 13:33:35
シャオイー(小伊) @applex002

『アハ♡その優秀な執事サンがお迎えに来タってコトは、帰りの馬車は心配無いネ』「ええ。今日はいろいろとありがとう、ヴィゴ」いろいろありすぎて、とても楽しい一日だった。『どう致しましテ、またデートできる日を楽しみにシてるヨ』

2015-06-28 13:41:41
シャオイー(小伊) @applex002

「あ、」ちゅ、と素早く触れるだけのキスを残すと『クリスクン、シャオをよろしくネ♡』男はあっさりと人混みの中に紛れていった。 ……不覚。油断してしまった。

2015-06-28 13:45:56
シャオイー(小伊) @applex002

『シャ、シャオ!?今のやたらかっこいい方はどなたなんです!?』「な、なによ!誰だっていいじゃない……って、なんであなたが赤くなってるのよ」『だ、だって……えっ!?まさか普段なしないような格好で出かけたのって、!?』「あー、もう騒々しいわね」

2015-06-28 13:57:30

シャオイー(小伊) @applex002

「友人よ。とても大切な、ね」

2015-06-28 14:05:17

シャオイー(小伊) @applex002

『…嘘だ』 「は?」『だってシャオ友達いないじゃないですか』「ちょっと!?それどういう意味よ!!?ちょっ、待ちなさい!!こら!!」 人混みの中に騒がしい二つの影が紛れていく。夜でもたくさんの灯りを灯したこの街はなんら変わりなく彼らを受け入れているようだった。

2015-06-28 14:05:44
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