■界隈ログ(小伊)2

小伊(シャオイー・マーティン) 16歳/アルビノ/父親がとあるお偉いさん 2章になりました。
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シャオイー(小伊) @applex002

「だからね、ヴィゴ。わたしが時間をかけて大人になって、今日あなたが望んだことをそのときのわたしが望んでいたら、また今日みたいにデートしてくれる?」 なんて、これじゃあ少しわがままな子かもしれない。それでも良いか。だってわたしは少しわがままなくらいがわたしらしいんだもの。

2015-06-24 22:46:21
シャオイー(小伊) @applex002

男はすぐに口を開いて、だけど勿体つけるように一度にこりと笑った。 『もちろんだヨ、小鳥チャン♡』

2015-06-24 22:48:18
シャオイー(小伊) @applex002

また小鳥ちゃんって、と反発しかけた口を噤んだ。改めて聞いてみればこれはこれで悪くない気もする。彼が"chirp"と呼ぶのはわたしのことだけなのだ。

2015-06-24 22:58:09

シャオイー(小伊) @applex002

『あーぁ、ダケド、こんなに素敵な告白をされタのは初めテなノに、振られちゃっタんだネ』「……ふふ、いい経験になったかしら?」男は大袈裟に肩を落としたかと思うと、次の瞬間にはもうにこりと笑って…いや、にやにやと口元を歪ませていた。

2015-06-24 23:02:36
シャオイー(小伊) @applex002

『ネぇ、ボクといるとそんなにドキドキしタ?自分が自分じゃ無くなルくらい、ボクのコトいっぱい考えテくれタの?』「っ、な!?」『アハ♡お顔真っ赤♡』

2015-06-24 23:05:44
シャオイー(小伊) @applex002

「っ、振られた分際で調子に乗らないでよね!」『エー、自分で言ったクセに。ネェ、こうしてると今もドキドキすル?心臓が壊れそうなくら「わー!!!わー!!!わーーー!!!!!なんにも聞こえないんだからっ!!!!」

2015-06-24 23:12:54
シャオイー(小伊) @applex002

ずずい、と身を乗り出してくる相手に思わず身を逸らすも限界がある。そもそも諸悪の根源の膝に乗っているこの状況が既によろしくないというのに離れようにもいつの間にやらぎゅうと回された腕に力が篭っていて抜け出せない。

2015-06-24 23:18:32
シャオイー(小伊) @applex002

『待っテ、待っテ。逃げないデ。コレくらいはイイでショ?』じたばたと頻りにもがいているわたしを見てヴィゴは可笑しそうに笑った。「ぅ、こ…これくらいなら」『アハ♡手を繋ぐノは?』「ん、」『アハハ♡じゃぁ、ちゅーは?』「っ、調子に乗るんじゃないわよ!」

2015-06-24 23:24:40
シャオイー(小伊) @applex002

『シャオちゃん……っ!!!!』 バンッ、と突然大きな音を立てて救護室のドアが開いた。すったもんだ、不毛な攻防を繰り返していたわたしたちは音につられて揃って入り口を見遣り、固まった。 『あ、イーリンサン!』 「ママ!?!?」

2015-06-24 23:31:42

シャオイー(小伊) @applex002

「どうしてママがこんなところにいるのよ!?帰ったんじゃなかったの!?」『帰るわよぉ。その前にちょーっと遊んだっていいじゃない。って、そんなことより、心中未遂したカップルがいるっていうから冷やかしに来てみたら……まぁ♡お取り込み中だったかしら?』

2015-06-25 21:25:19
シャオイー(小伊) @applex002

にまにまと意味有り気な笑みを浮かべる自身の母親の視線に、ふと自分の状況を思い出して騒然とした。「ち……ちっがーう!!心中じゃないしお取り込み中でもないわよ!!あれは、そう!事故よ事故!!ね、ヴィゴ!?」近すぎる距離にいる相手から慌てて離れて同意を求めた。

2015-06-25 21:33:20
シャオイー(小伊) @applex002

『エ?あぁ、ウン。ラブハプニングってやつカナ?♡』『まぁ♡』「だっ!?ちがうってば!!」あ、ダメだ。四面楚歌過ぎる。「そ、そんなことより何?二人とも知り合いなの?」ママは初対面の人でもだいたいこんな感じだけどヴィゴはさっき確かにママの名前を呼んでいた。

2015-06-25 21:35:53
シャオイー(小伊) @applex002

『…イーリンサンは父の仕事の取引先にあたるお得意サマなんだヨ』『そ、ヴィゴくんは貿易会社の御曹司さまってこと♡』「へ、へぇ」ボクは全くお仕事携わってないけどネ、と補足するヴィゴ。全然知らなかった。なんだろう、自分の知らないところで家族と交流があるって凄くむず痒い。

2015-06-25 21:41:59
シャオイー(小伊) @applex002

むず痒いどころか、相手がママというだけでこの二人がどこまでの間柄なのか純粋に疑問を抱かずにはいられない。ママの"仕事絡み"でも、"プライベート"でも。いや……娘としては自分の母親の節度を手放しに信じたいけれども。

2015-06-25 21:48:05
シャオイー(小伊) @applex002

『もー、昔からお転婆な子だと思ってたけど海に落ちちゃうなんて何考えてるのよぉ!ママいま扉を開けた瞬間本当にびっくりしたんだからねぇ!!』「……そうよね、ごめんなさい」『……ふふ。ほら、ママ荷物全部持ってきてるからはやく着替えなさい。せっかくのお洋服が台無しじゃないの』

2015-06-25 21:57:27
シャオイー(小伊) @applex002

まだ水分を含んで湿っているにも関わらずぎゅうと抱きしめられるといつものママの良い香りがして、何故かツンと目頭が熱くなった。「うん。ありがとう」『髪の毛まとめて肌に触れないようにね。帰ったらちゃんとシャワー浴びて寝ないと肌弱いんだから海水「わかってるわ。ありがとう、ママ」

2015-06-25 22:06:31
シャオイー(小伊) @applex002

『イーリンサンがお母サンしてル』『あらあら、ヴィゴくんったらなにボーッとしてるのよ♡乙女が着替えるんだからヴィゴくんはわたしと一緒に外に出るのよ♡』『待っテ、ボクも一応ずぶ濡れなンですケド♡』『問答無用♡』二人が出て行ったドアが閉まると驚くほど静かで思わず笑ってしまった。

2015-06-25 22:12:41

シャオイー(小伊) @applex002

船内の廊下に人の姿はなく、ざわめきが遠くに聞こえるだけで静かなものだった。『もしかしテ、監視しテましタ?』なんとなしに思っていたことを口にすると、意外にも彼女はぎょっとした顔をしてこちらを見遣った。『まさかぁ!ほんとに偶然よぉ、ほんとにびっくりしちゃったんだからぁ!』

2015-06-25 22:19:11
シャオイー(小伊) @applex002

『まさかシャオちゃんの王子さまがヴィゴくんだったなんて……、はぁ……』『?』『意外とあの子メンクイなのかしら?やだ、競争率上がっちゃう♡』『エッと、"何の?"とか聞かないデおくネ』両手で頰を抑えて悩まし気に言う相手は、数年ぶりであっても相変わらずの様だった。

2015-06-25 22:25:34
シャオイー(小伊) @applex002

『可愛いでしょ、わたしのシャオちゃん。きっとわたしに似たのねぇ、強かで賢くって、もう目に入れてそのまんまシャオちゃんだけ見つめてたくなるくらい可愛いでしょぉ♡』『アハ♡ちょっと大袈裟だけどわかりますヨ』

2015-06-25 22:31:52

シャオイー(小伊) @applex002

『だけど、シャオちゃんはダメよ。ヴィゴくん』

2015-06-25 22:35:23
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