医療童話-感染症と薬-

April先生が感染症と薬に関しての医療童話をつぶやいてくださったので、まとめてみました。
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Aprildiamond(坂山) @Poker_April

あるところに小さな村がありました この村の村長さんは、勉強は苦手でしたが優しい人でした この村にはひとつ心配の種がありました。 冬になるとある病気がはやり、それにかかると半分は助かりますが、半分は死んでしまうのです 村のみんなはこの病気を大変恐れていました

2014-10-22 09:01:21
Aprildiamond(坂山) @Poker_April

ある日、村に商人がやってきて言いました。 「この薬を使えば、その病気で死ぬ人を半分にできます。ですが100人に一人はこの薬のせいで死亡してしまいます」 村長さんは数字のことはよくわかりませんでしたが、その薬がよさそうなことはわかりました。

2014-10-22 09:02:41
Aprildiamond(坂山) @Poker_April

冬が来ました。村長はその薬を患者にふるまいました。効果は確かにありました。いつもの冬よりも命を落とす人は少なかったのです。村のみんなはたいそう喜びました。しかしある日・・・

2014-10-22 09:03:54
Aprildiamond(坂山) @Poker_April

ある日、薬をのんだ人が体がまっ黄色になって死んでしまいました。今までこの病気でこのような死に方をした人はいませんでしたから、薬のせいであることは明らかでした。家族はたいそう悲しんでいます。村長は村の会合で言いました「この薬はひどい結果になる、もう使うのはやめよう」

2014-10-22 09:05:28
Aprildiamond(坂山) @Poker_April

不思議に思えるかもしれませんが、村長の意見に異を唱えるものはいませんでした。助かった人たちも、薬のおかげで助かったのか、何もしなくても助かったのかはわかりません。一方薬で死亡したことは目に見えて明らかでしたから。結果その薬は使わないことになりました。

2014-10-22 09:06:44
Aprildiamond(坂山) @Poker_April

別の年、商人が別の薬を持ってきました。冬に使いました。助かる人は増えましたが、やっぱり薬のせいで死ぬ人が出て、村長は薬を使うのをやめました。 何年かたち、この村では薬を使わないことになりました。

2014-10-22 09:08:20
Aprildiamond(坂山) @Poker_April

この村では冬になるたびに病が流行り、半分が死にますが、村のみんなは「薬で死ぬよりはいいんだよ」と言っています・・・

2014-10-22 09:09:00